「事務所」って、どこのこと?
宅建業法の「事務所」は、本店・支店だけじゃありません。ポイントは2つ。①本店は、そこで宅建業をやっていなくても、支店で宅建業を営んでいれば常に「事務所」扱い。②支店は、宅建業を営むものだけが「事務所」。本店は会社の頭脳なので、業をやっていなくても関与しているとみなされるんです。
支店で宅建業を営み、本店では営んでいない場合、本店は「事務所」にあたらない。
本試験50問のうち20問。いちばん配点が大きく、いちばん取りこぼしが痛い分野です。事務所・免許・8種制限・35条/37条書面など、覚え方まで書いてあります。 26テーマそれぞれに覚え方のコツと確認問題、宅地建物取引士(登録番号(東京)第273037号)による解説が付いています。登録なしで全文お読みいただけます。
本教材は 2026年4月1日 施行の法令にもとづいています。法改正で条文・数値が変わることがあるため、受験年度の公式情報もあわせてご確認ください。
宅建業法の「事務所」は、本店・支店だけじゃありません。ポイントは2つ。①本店は、そこで宅建業をやっていなくても、支店で宅建業を営んでいれば常に「事務所」扱い。②支店は、宅建業を営むものだけが「事務所」。本店は会社の頭脳なので、業をやっていなくても関与しているとみなされるんです。
支店で宅建業を営み、本店では営んでいない場合、本店は「事務所」にあたらない。
事務所には、業務に従事する者5人に1人以上の割合で「専任の宅建士」が必要です。営業も事務も含めて頭数を数えるのがポイント。足りなくなったら2週間以内に補充の措置をとらないといけません。ちなみに申込み・契約をする案内所は、人数に関係なく1人以上でOKです。
専任の宅建士が不足した場合、30日以内に補充の措置をとればよい。
営業保証金は、主たる事務所(本店)が1000万円、その他の事務所が1ヶ所につき500万円。供託する場所は「主たる事務所の最寄りの供託所」に全額まとめて、です。支店ごとに分けて供託するわけではありません。金銭だけでなく一定の有価証券でも供託できます(国債は額面100%、地方債などは90%で評価)。
支店を1つ持つ宅建業者は、支店の最寄りの供託所に500万円を供託する。
営業保証金の代わりに保証協会に加入する道もあります。納めるのは「弁済業務保証金分担金」。主たる事務所60万円、その他の事務所1ヶ所につき30万円と、グッと安くなります。納付期限は「加入しようとする日まで」。加入後に事務所を増やしたら、増設から2週間以内に追加納付です。
保証協会の社員が支店を新設した場合、30日以内に分担金30万円を納付すればよい。
商号、役員や政令で定める使用人の氏名、事務所の名称・所在地、専任宅建士の氏名——これらに変更があったら、30日以内に免許権者へ届出が必要です。よく出るのは「専任宅建士が交代した」パターン。宅建士個人の資格登録簿の変更(住所など)は「遅滞なく」なので、30日との区別も問われます。
専任の宅建士の氏名に変更があったときは、30日以内に届け出なければならない。
廃業・解散・破産などのときは30日以内に届出。ここで試験が大好きなのが「死亡」のケースです。個人業者が亡くなったら、相続人が『死亡を知った日』から30日以内に届け出ます。死亡日からではありません。なお免許の効力は死亡の時点ですでに失われています。
個人の宅建業者が死亡した場合、相続人は死亡の日から30日以内に届け出る。
免許の有効期間は5年。続けたいなら、有効期間満了の90日前から30日前までに更新を申請します。期限内に申請したのに処分が間に合わない場合は、旧免許が満了後もその処分があるまで有効。新しい免許の5年は「前の満了日の翌日」から数えます。
免許の更新申請は、有効期間満了の90日前から30日前までの間に行わなければならない。
免許の欠格事由で混乱しやすいのが破産です。破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者は免許NG。でも復権を得れば『直ちに』免許を受けられます。「5年待ち」は不要。5年待ちが必要なのは、不正手段での免許取得で取り消された場合などの悪質パターンです。
破産者は復権を得てから5年を経過しなければ、免許を受けることができない。
モデルルームのような案内所で申込み・契約をするなら、業務を開始する10日前までに、免許権者と所在地の知事の両方へ届出が必要です。さらにその案内所には専任の宅建士1人と標識の掲示も必要。「契約をしない、ただの案内だけ」の場所なら届出は不要です(標識は必要)。
契約の申込みを受ける案内所については、業務を開始する10日前までに届出が必要である。
宅建業者は、事務所はもちろん、案内所や継続的に業務を行う場所など「事務所等」に標識を掲げる義務があります。契約をしない案内所でも標識は必要、というのが落とし穴。また他社の物件を代理・媒介で売る案内所には、自社の標識を掲げます(売主の標識ではなく)。
従業者名簿は最終の記載をした日から10年間保存。帳簿は各事業年度末に閉鎖して、閉鎖後5年間保存(自ら売主となる新築住宅に係るものは10年)。さらに従業者名簿は取引の関係者から請求があれば閲覧させる義務がありますが、帳簿には閲覧義務はありません。
宅建業者は、取引の関係者から請求があったときは、帳簿を閲覧させなければならない。
重要事項説明は、契約が成立する前に、宅建士が記名した書面(35条書面)を交付して説明します。説明するのは専任でなくてもいい宅建士。説明の際は、請求がなくても宅建士証を提示します。今は押印は不要になり、相手の承諾があれば電磁的方法での交付やIT重説もOKです。
重要事項説明の際、相手方から請求がなければ宅建士証を提示しなくてもよい。
契約成立後に交付する37条書面には、必ず記載する事項と、定めがあれば記載する事項があります。売買で必ず書くのは、当事者・物件の特定、代金の額、引渡しの時期、移転登記の申請時期など。35条書面には「引渡しの時期」や「登記申請の時期」は不要なので、この対比が狙われます。
移転登記の申請時期は、35条書面に記載しなければならない事項である。
貸借の媒介報酬は、貸主・借主合わせて借賃1ヶ月分+消費税が上限。ただし居住用建物では、依頼者の一方から受け取れるのは原則0.5ヶ月分まで。媒介の依頼を受けるにあたって承諾を得ていれば一方から1ヶ月分まで受け取れますが、合計1ヶ月の上限は変わりません。
居住用建物の貸借の媒介では、承諾の有無にかかわらず、一方から受領できる報酬は借賃の0.5ヶ月分が限度である。
クーリングオフや手付額制限などの8種制限が適用されるのは、『宅建業者が自ら売主』で『買主が宅建業者でない』ときだけです。業者同士の取引には適用なし。業者が媒介に入っているだけで売主が一般人の場合も適用なし。問題文ではまず「誰が売主か」を確認するクセをつけましょう。
宅建業者間の売買契約にも、クーリングオフの規定は適用される。
宅建業者が自ら売主になる場合、買主から受け取れる手付は代金の2/10まで。超えた部分は無効です。そしてこの手付は、どんな名目でも『解約手付』とみなされます。買主は手付を放棄して、売主は倍額を現実に提供して、相手方が履行に着手するまでは契約を解除できます。
代金3000万円の売買で、宅建業者である売主は買主から手付として800万円を受領できる。
事務所等以外の場所で買受けの申込みをした場合、クーリングオフできる旨を書面で告げられた日から起算して8日以内なら、書面(電磁的方法も可)で申込みの撤回ができます。効力は発信した時に発生(発信主義)。ただし引渡しを受け、かつ代金全部を支払ったら、もう撤回できません。
クーリングオフによる撤回の効力は、その書面が売主に到達した時に生じる。
自ら売主の8種制限では、契約不適合責任について民法の規定より買主に不利な特約は原則無効。唯一の例外が『不適合を通知する期間を引渡しの日から2年以上とする特約』です。「1年」ならアウトで、特約全体が無効になり民法の原則(知った時から1年以内に通知)に戻ります。
「契約不適合の通知期間を引渡しの日から2年とする」特約は有効である。
実際よりも著しく優良・有利と誤認させる広告(誇大広告)は、それだけで宅建業法違反です。注文が1件もなくても、取引が成立しなくても、損害が出ていなくても違反は成立し、監督処分や罰則の対象になります。あわせて、広告のときと注文を受けたときには、取引態様(自ら売主か、媒介か、代理か)の明示が必要です。
宅地建物取引業者が誇大広告を行った場合、その広告により実際に被害を受けた者がいなければ、監督処分の対象とならない。
売買・交換の媒介契約を結んだら、宅建業者は遅滞なく媒介契約書面(34条の2書面)を作成・交付しなければなりません(電磁的方法も可)。これは専任だけでなく『一般媒介でも必要』です。専任媒介の有効期間は3ヶ月以内(超える定めをしても3ヶ月に短縮)、更新は依頼者からの申出が必要で自動更新特約は無効。なお、貸借の媒介には書面交付義務はありません。
一般媒介契約を締結した場合、宅地建物取引業者は媒介契約書面を交付する必要はない。
宅建業者が自ら売主、買主が一般の人のとき、手付金等を受け取る前に保全措置が原則必要です。例外的に保全不要なのは、未完成物件なら代金の5%以下かつ1000万円以下、完成物件なら10%以下かつ1000万円以下のとき。また、買主が所有権移転の登記を備えた場合も保全不要です。保全措置を講じなければ、買主は手付金等の支払いを拒めます。
完成物件の売買で、代金の10%以下かつ1000万円以下の手付金を受領する場合、保全措置を講じる必要はない。
貸借の媒介の報酬は、貸主・借主から受け取れる合計で借賃1ヶ月分(+消費税)以内です。居住用建物では、依頼者の一方から受けられるのは原則0.5ヶ月分まで(依頼を受けるにあたって承諾があれば変動可。ただし合計1ヶ月以内は変わらず)。居住用建物『以外』(事務所・店舗など)の貸借では、権利金を売買代金とみなして計算する方法も使えます。
事務所の貸借の媒介において、権利金の授受がある場合、権利金の額を売買代金の額とみなして報酬を計算することができる。
宅建業者は、従業者に従業者証明書を携帯させなければ、業務に従事させてはいけません。従業者は、取引の関係者から請求があったときは証明書を提示する義務があります。ここで重要なのは、宅建士証を見せても従業者証明書の代わりにはならないこと。代表者やアルバイトも「従業者」に含まれます。
宅地建物取引士は、取引の関係者から従業者証明書の提示を求められたときは、宅地建物取引士証の提示をもってこれに代えることができる。
宅建業者への監督処分は軽い順に、①指示処分、②業務停止処分(1年以内)、③免許取消処分。指示と業務停止は、免許権者だけでなく『業務地を管轄する知事』もできます。しかし免許取消だけは免許権者しかできません。処分の前には原則として公開の聴聞が必要です。
甲県知事の免許を受けた宅建業者が乙県内で業務に関し不正行為をした場合、乙県知事はその業者の免許を取り消すことができる。
宅建業者が自ら売主として新築住宅を一般の買主に引き渡す場合、住宅瑕疵担保履行法により資力確保措置(保証金の供託または保険加入)が義務づけられます。対象は構造耐力上主要な部分と雨水の浸入を防止する部分の10年保証。基準日(3月31日)ごとに供託・保険の状況を免許権者に届け出ないと、基準日の翌日から50日経過後は新たに自ら売主となる売買契約が結べなくなります。
宅建業者間の取引で新築住宅を販売する場合にも、住宅瑕疵担保履行法に基づく資力確保措置が義務づけられる。
宅建士の「登録」に有効期限はありませんが、「宅建士証」の有効期間は5年です。更新するには、申請前6ヶ月以内に行われる知事指定の法定講習を受講します。氏名や住所が変わったら、遅滞なく変更の登録を申請し、あわせて宅建士証の書換え交付を申請します。宅建士証を亡失して再交付を受けた後、元の証が見つかったら、見つかった方(古い方)を返納します。
宅地建物取引士証の有効期間の更新を受けようとする者は、登録をしている都道府県知事が指定する講習で、交付の申請前6ヶ月以内に行われるものを受講しなければならない。
一問一答は登録なしで30問おためしできます。無料登録をすると学習履歴の保存と学習ナビが使え、受講後(¥39,800)に500問すべてと予想模試3回が開きます。
一問一答を無料で試す