制度・法改正 読了 26分

空き家をクラウドファンディングで直している会社へ。不動産特定共同事業法施行規則が8月21日に公布・施行され、契約前の説明事項が増えました。いまの事業者に与えられた猶予は11月30日までです

空き家や古民家をクラウドファンディングで再生している会社は、令和8年8月21日に公布・施行された不動産特定共同事業法施行規則の改正を確認してください。契約成立前に交付する書面の説明事項が増え、想定利回りを表示したなら「それが予想に基づくものであり、不確実である旨」と「その算定の根拠となる不動産取引の額」まで書くことになります。利害関係人と取引するなら、その額を妥当と判断した根拠を示す。示せないなら鑑定評価を取る。出資される金銭の使途は、取得代金・工事費用・租税公課といった項目ごとに書く。すでに許可・登録を受けている事業者は令和8年11月30日まで従前の例によることができますが、逆に言えば12月1日からは新しい書面でなければなりません。

馬場生悦
宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士
不特法施行規則の改正2026|8/21施行・猶予は11/30まで
目次

令和8年8月21日、不動産特定共同事業法施行規則の一部を改正する命令が公布され、同日施行されました。あわせて「不動産特定共同事業の監督に当たっての留意事項について」「不動産特定共同事業の電子取引業務ガイドライン」も改正され、同日付で都道府県あてに発出されています。中身をひとことで言うと、契約が成立する前にお客様へ渡す書面に、書かなければならないことが増えたということです。ただし、すぐに全部が動き出すわけではありません。附則が例外を3つ置いています。空き家や古民家をクラウドファンディングで再生している会社、これから小規模不動産特定共同事業の登録を取ろうとしている会社に、直接効きます。

不動産特定共同事業法施行規則の改正
不動産特定共同事業法施行規則の改正(本記事の章立てを図にしたもの)

先に日付だけ。10月1日・11月30日・12月1日の3つ

この改正は公布の日(令和8年8月21日)から施行されますが、附則が3つの例外を作っており、規定ごとに開始がずれます。ここを取り違えると、書面を作り直す期限を見誤ります。

令和8年10月1日から。許可申請書およびその添付書類、廃業等届出書の提出部数が、「正本一部及びその写し四部」から「正本一部及び写し一部」になります。附則第一条ただし書により、第9条および第17条第2項の改正規定だけがこの日からの施行です(概要資料はこれを「10月1日から適用する」と表記しています)。なお条文の語は「副本」ではなく「写し」です。

令和8年11月30日まで。契約成立前の説明事項(第43条)、財産管理報告書(第50条)、電子取引業務に係る重要事項の閲覧(第55条第1項)については、附則第三条により、施行の際に現に許可または登録を受けている者は、令和8年11月30日までの間はなお従前の例によることが「できる」とされています。義務ではなく、事業者が選べる猶予です。裏を返せば、12月1日からは新しい書面でなければなりません。この3条はいずれも第71条で小規模不動産特定共同事業にも準用されるため、小規模事業者も同じ扱いです。

令和8年12月1日から。鑑定評価の評価額に相当する額での売却等の措置に関する規定(第40条)は、附則第二条により、令和8年12月1日以後に締結される不動産特定共同事業契約に係る「対象不動産の売却等」について適用されます。適用の単位は契約そのものではなく、その契約に係る売却等です。

いま押さえる4点

1. 利回りを出すなら、その根拠まで書く。勧誘に際して利回り等を表示した場合、それが「予想に基づくものであり、不確実である旨」と、算定の根拠となる不動産取引ごとの額・対象不動産を特定するために必要な事項・取引態様の別、そしてその取引が行われたことの根拠までが説明事項に入ります。

2. 価格の妥当性を説明する。対象不動産の価格を妥当と判断する根拠が説明事項になりました。利害関係人と取引する場合は、その取引額を妥当と判断する根拠(鑑定評価の有無と結果、近傍同種の不動産の売買価格等、鑑定評価額等と取引額の差額とその理由)も書きます。

3. 出資金の使途を項目ごとに書く。金銭をもって出資の目的とする契約では、「出資される金銭の使途」が説明事項になります(第1項第20号ホ関係)。監督留意事項は、不動産の取得代金・工事費用・租税公課・アップフロントフィー・積立金のような具体的な使途ごとに項目を記載することを例に挙げています。

4. 工事が終わっていない案件は、許可の有無から書く。宅地の造成または建物の建築に関する工事の完了前である場合は、開発許可・建築確認等の必要な処分の有無とその処分の概要、資金計画、工事の完了時期が説明事項に加わります(第1項第16号の2関係)。

そもそも不特法は誰にかかるのか

「うちは投資商品なんて売っていない」と思う方がいると思います。ただ、不動産特定共同事業は、投資家から出資を募って不動産取引(売買・交換・賃貸借)を行い、その収益を分配する事業を指します。国土交通省のパンフレットは、この点をはっきり書いています。「不動産特定共同事業は、身近な方から出資を募って行う場合にも該当するため、そのような事業を行う場合にも許可又は登録を受ける必要があります。」

小規模不動産特定共同事業という入口

不特法(不動産特定共同事業法・平成6年法律第77号)は平成6年の制定で、原則は許可制です。今回改正されたのは、その下にある不動産特定共同事業法施行規則(平成7年大蔵省・建設省令第2号)のほうです。第1号事業者の資本金は1億円、第2号事業者は1,000万円、第3号事業者は5,000万円、第4号事業者は1,000万円。中小の不動産会社が第1号の許可を取るのは現実的ではありません。

そこで平成29年の法改正で作られたのが小規模不動産特定共同事業(登録制)です。古民家・空き家・空き店舗・老朽化アパートの利活用に、地域の不動産業者が小口の出資を使えるようにするための制度です。主な要件は次のとおりです。

項目小規模第1号事業者
手続主務大臣または都道府県知事による登録
資本金1,000万円以上
純資産純資産 ≧(資本金または出資の額 × 90/100)
免許宅地建物取引業
出資の合計額1億円以下
投資家一人あたりの出資額100万円以下(特例投資家は1億円以下)

今回の改正は、この小規模事業者も含めて効きます。経過措置の文言は「施行の際現に不動産特定共同事業の許可等を受けているもの」で、登録事業者も含まれる書き方です。

なぜ今なのか|一般投資家が4年で8.7倍

改正の直接の根拠は、令和7年8月にとりまとめられた「一般投資家の参加拡大を踏まえた不動産特定共同事業のあり方についての中間整理」です。その概要資料に、環境変化を示す数字が載っています。

区分2019年2023年
一般投資家参加者数(運用中商品)3.4万人29.7万人
うちインターネット上の契約を通じた参加者0.7万人(21.4%)20万人(67.2%)

4年で参加者が約8.7倍、ネット経由の参加者は約28.6倍です。いまや3人に2人がインターネット上の契約から入っている。対面で座って重要事項を読み上げる場面がないまま、画面の「想定利回り8.0%」だけを見て出資する人が主流になった、ということです。中間整理が「一般投資家向けの情報開示の充実」「対象不動産の売却価格等における公正性の確保」を柱に置いたのは、この構図に対応するためです。

改正の芯:契約成立前の説明事項が増える

不動産特定共同事業者は、契約が成立するまでの間に、相手方へ書面を交付して契約の内容等を説明しなければなりません(規則第43条)。今回追加された説明事項は次のとおりです。

想定利回りは「予想である」と書き、根拠を並べる

勧誘に際して利回り等を表示した場合、その利回り等が「予想に基づくものであり、不確実である旨」を書きます(第2項第6号ハ関係)。あわせて、算定の根拠となる不動産取引ごとの額、対象不動産を特定するために必要な事項、不動産取引の取引態様の別、将来行われることが見込まれる取引を根拠にする場合はそれが予想に基づくものである旨、そしてその取引が行われたことの根拠、または行われることが見込まれると判断した根拠。分配見込額そのものを表示した場合も、同じ構造の記載が求められます(第2項第6号ロ関係)。

この最後の「見込まれると判断した根拠」について、監督留意事項が踏み込んでいます。不動産取引が行われる蓋然性の程度を根拠をもって記載することが求められるとして、次の4段階を区別する書き方を例に挙げました。

段階状態
1その額で、当該不動産取引に関する契約が締結済みであること
2その額で、相手方となる予定の者が法的拘束力の無い意向表明書を作成したにとどまること
3その額で取引の相手方を探索している状態であること
4相手方を探索する前の状態であること

売却益を前提に利回りを出しているのに、実は段階4だった、という商品が書面上で見分けられるようになります。あわせて、その取引の額が実現困難な額になっていないかを不動産取引相場などの具体的な根拠で示すことも求められます。

価格を妥当と判断した根拠

対象不動産の価格を妥当と判断する根拠が説明事項になりました(第1項第18号・第2項第5号関係)。鑑定評価を受けていない場合は、その理由と、近傍同種の不動産の価格・水準、または宅地建物取引業者がその根拠を明らかにして述べた対象不動産の価格に対する意見を書きます。その「根拠」について、監督留意事項は価格査定マニュアル(公益財団法人不動産流通推進センターが作成した価格査定マニュアル、またはこれに準じた価格査定マニュアル)等、他に合理的な説明がつくものが求められると明示しています。「近隣の相場から判断した」だけでは足りません。

利害関係人取引は、示さないなら鑑定を取る

利害関係人取引を行う場合、その取引の額を妥当と判断する根拠を書きます(第1項第13号・第2項第1号から第3号関係)。具体的には鑑定評価額、対象不動産と条件の類似する不動産の近傍同種の不動産取引価格等、鑑定評価額等と当該取引の額の差額、そして妥当と判断する理由です。

監督留意事項は、規則が挙げる事項(近傍同種の不動産の売買価格・賃料等、直近の非利害関係人との売買価格など)の全部またはいずれかを示していない場合には、鑑定評価を受けてその結果等を記載することが求められると明示しました。近傍同種の売買価格・賃料等を書くときも、単に数字を並べるのではなく、それが特定の不動産のものか複数物件の平均値かという意味まで書くことが求められます。

水害ハザードマップと、建物状況調査の有効期間

水害ハザードマップについては、範囲に注意が必要です。第1項第17号トは宅地建物取引業法施行規則第16条の4の3の各号を引いており、対象不動産が宅地である場合の引用範囲が「第1号から第3号まで」から「第1号から第3号の二まで」へ広がりました。水害ハザードマップは同条第3号の二です。つまり新たに加わるのは「対象不動産が宅地である場合」で、建物の場合は改正前から第6号までが対象でした。概要資料は「対象不動産が水害ハザードマップ上にある場合には、その内容」とだけ書いているため、宅地限定の追加であることは条文を見ないと分かりません。

建物状況調査については、有効期間が原則1年のところ、鉄筋コンクリート造または鉄骨鉄筋コンクリート造の共同住宅等にあっては2年とする括弧書きが入りました(第1項第17号リ関係)。期間が延びる方向の改正です。

鑑定評価額の「概ね1割」という線が引かれた

ここは説明書面ではなく、業務運営そのものの話です。規則第40条は、法第21条の2において準用する金融商品取引法第40条第2号にいう「業務の運営の状況が公益に反し、又は投資者の保護に支障を生ずるおそれがあるもの」を列挙した規定で、そこに第5号が新設されました。条文はこう組まれています。

対象不動産の売却等を行う場合(対象不動産を売却するときは、利害関係人に対して売却する場合に限る)において、利害関係を有しない不動産鑑定士による鑑定評価の評価額に相当する額での売却等をするために必要な措置を講じていないと認められる状況。

括弧書きが効いています。売却については、相手が利害関係人のときに限られます。第三者へ普通に売るケースまで鑑定評価が要求されるわけではありません。

そのうえで監督留意事項が、「必要な措置」に該当しないものとして、鑑定評価の評価額を概ね1割以上上回る価格、または概ね1割以上下回る価格での売却等を例示しました。中間整理が挙げていた不当廉売と損失補填の防止という趣旨がここに落ちています。償還のタイミングで自社や関係会社に対象不動産を引き取らせるスキームは、価格の作り方を見直す必要があります。

適用は令和8年12月1日以後に締結される契約に係る対象不動産の売却等からです。11月中に締結する契約には及びませんが、運用が数年続く商品なら、いま設計しているスキームがそのまま12月以降の募集に載ります。

財産管理報告書にも4項目

事業参加者に定期的に交付する財産管理報告書(規則第50条)の記載事項も増えます。

  • 報告対象期間において支出した金銭の額および使途(第9号関係)。監督留意事項は、具体的な使途ごとに金額と内訳を記載することが求められると明示しています。
  • 既に着手した工事の概要およびその完了時期(第10号イ関係)。ここは範囲に注意が必要で、「報告対象期間の満了の日における既に着手した工事」とは、満了日時点で着工している全ての工事を指し、報告対象期間より前に着工した工事も含まれます。
  • 今後の資金計画、および今後実施予定の工事の概要とその完了時期(第10号ロ・ホ関係)。
  • 必要な許可等の変更許可等の処分の有無およびその処分の概要(第10号ハ・ニ関係)。

集めた金がどこへ出ていったか、工事はどこまで進んだか。運用期間中の見え方が変わる部分です。

ホームページ掲載事項と、許可申請の副本

電子取引業務を行う不動産特定共同事業者がホームページ等で閲覧できる状態に置かなければならない事項は、規則第55条が第43条第1項の号を名指しで引く形で定められています。今回、その引用リストに第13号(利害関係人との間の重要な取引)第16号の2(宅地の造成または建物の建築に関する工事)第22号(収益または利益の分配)が加わりました。電子取引業務ガイドラインの「10.重要事項の閲覧」も同じ内容で改訂されています。個別の契約書面だけでなく、誰でも見られる場所に置くという建て付けです。

手続面では、許可申請書およびその添付書類と廃業等届出書の部数が「正本一部及びその写し四部」から「正本一部及び写し一部」になります(規則第9条・第17条第2項)。施行は令和8年10月1日。これは事業者の負担が減る方向の改正です。あわせて附則第四条により、改正前の様式による用紙は当分の間、取り繕って使用できます。

日付と適用の一覧

対象いつから誰に
公布および施行(原則)、監督留意事項と電子取引業務ガイドラインの改訂令和8年8月21日全体
提出部数「正本一部及びその写し四部」から「正本一部及び写し一部」へ(第9条・第17条第2項)令和8年10月1日施行
(附則第一条ただし書)
これから申請・届出する事業者
契約成立前の説明事項(第43条)/財産管理報告書(第50条)/HP掲載事項(第55条第1項)令和8年8月21日
(既存の許可・登録事業者は11月30日まで従前の例によることが「できる」/附則第三条)
既存事業者は遅くとも12月1日から新書面
鑑定評価の評価額に相当する額での売却等の措置(第40条)令和8年12月1日以後に締結される契約に係る対象不動産の売却等(附則第二条)売却は相手が利害関係人の場合に限る
改正前の様式による用紙当分の間(附則第四条)取り繕って使用できる

11月30日までにやること

1. いまの契約成立前書面のひな形を出して、追加項目に対応する欄があるか見る。想定利回りの根拠、価格の妥当性の根拠、利害関係人取引の妥当性、出資金の使途の内訳、工事完了前の処分の有無・資金計画・完了時期、水害ハザードマップ。欄がなければ作ります。

2. 利回りの根拠に使っている出口取引が、4段階のどれかを確定する。契約締結済みなのか、意向表明書どまりなのか、探索中なのか、探索前なのか。書面に書く前に、社内で答えが一つに決まっている必要があります。

3. 利害関係人取引の予定があるなら、鑑定評価の要否を先に判断する。近傍同種の取引価格等を示せないなら鑑定を取ることになります。鑑定は発注してから納品まで時間がかかります。11月末に気づいても間に合いません。

4. 財産管理報告書のひな形と、経理の集計単位を突き合わせる。使途ごとの金額と内訳を出すには、出金の記録がその粒度で残っている必要があります。期末になってから遡って分解するのは苦しい作業です。

5. ホームページの商品ページに、3項目を置く場所を決める。利害関係人取引、工事、収益・利益の分配。

9月17日に国交省のウェビナーがあります

令和8年8月24日、国土交通省は「不動産特定共同事業 施行規則等の改正と実務対応 全国ウェビナー」の開催を発表しました。令和8年9月17日(木)16:00から17:30、オンライン開催(Zoom予定)、参加費無料。登壇は国土交通省、弁護士、一般社団法人不動産特定共同事業者協議会、一般社団法人不動産クラウドファンディング協会です。

対象は「制度について理解を深めたい方」「不動産証券化における運営管理・コンプライアンス対応などに従事されている方」となっており、これから実施してみたい方も対象に含まれています。申込みは9月15日(火)17時まで、事務局は有限責任監査法人トーマツです。11月30日の期限より前に、実務対応の説明を聞ける機会がここに1回あります。

よくある質問

Q. うちは知り合い5人から300万円ずつ集めてアパートを1棟直しただけです。これも不特法の対象ですか。

A. 出資を募って不動産取引を行い、その収益を分配しているなら該当する可能性が高いです。国土交通省のパンフレットは「身近な方から出資を募って行う場合にも該当する」と明記しています。なお小規模第1号事業では投資家一人あたりの出資額は100万円以下という要件があります。個別の可否は所管の都道府県または国土交通省にご確認ください。

Q. 8月21日より前に募集を始めた商品は、書面を作り直しますか。

A. 施行の際に現に許可・登録を受けている者については、第43条・第50条・第55条第1項の適用は令和8年11月30日までの間はなお従前の例によることができます(附則第三条)。「できる」なので、早く新しい書面に切り替えても構いません。12月1日以降は新しい内容が必要です。第40条は12月1日以後に締結される契約に係る対象不動産の売却等からです。

Q. 鑑定評価額から1割以上ずれたら違反ですか。

A. 監督留意事項が例示しているのは、概ね1割以上上回るまたは下回る価格での売却等が「鑑定評価の評価額に相当する額での売却等をするために必要な措置」に該当しないということです。規則第40条は、業務の運営の状況が公益に反しまたは投資者の保護に支障を生ずるおそれがある状況にならないように業務を行うことを求める規定です。1割という数字が独立した禁止線として条文に書かれているわけではありません。また売却については、相手が利害関係人である場合に限られます。

Q. 提出部数が1部になるのは、すでに出した申請にも及びますか。

A. 附則第一条ただし書は、第9条および第17条第2項の改正規定を令和8年10月1日から施行するとしています。それより前の提出に遡るものではありません。なお改正前の様式の用紙は、附則第四条により当分の間、取り繕って使用できます。

出典

記述出典
公布・施行日、改正の5項目、監督留意事項と電子取引業務ガイドラインの同時改正、添付資料の一覧国土交通省「『不動産特定共同事業法施行規則の一部を改正する命令』の公布等」(令和8年8月21日)
改正内容の詳細(規則第9条・第17条・第40条・第43条・第50条・第55条)、経過措置の3つの日付、提出部数の変更国土交通省不動産・建設経済局「不動産特定共同事業法施行規則の一部を改正する命令について(概要)」(令和8年8月)
条文そのもの。附則第一条ただし書(10月1日施行)・第二条(12月1日以後の契約に係る対象不動産の売却等)・第三条(11月30日まで従前の例によることができる)・第四条(旧様式の取繕使用)、第40条第5号の括弧書き(売却は利害関係人に対する場合に限る)、第43条第1項第13号・第16号の2・第17号ト・リ・第18号・第20号ホ、第2項第2号・第3号・第5号・第6号、第50条第9号・第10号、第55条の引用号、第71条による小規模事業への準用国土交通省「不動産特定共同事業法施行規則の一部を改正する命令 案文(新旧対照条文・附則を含む)」(令和8年8月21日)
鑑定評価額の概ね1割の例示、出資金の使途の項目例、蓋然性の4段階、価格査定マニュアル、近傍同種の売買価格・賃料等の記載方法、着手した工事の範囲国土交通省「『不動産特定共同事業の監督に当たっての留意事項について』の一部改正について(概要)」(令和8年8月)
HP等に掲載すべき事項の追加3項目、「10.重要事項の閲覧」関係、発出・適用日国土交通省「『不動産特定共同事業法の電子取引業務ガイドライン』の一部改正について(概要)」(令和8年8月)
一般投資家参加者数の推移(2019年3.4万人・2023年29.7万人、ネット経由0.7万人・20万人)、制度充実の4つの方向性国土交通省「一般投資家の参加拡大を踏まえた不動産特定共同事業のあり方についての中間整理(概要)」(令和7年8月)
小規模不動産特定共同事業の要件(登録・資本金1,000万円・純資産90%・宅建業免許・出資総額1億円以下・一人100万円以下)、身近な方から募る場合も該当すること、活用事例国土交通省「小規模不動産特定共同事業パンフレット」(平成29年創設)
第1号から第4号事業者の資本金、許可要件、平成6年制定・平成25年および平成29年改正の経緯国土交通省「不動産特定共同事業(FTK)法の概要」
全国ウェビナーの日時・形式・対象者・登壇者・参加費・申込期限・事務局国土交通省「不動産特定共同事業の施行規則等の改正と実務対応について理解を深めよう」(令和8年8月24日)
不動産特定共同事業の定義、許可・登録の区分、契約成立前の書面交付義務、財産管理報告書の交付義務の根拠e-Gov法令検索「不動産特定共同事業法(平成6年法律第77号)」
改正の対象となった条番号(第9条・第17条・第40条・第43条・第50条・第55条)が置かれている省令の本体e-Gov法令検索「不動産特定共同事業法施行規則(平成7年大蔵省・建設省令第2号)」

書かなかったこと

いくつか、正直に書いておきます。

中間整理の概要資料に載っている割合は、内訳と一致しません。2023年の一般投資家参加者数29.7万人のうち、インターネット上の契約を通じた参加者が20万人で67.2%と記載されている一方、「その他」は9.7万人で23.8%と書かれています。9.7万人は29.7万人の32.7%です。本稿では人数の実数と、ネット経由の割合だけを引用し、この23.8%という数字は使っていません。

「その他所要の改正」に含まれる別記様式の改正は、内容まで書いていません。案文には日本標準産業分類の根拠を統計法へ改める等の様式の記載要領の改正が含まれますが、本稿の読者の判断に影響しないため省きました。

監督留意事項の記述の多くは「例えば」「など」を伴う例示です。本稿では「例に挙げている」「例示している」と書き分けましたが、例示であることは、書かなくてよいという意味ではありません。逆に、ここに挙がっていない書き方でも合理的な説明がつけば足りうる、という含みがあります。

電子取引業務ガイドラインと監督留意事項の改訂日について。報道発表は「発出・適用 令和8年8月21日」としていますが、改訂後の文書自体の表紙は「令和8年8月改訂」で、日付までは記載がありません。本稿の日付は報道発表の記載によっています。

個別の商品が不特法の許可・登録を要するかどうかの判断も書いていません。スキームの組み方によって結論が変わり、公表資料から一般論として線を引ける性質のものではないからです。所管の都道府県または国土交通省不動産・建設経済局不動産市場整備課にご確認ください。

この改正の芯は、日付でも項目数でもありません。「その利回りは、どこから来た数字ですか」という問いに、書面で答えられる状態になっているかどうかです。空き家を1棟直して人に貸す、という仕事の中身は変わりません。変わるのは、その事業に他人のお金を入れるときに求められる説明の密度です。11月30日まで、あと3か月あります。

本稿は国土交通省の公表資料にもとづく一般的な整理であり、個別の事業について許可・登録の要否や適法性を判断するものではありません。賃貸管理と売買仲介の実務はウルスタのコラムで書いています。

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