「事務所」って、どこのこと?
宅建業法の「事務所」は、本店・支店だけじゃありません。ポイントは2つ。①本店は、そこで宅建業をやっていなくても、支店で宅建業を営んでいれば常に「事務所」扱い。②支店は、宅建業を営むものだけが「事務所」。本店は会社の頭脳なので、業をやっていなくても関与しているとみなされるんです。
支店で宅建業を営み、本店では営んでいない場合、本店は「事務所」にあたらない。
出題頻度の高い論点を 60テーマ、1テーマ1分で読み切れる長さにまとめました。各ノートには確認問題と、宅地建物取引士(登録番号(東京)第273037号)による解説が付いています。登録なしで全文お読みいただけます。
宅建業法の「事務所」は、本店・支店だけじゃありません。ポイントは2つ。①本店は、そこで宅建業をやっていなくても、支店で宅建業を営んでいれば常に「事務所」扱い。②支店は、宅建業を営むものだけが「事務所」。本店は会社の頭脳なので、業をやっていなくても関与しているとみなされるんです。
支店で宅建業を営み、本店では営んでいない場合、本店は「事務所」にあたらない。
事務所には、業務に従事する者5人に1人以上の割合で「専任の宅建士」が必要です。営業も事務も含めて頭数を数えるのがポイント。足りなくなったら2週間以内に補充の措置をとらないといけません。ちなみに申込み・契約をする案内所は、人数に関係なく1人以上でOKです。
専任の宅建士が不足した場合、30日以内に補充の措置をとればよい。
営業保証金は、主たる事務所(本店)が1000万円、その他の事務所が1ヶ所につき500万円。供託する場所は「主たる事務所の最寄りの供託所」に全額まとめて、です。支店ごとに分けて供託するわけではありません。金銭だけでなく一定の有価証券でも供託できます(国債は額面100%、地方債などは90%で評価)。
支店を1つ持つ宅建業者は、支店の最寄りの供託所に500万円を供託する。
営業保証金の代わりに保証協会に加入する道もあります。納めるのは「弁済業務保証金分担金」。主たる事務所60万円、その他の事務所1ヶ所につき30万円と、グッと安くなります。納付期限は「加入しようとする日まで」。加入後に事務所を増やしたら、増設から2週間以内に追加納付です。
保証協会の社員が支店を新設した場合、30日以内に分担金30万円を納付すればよい。
商号、役員や政令で定める使用人の氏名、事務所の名称・所在地、専任宅建士の氏名——これらに変更があったら、30日以内に免許権者へ届出が必要です。よく出るのは「専任宅建士が交代した」パターン。宅建士個人の資格登録簿の変更(住所など)は「遅滞なく」なので、30日との区別も問われます。
専任の宅建士の氏名に変更があったときは、30日以内に届け出なければならない。
廃業・解散・破産などのときは30日以内に届出。ここで試験が大好きなのが「死亡」のケースです。個人業者が亡くなったら、相続人が『死亡を知った日』から30日以内に届け出ます。死亡日からではありません。なお免許の効力は死亡の時点ですでに失われています。
個人の宅建業者が死亡した場合、相続人は死亡の日から30日以内に届け出る。
免許の有効期間は5年。続けたいなら、有効期間満了の90日前から30日前までに更新を申請します。期限内に申請したのに処分が間に合わない場合は、旧免許が満了後もその処分があるまで有効。新しい免許の5年は「前の満了日の翌日」から数えます。
免許の更新申請は、有効期間満了の90日前から30日前までの間に行わなければならない。
免許の欠格事由で混乱しやすいのが破産です。破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者は免許NG。でも復権を得れば『直ちに』免許を受けられます。「5年待ち」は不要。5年待ちが必要なのは、不正手段での免許取得で取り消された場合などの悪質パターンです。
破産者は復権を得てから5年を経過しなければ、免許を受けることができない。
モデルルームのような案内所で申込み・契約をするなら、業務を開始する10日前までに、免許権者と所在地の知事の両方へ届出が必要です。さらにその案内所には専任の宅建士1人と標識の掲示も必要。「契約をしない、ただの案内だけ」の場所なら届出は不要です(標識は必要)。
契約の申込みを受ける案内所については、業務を開始する10日前までに届出が必要である。
宅建業者は、事務所はもちろん、案内所や継続的に業務を行う場所など「事務所等」に標識を掲げる義務があります。契約をしない案内所でも標識は必要、というのが落とし穴。また他社の物件を代理・媒介で売る案内所には、自社の標識を掲げます(売主の標識ではなく)。
契約行為を行わない案内所には、標識を掲示する必要はない。
従業者名簿は最終の記載をした日から10年間保存。帳簿は各事業年度末に閉鎖して、閉鎖後5年間保存(自ら売主となる新築住宅に係るものは10年)。さらに従業者名簿は取引の関係者から請求があれば閲覧させる義務がありますが、帳簿には閲覧義務はありません。
宅建業者は、取引の関係者から請求があったときは、帳簿を閲覧させなければならない。
重要事項説明は、契約が成立する前に、宅建士が記名した書面(35条書面)を交付して説明します。説明するのは専任でなくてもいい宅建士。説明の際は、請求がなくても宅建士証を提示します。今は押印は不要になり、相手の承諾があれば電磁的方法での交付やIT重説もOKです。
重要事項説明の際、相手方から請求がなければ宅建士証を提示しなくてもよい。
契約成立後に交付する37条書面には、必ず記載する事項と、定めがあれば記載する事項があります。売買で必ず書くのは、当事者・物件の特定、代金の額、引渡しの時期、移転登記の申請時期など。35条書面には「引渡しの時期」や「登記申請の時期」は不要なので、この対比が狙われます。
移転登記の申請時期は、35条書面に記載しなければならない事項である。
貸借の媒介報酬は、貸主・借主合わせて借賃1ヶ月分+消費税が上限。ただし居住用建物では、依頼者の一方から受け取れるのは原則0.5ヶ月分まで。媒介の依頼を受けるにあたって承諾を得ていれば一方から1ヶ月分まで受け取れますが、合計1ヶ月の上限は変わりません。
居住用建物の貸借の媒介では、承諾の有無にかかわらず、一方から受領できる報酬は借賃の0.5ヶ月分が限度である。
クーリングオフや手付額制限などの8種制限が適用されるのは、『宅建業者が自ら売主』で『買主が宅建業者でない』ときだけです。業者同士の取引には適用なし。業者が媒介に入っているだけで売主が一般人の場合も適用なし。問題文ではまず「誰が売主か」を確認するクセをつけましょう。
宅建業者間の売買契約にも、クーリングオフの規定は適用される。
宅建業者が自ら売主になる場合、買主から受け取れる手付は代金の2/10まで。超えた部分は無効です。そしてこの手付は、どんな名目でも『解約手付』とみなされます。買主は手付を放棄して、売主は倍額を現実に提供して、相手方が履行に着手するまでは契約を解除できます。
代金3000万円の売買で、宅建業者である売主は買主から手付として800万円を受領できる。
事務所等以外の場所で買受けの申込みをした場合、クーリングオフできる旨を書面で告げられた日から起算して8日以内なら、書面(電磁的方法も可)で申込みの撤回ができます。効力は発信した時に発生(発信主義)。ただし引渡しを受け、かつ代金全部を支払ったら、もう撤回できません。
クーリングオフによる撤回の効力は、その書面が売主に到達した時に生じる。
自ら売主の8種制限では、契約不適合責任について民法の規定より買主に不利な特約は原則無効。唯一の例外が『不適合を通知する期間を引渡しの日から2年以上とする特約』です。「1年」ならアウトで、特約全体が無効になり民法の原則(知った時から1年以内に通知)に戻ります。
「契約不適合の通知期間を引渡しの日から2年とする」特約は有効である。
詐欺による意思表示の取消しは、取消し前に現れた善意無過失の第三者には対抗できません。一方、強迫による取消しは、第三者が善意無過失でも対抗できます。脅された人には落ち度がないから保護が厚い、と理解すると忘れません。取消し後に現れた第三者との関係は、登記の早い者勝ちです。
強迫による意思表示の取消しは、取消し前の善意無過失の第三者に対抗できない。
未成年者が法定代理人の同意なしにした契約は、原則として取り消せます。例外は3つ。①単に権利を得る・義務を免れる行為(タダでもらうだけ等)②処分を許された財産(お小遣い)の処分③許可された営業に関する行為。取消しは本人も法定代理人もでき、取り消されると初めから無効です。
未成年者が負担のない贈与を受ける契約は、法定代理人の同意がなければ取り消すことができる。
他人の物でも、所有の意思をもって平穏かつ公然と占有を続けると、時効で所有権を取得できます。占有開始の時に善意無過失なら10年、それ以外は20年。途中で悪意になっても、スタート時点で善意無過失なら10年のままです。賃借人としての占有は「所有の意思」がないので何年経ってもダメ。
占有開始時に善意無過失であれば、その後に悪意となっても、10年の経過で時効取得できる。
抵当権には物上代位という力があります。建物が火事になったら火災保険金に、賃貸されていたら賃料に、抵当権の効力を及ぼせる制度です。ただし条件があって、保険金や賃料が『払い渡される前に差し押さえ』なければなりません。払渡し後ではもう手遅れです。
抵当権者は、火災保険金が抵当権設定者に支払われた後であっても、物上代位権を行使できる。
普通の保証人には、まず主たる債務者に請求してと言える催告の抗弁権、先に債務者の財産から執行してと言える検索の抗弁権があります。連帯保証人にはこの2つがなく、保証人が複数いても分別の利益もありません。債権者はいきなり連帯保証人に全額請求できる、ということです。
連帯保証人は、債権者からの請求に対し、催告の抗弁権を行使することができる。
建物賃貸借で、貸主が更新を拒みたいときは、期間満了の1年前から6ヶ月前までの間に通知し、さらに正当事由が必要です。正当事由は、双方が建物を必要とする事情、賃貸借の経過、立退料の申出などを総合考慮。通知を忘れると法定更新となり、従前と同条件(期間の定めなし)になります。
賃貸人は、期間満了の6ヶ月前までに更新拒絶の通知をすれば、正当事由がなくても更新を拒絶できる。
借地借家法の借地権の存続期間は30年。契約でこれより長くするのは自由ですが、30年より短い定めをしても30年に引き上げられます。更新後の期間は1回目が20年、2回目以降は10年。建物がある限り、地主側の更新拒絶には正当事由が必要です。
存続期間を20年と定めた借地権設定契約は、期間20年の借地権として有効である。
建物の賃借権は、登記がなくても『建物の引渡し』を受けていれば、その後に建物を買った新オーナーにも対抗できます。つまり住んで(鍵をもらって)いれば、オーナーチェンジで追い出されることはありません。借地の場合は『借地上の建物の登記』が対抗要件、という対比も大事です。
建物の賃借人は、賃借権の登記がなければ、建物の譲受人に賃借権を対抗することができない。
都市計画区域では、市街化区域と市街化調整区域の線引き(区域区分)がされることがあります。市街化区域は『すでに市街地を形成している区域+おおむね10年以内に優先的・計画的に市街化を図るべき区域』。市街化調整区域は『市街化を抑制すべき区域』。禁止ではなく抑制、という言葉選びまで出題されます。
市街化調整区域とは、市街化を禁止すべき区域をいう。
開発行為をするとき、市街化区域では1000㎡以上で許可が必要(三大都市圏の一定区域は500㎡以上)。市街化調整区域では面積に関係なく許可が必要です。逆に、図書館や公民館などの公益上必要な建築物のための開発や、都市計画事業として行うものは許可不要。数字と例外の両方を押さえましょう。
市街化調整区域内で行う500㎡の開発行為は、開発許可を受ける必要がない。
建蔽率は敷地面積に対する建築面積の割合。指定建蔽率8/10の地域内で、かつ防火地域内にある耐火建築物等なら、建蔽率の制限は適用されません(実質100%)。それ以外でも、防火地域内の耐火建築物等や特定行政庁が指定する角地は+1/10の緩和があります。「8/10×防火×耐火=無制限」は最頻出です。
指定建蔽率8/10の地域で、防火地域内に耐火建築物を建築する場合、建蔽率の制限は適用されない。
一定面積以上の土地取引をしたら、国土利用計画法の事後届出が必要です。届け出るのは『権利取得者(買主側)』で、契約締結日から2週間以内に都道府県知事へ。対象面積は、市街化区域2000㎡以上、市街化区域以外の都市計画区域5000㎡以上、都市計画区域外10000㎡以上です。
事後届出は、売主と買主が共同して、契約締結日から2週間以内に行わなければならない。
相手とグルになって財産を隠すための「ウソの売買」(通謀虚偽表示)は、当事者の間では無効です。でも、その事情を知らずに(善意で)その不動産を買った第三者には、無効を主張できません。ポイントは、詐欺の第三者と違って『無過失』までは要求されないこと。善意でさえあれば、過失があっても第三者は守られます。
通謀虚偽表示による売買の無効は、善意であっても過失のある第三者には対抗できる。
代理権のない人が勝手に結んだ契約(無権代理)は、本人が追認しない限り本人に効力が生じません。相手方の武器は2つ。①催告:本人に「追認するの?」と確認でき、確答がなければ追認拒絶とみなされます(悪意でも可)。②取消し:本人の追認前なら契約を取り消せます(こちらは善意の相手方だけ)。
無権代理の相手方は、契約時に代理権がないことを知っていた場合でも、本人に対して催告することができる。
時効の進行への対抗手段は2段階。①完成猶予=時効の完成を一時ストップ(裁判上の請求中、催告から6ヶ月など)。②更新=カウントがゼロに戻る(判決確定、債務の承認など)。内容証明郵便などの「催告」は6ヶ月の完成猶予だけで、再度の催告に効果はありません。債務者が一部弁済すると「承認」として時効が更新されます。
催告によって時効の完成が猶予されている間に再び催告をすれば、さらに6ヶ月間時効の完成が猶予される。
相手が債務を履行してくれないとき、原則は『相当の期間を定めて催告→それでもダメなら解除』です(催告解除)。例外として、履行が不能になった場合や、債務者が履行拒絶の意思を明確に示した場合などは、催告なしで直ちに解除できます(無催告解除)。なお、債務不履行が軽微なときは催告しても解除できません。
債務の全部の履行が不能である場合、債権者は催告をすることなく、直ちに契約の解除をすることができる。
お互いに債権を持ち合っているとき、対当額で帳消しにできるのが相殺です。条件は、自分の債権(自働債権)の弁済期が来ていること。自分の借金(受働債権)の期限が来ていなくても、期限の利益を放棄すれば相殺できます。重要な例外:悪意による不法行為でケガをさせた加害者は、被害者への損害賠償債務を相殺で消すことはできません(被害者からの相殺はOK)。
悪意による不法行為に基づく損害賠償債務の債務者(加害者)は、被害者に対する貸金債権と相殺することができない。
土地と建物が同じ人の所有で、どちらか(または両方)に抵当権が設定され、競売の結果、土地と建物の所有者が別々になったとき、建物のために自動的に地上権が発生します。これが法定地上権。ポイントは『抵当権設定当時に建物が存在し、土地と建物が同一所有者』だったこと。更地に抵当権を設定した後で建物を建てても、法定地上権は成立しません。
更地に抵当権が設定された後、土地所有者がその土地上に建物を建築した場合、競売により土地と建物の所有者が異なれば法定地上権が成立する。
共有物の扱いは3段階で決まります。①保存行為(修繕など)=各共有者が単独でOK。②管理行為(賃貸借の解除、短期の賃貸、軽微な変更など)=持分価格の過半数で決定。③重大な変更・処分(建替え、売却など)=全員の同意が必要。自分の持分だけの譲渡は、他の共有者の同意なしに自由にできます。
共有物に形状又は効用の著しい変更を伴わない軽微な変更を加える行為は、各共有者の持分の価格の過半数で決することができる。
区分所有法の集会決議は数字の暗記が直結します。普通決議(管理者選任など)=区分所有者及び議決権の各過半数。規約の設定・変更・廃止=各4分の3以上。建替え決議=各5分の4以上。集会の招集は少なくとも年1回、招集通知は原則1週間前までです。
規約の変更は、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議によって行う。
敷金は『賃貸借が終了し、かつ、物件の明渡しが完了した時』に、未払賃料などを差し引いた残額を返してもらえます。つまり明渡しが先で、敷金返還はその後。「敷金を返してくれないなら明け渡さない」という同時履行の主張はできません。また、通常の使用による損耗や経年変化は、借主に原状回復義務がありません。
賃借人は、敷金の返還と建物の明渡しとの同時履行を主張することができる。
定期建物賃貸借は、期間が満了したら更新されずに終了する契約です。成立の条件は2つ。①公正証書などの書面(電磁的記録も可)で契約すること。②契約前に、貸主が「更新がなく期間満了で終了する」ことを書面を交付して説明すること。この事前説明を怠ると、『更新がない』という特約だけが無効になり、普通の借家契約になります。期間1年未満の定期建物賃貸借も有効です。
定期建物賃貸借契約は、期間を1年未満とすることはできない。
従業員が「事業の執行について」第三者に損害を与えた場合、会社(使用者)も損害賠償責任を負います。これが使用者責任。外形から見て職務の範囲内と見えれば「事業の執行について」に当たります。会社が賠償した場合、従業員への求償は信義則上相当な限度に制限されます。被害者は、従業員本人と会社のどちらにも全額請求できます。
使用者が被害者に損害を賠償した場合、使用者は被用者に対し、その全額を常に求償することができる。
法定相続分:配偶者と子なら1/2ずつ。配偶者と直系尊属(親)なら配偶者2/3・親1/3。配偶者と兄弟姉妹なら配偶者3/4・兄弟1/4。遺留分(遺言でも奪えない最低保障)は原則として相続財産の1/2(直系尊属のみが相続人の場合は1/3)。そして兄弟姉妹に遺留分はありません。
被相続人の兄弟姉妹が相続人となる場合、その兄弟姉妹には遺留分がない。
実際よりも著しく優良・有利と誤認させる広告(誇大広告)は、それだけで宅建業法違反です。注文が1件もなくても、取引が成立しなくても、損害が出ていなくても違反は成立し、監督処分や罰則の対象になります。あわせて、広告のときと注文を受けたときには、取引態様(自ら売主か、媒介か、代理か)の明示が必要です。
宅地建物取引業者が誇大広告を行った場合、その広告により実際に被害を受けた者がいなければ、監督処分の対象とならない。
売買・交換の媒介契約を結んだら、宅建業者は遅滞なく媒介契約書面(34条の2書面)を作成・交付しなければなりません(電磁的方法も可)。これは専任だけでなく『一般媒介でも必要』です。専任媒介の有効期間は3ヶ月以内(超える定めをしても3ヶ月に短縮)、更新は依頼者からの申出が必要で自動更新特約は無効。なお、貸借の媒介には書面交付義務はありません。
一般媒介契約を締結した場合、宅地建物取引業者は媒介契約書面を交付する必要はない。
宅建業者が自ら売主、買主が一般の人のとき、手付金等を受け取る前に保全措置が原則必要です。例外的に保全不要なのは、未完成物件なら代金の5%以下かつ1000万円以下、完成物件なら10%以下かつ1000万円以下のとき。また、買主が所有権移転の登記を備えた場合も保全不要です。保全措置を講じなければ、買主は手付金等の支払いを拒めます。
完成物件の売買で、代金の10%以下かつ1000万円以下の手付金を受領する場合、保全措置を講じる必要はない。
貸借の媒介の報酬は、貸主・借主から受け取れる合計で借賃1ヶ月分(+消費税)以内です。居住用建物では、依頼者の一方から受けられるのは原則0.5ヶ月分まで(依頼を受けるにあたって承諾があれば変動可。ただし合計1ヶ月以内は変わらず)。居住用建物『以外』(事務所・店舗など)の貸借では、権利金を売買代金とみなして計算する方法も使えます。
事務所の貸借の媒介において、権利金の授受がある場合、権利金の額を売買代金の額とみなして報酬を計算することができる。
宅建業者は、従業者に従業者証明書を携帯させなければ、業務に従事させてはいけません。従業者は、取引の関係者から請求があったときは証明書を提示する義務があります。ここで重要なのは、宅建士証を見せても従業者証明書の代わりにはならないこと。代表者やアルバイトも「従業者」に含まれます。
宅地建物取引士は、取引の関係者から従業者証明書の提示を求められたときは、宅地建物取引士証の提示をもってこれに代えることができる。
宅建業者への監督処分は軽い順に、①指示処分、②業務停止処分(1年以内)、③免許取消処分。指示と業務停止は、免許権者だけでなく『業務地を管轄する知事』もできます。しかし免許取消だけは免許権者しかできません。処分の前には原則として公開の聴聞が必要です。
甲県知事の免許を受けた宅建業者が乙県内で業務に関し不正行為をした場合、乙県知事はその業者の免許を取り消すことができる。
宅建業者が自ら売主として新築住宅を一般の買主に引き渡す場合、住宅瑕疵担保履行法により資力確保措置(保証金の供託または保険加入)が義務づけられます。対象は構造耐力上主要な部分と雨水の浸入を防止する部分の10年保証。基準日(3月31日)ごとに供託・保険の状況を免許権者に届け出ないと、基準日の翌日から50日経過後は新たに自ら売主となる売買契約が結べなくなります。
宅建業者間の取引で新築住宅を販売する場合にも、住宅瑕疵担保履行法に基づく資力確保措置が義務づけられる。
宅建士の「登録」に有効期限はありませんが、「宅建士証」の有効期間は5年です。更新するには、申請前6ヶ月以内に行われる知事指定の法定講習を受講します。氏名や住所が変わったら、遅滞なく変更の登録を申請し、あわせて宅建士証の書換え交付を申請します。宅建士証を亡失して再交付を受けた後、元の証が見つかったら、見つかった方(古い方)を返納します。
宅地建物取引士証の有効期間の更新を受けようとする者は、登録をしている都道府県知事が指定する講習で、交付の申請前6ヶ月以内に行われるものを受講しなければならない。
建築物の敷地は、建築基準法上の道路(原則幅員4m以上)に2m以上接していなければなりません(接道義務)。幅員4m未満でも、特定行政庁が指定した道は「2項道路」として道路扱いされます。その場合、道路の中心線から2mの線が道路境界線とみなされ、建替えの際はそこまで下がる(セットバック)必要があり、セットバック部分は建蔽率・容積率の計算で敷地面積に算入できません。
幅員4m未満の道であっても、特定行政庁の指定があれば建築基準法上の道路とみなされる。
用途地域ごとに建てられる建物が決まっていますが、全部覚えるのは非効率。端から覚えるのがコツです。①住宅・共同住宅・老人ホームは『工業専用地域だけ』建てられない。②診療所・保育所・神社・交番・公衆浴場は『どの用途地域でも』建てられる。③幼稚園〜高校は工業・工業専用で建てられない。大学・病院はさらに第一種・第二種低層住居専用と田園住居でも不可です。
住宅は、工業地域内において建築することができる。
農地を農地のまま売る・貸す=3条許可(農業委員会)。自分の農地を自分で転用=4条許可(都道府県知事等)。転用目的で売る・貸す=5条許可(都道府県知事等)。そして4条・5条には市街化区域の特例があり、あらかじめ農業委員会に届け出れば許可不要です。ただし3条にはこの特例がありません。無許可の契約は効力を生じません。
市街化区域内の農地を耕作目的で取得する場合、あらかじめ農業委員会に届け出れば、農地法第3条の許可を受ける必要はない。
土地区画整理事業で仮換地が指定されると、従前の宅地の所有者は『仮換地を使用収益』できるようになり、従前の宅地は使えなくなります。ただし所有権自体は従前の宅地に残っているので、売却(処分)するなら従前の宅地が対象です。事業の最後に換地処分が公告されると、換地が従前の宅地とみなされます。保留地は、事業費用に充てるため施行者が取得します。
仮換地が指定された場合、従前の宅地の所有者は、仮換地について使用収益することができるが、従前の宅地を処分することはできなくなる。
盛土規制法では、宅地造成等工事規制区域内で一定規模の盛土・切土をするとき、工事主は都道府県知事等の許可を受けなければなりません。許可がいる主な規模は、盛土で高さ1m超の崖ができる場合、切土で高さ2m超の崖ができる場合、盛土と切土を合わせて高さ2m超の崖ができる場合、盛土の高さが2m超の場合、面積500㎡超の場合です。
宅地造成等工事規制区域内において、切土で高さ2mを超える崖を生ずる工事を行う場合、都道府県知事等の許可が必要である。
不動産を取得すると都道府県から課されるのが不動産取得税。標準税率は本則4%ですが、土地と住宅には3%の特例があります。新築住宅(床面積50㎡以上240㎡以下)なら、課税標準から1200万円が控除されます。そして重要なのが非課税のケース:相続による取得には課税されません(贈与は課税されます)。
相続により不動産を取得した場合、不動産取得税は課されない。
固定資産税は、毎年1月1日時点の所有者に市町村が課す税金です(標準税率1.4%)。最大の論点は住宅用地の特例:200㎡以下の部分(小規模住宅用地)は課税標準が6分の1、200㎡を超える部分は3分の1になります。また、新築住宅は一定要件のもと3年間(中高層耐火建築物は5年間)、120㎡までの部分の税額が2分の1に減額されます。
200㎡以下の小規模住宅用地に係る固定資産税の課税標準は、価格の3分の1の額とされる。
印紙税は、売買契約書などの課税文書に印紙を貼って納める国税です。記載金額のない契約書は200円。同じ内容の契約書を2通作れば2通とも課税。署名押印のある写し(コピー)も課税対象です。貼り忘れると本来の税額+その2倍の過怠税(合計3倍)。なお、印紙を貼らなくても契約自体は有効ですし、電磁的記録(電子契約)には印紙税がかかりません。
印紙税を納付すべき課税文書に印紙を貼り付けなかった場合、その契約書の効力は無効となる。
自分が住んでいた家(居住用財産)を売って利益が出たら、譲渡所得から最高3000万円を控除できます。この特例は所有期間の長短を問わず使えるのが特徴。ただし、配偶者や直系血族(親・子など)への売却では使えません。また、前年・前々年にこの特例を使っていると連続では使えず、住宅ローン控除との併用もできません。
居住用財産を譲渡した場合の3000万円特別控除は、所有期間が10年を超えていなければ適用を受けることができない。
地価公示法では、土地鑑定委員会が毎年1月1日時点の標準地の正常な価格を判定し、3月に公示します。正常な価格とは、自由な取引で通常成立すると認められる価格のこと。公示区域内で土地取引をする者は、公示価格を『指標として』取引するよう努める義務(努力義務)があります。一方、不動産鑑定士が公示区域内の土地を鑑定評価するときは、公示価格を『規準』としなければなりません(義務)。
公示区域内の土地について鑑定評価を行う不動産鑑定士は、公示価格を規準としなければならない。