賃貸管理・仲介の現場で判断に迷う場面を、法改正の期限、実務の手順、書式の作り方から整理しています。
特集総務省統計局は2026年9月24日、人口推計の9月報を公表しました。2026年9月1日現在(概算値)の総人口は1億2265万人で、前年同月に比べ54万人(0.44%)の減少です。5か月前の4月1日現在の確定値では、日本人人口が1億1892万1千人(前年同月比0.72%減)である一方、外国人人口は391万7千人(同8.32%増)でした。外国人人口の年齢構成を見ると、15〜64歳の生産年齢が全体の86.8%を占め、日本人人口の58.8%を大きく上回ります。65歳以上はわずか5.9%(日本人は30.3%)です。全国の集計であるこの数字だけで、自社の物件やエリアの空室動向を語ることはできません。一方で、賃貸管理会社が自社の入居者構成・保証会社の選び方・多言語対応の投資判断を点検する裏付けにはなります。本稿は、9月報の数字の読み方、確定値と概算値の違い、外国人人口の年齢構造、自然増減・社会増減の内訳、使える3場面・使えない場面、オーナー説明の雛形、今週やる5つ、報告書に足す2行までをまとめます。
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総務省統計局は2026年9月18日、小売物価統計調査(構造編)2025年結果として消費者物価地域差指数を公表しました。全国平均を100とした「総合」は東京都104.2で13年連続の1位、最低は群馬県96.2で、倍率は1.08倍。10大費目のなかで地域差が最も大きいのは「住居」で、東京都129.8に対して岡山県79.1、倍率は1.64倍でした。2024年の1.56倍から0.08広がり、10費目のなかで最も広がった費目です。賃貸管理会社がこの数字を使うとき、最初に押さえるのは「地域差指数は水準の統計で、変化の統計ではない」ことです。倍率が広がったことは東京の家賃が上がったことを意味しません。変化を見るなら同日公表の消費者物価指数で、8月の民営家賃は全国+0.7%、設備修繕・維持は+4.0%です。本稿は、都道府県別・都市別の数字、家賃が総合を何ポイント動かしているか、転勤・移住の申込者への相場説明、法人契約の社宅家賃、遠隔地オーナーへの説明という使える3場面、借地借家法32条の増額請求には使えない理由、オーナー説明の雛形、今週やる5つ、報告書に足す2行までをまとめます。

総務省統計局は2026年9月20日、敬老の日にちなんだ統計トピックスを公表しました。65歳以上人口は3624万人で総人口の29.6%と過去最高、65歳以上の就業者は943万人で22年連続の増加、65〜69歳の就業率は54.5%、65歳以上の雇用者の76.1%が非正規です。不動産業・物品賃貸業は就業者の29.0%が65歳以上で、農業・林業に次ぐ高さでした。賃貸管理会社にとってこの数字は、65歳以上の入居申込を「年金だけ」で見るのも「今の給料」で見るのも外れることを意味します。就業収入は高年齢者雇用安定法の70歳までの努力義務で切れる期限付き、年金は終身。普通借家は収入が減っても更新を断れない(借地借家法28条)ので、「年金だけになっても払える家賃か」を確かめられるのは入居審査の1回だけです。年金額改定通知書の見方、令和8年度の年金額(老齢基礎年金 満額 月70,608円)から出す家賃負担率、契約の設計、オーナーへの説明、今週やる5つ、報告書に足す2行までをまとめます。

消費者庁は2026年9月18日、水回りの給排水管工事と害虫駆除を訪問販売する株式会社HOPE Group(東京都新宿区)に対し、関東経済産業局が9か月の業務停止と指示、代表取締役に業務禁止を命じたと公表しました。公表資料の事例は、「詰まりトラブル今すぐお電話を 980円〜」の広告を見て呼んだ作業員が、3万円までのつもりだった消費者に30万円以上高い契約をさせ、「今日、現金で預かっていきますよ」とATMまで連れて行き、クーリング・オフの通知には「工事は終わっているので応じられないが減額には応じる」と答えた、というものです。国民生活センターの集計では、トイレ・水漏れ・鍵・害虫の「暮らしのレスキューサービス」の相談は年5,000件を超え、鍵と害虫は2024年度の9か月で前年度の通年を超えました。消費者委員会のアンケートでは、被害に遭った700人のうち27.6%が賃貸住宅に住み、6割が困ったその日のうちに検索した業者へ電話しています。賃貸の水回りと鍵は貸主の設備で、修繕は貸主の義務です。入居者が「980円〜」を検索する前に管理会社の番号が目に入っていれば、この商法は成立しません。処分の中身、相談の数字、民法606条と特定商取引法26条6項1号の読み方、契約してしまった入居者の8日間、入居者に配る一枚の雛形、今週やる5つ、報告書に足す2行までをまとめます。

日本銀行は2026年9月18日、政策金利を1.0%程度から1.25%程度へ引き上げました。賛成7反対2、9月24日から適用です。今回が前3回と違うのは、声明文に「引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していく」と書かれ、日銀が3月に示した自然利子率の幅(▲0.9〜+0.5%)に物価目標の2%を足した中立金利の幅(1.1〜2.5%)の下限を、政策金利が初めて超えたことです。管理会社の仕事は「利上げの説明」から「利上げが続く前提の収支表」に変わります。短期プライムレートは過去3回の利上げでいずれも38〜48日後に0.25%上がっており、次は10月末から11月上旬が目安です。借入1億円・残25年・元利均等なら0.25%の上昇で月12,276円、10戸のアパートなら1戸あたり月1,228円。この数字をオーナーに持って行く言い方、家賃への転嫁と借地借家法32条の関係、固定に替える相談の受け方、今週やる5つ、報告書に足す2行までをまとめます。

消費者庁の「現代社会における消費者取引の在り方を踏まえた消費者契約法検討会」が2026年9月10日に中間取りまとめを公表し、9月16日から10月31日まで意見を募集しています。中身は4部構成ですが、賃貸管理会社が読むべきところは決まっています。第2部の「継続的な契約関係からの離脱一般に関する規律」の注に「賃貸借契約なども当該消費者契約に該当し得るものと考えられる」と書かれているからです。規律案は、自動更新の前に「更新しない」と言う方法を知らせる努力義務、定型約款の重要事項を変えるときの個別通知、そして解約の申入れを受けることを拒否したり不当に遅らせたりする行為を適格消費者団体の差止請求の対象にすること。解約料については、9条1項1号の「平均的な損害」の見直しは今回行わず、説明責任を強化する方向が示されました。法案の時期も施行日もまだ決まっていません。本稿は、原文を引きながら、決まっていることと決まっていないことを分け、直すことになる3か所と、意見の出し方をまとめます。

不動産経済研究所は2026年9月17日、首都圏と近畿圏の新築分譲マンション市場動向(8月)を公表しました。首都圏の発売は1,140戸で前年同月比12.4%減、初月契約率は61.1%、平均価格は9,770万円で5か月ぶりに下がり、販売在庫は6,610戸で3か月連続の増加です。ただ、平均だけを見ると読み違えます。価格帯別に本稿が集計すると、5,000万円未満の契約率は82.3%、1億円以上は70.3%なのに、5,000〜6,999万円は34.8%しかありません。東京都下では5,500〜6,500万円の104戸のうち売れたのは10戸です。売れていないのは中古マンションの主戦場と同じ価格帯で、完成在庫4,221戸は中古の査定と賃貸の募集の隣に並びます。数字の読み方、売主・区分オーナーへの説明の雛形、今週やる5つ、報告書に足す2行までをまとめます。

国土交通省は2026年9月15日、不動産登記情報を使った新築マンションの取引調査(第2回)を公表しました。購入から1年以内に売られた部屋の割合は2024年で東京23区9.7%、都心6区12.1%、大規模マンションでは9.0%。短期売買の8割は法人で、国外に住所がある人の取得は2025年の都心6区で5.9%です。賃貸管理会社にとってこれは「賃貸中の区分マンションは、1年以内に貸主が変わることが10戸に1戸ある」という数字です。貸主が変わっても賃貸借と敷金は新しい貸主に引き継がれますが、管理受託契約は引き継がれません。国外に住所がある貸主なら源泉徴収と納税管理人の話が出ます。数字の読み方、民法605条の2と賃貸住宅管理業法13条・14条の整理、入居者への貸主変更通知の雛形、今週やる5つ、報告書に足す2行までをまとめます。

国民生活センターは2026年9月16日、分電盤の点検商法に関する相談が2025年度に6,545件と前年度の約5倍になったと公表しました。契約当事者の8割超が70歳以上で、契約金額の平均は約18万円。電力会社や市役所を名乗る電話から始まり、訪問して「古い」「法律で耐用年数は15年」と不安をあおり、その場で交換契約を結ばせる手口です。賃貸住宅の分電盤は貸主の設備で、入居者がその場で交換契約をする筋合いはありません。管理会社が入居者に配る注意文の雛形、4年に1回の法定点検との見分け方、契約してしまった入居者に管理会社が8日以内にやること、オーナー報告書に足す2行までを整理します。

東京カンテイは2026年9月16日、8月の三大都市圏の分譲マンション賃料を公表しました。首都圏は4,242円/㎡で前月比0.8%、前年同月比10.0%。東京23区は5,170円/㎡で6.4%、大阪府は12.8%。一方、総務省の消費者物価指数では民営家賃が0.7%しか上がっていません。募集賃料は1年で1割上がり、住んでいる人の家賃はほとんど動いていない。この差を、管理会社は査定・更新・報告でどう扱うか。㎡単価を部屋の家賃に戻す計算と、平均が動く2つの理由、借地借家法32条の「近傍同種」との距離を整理します。

総務省は2026年9月15日、令和9年度の固定資産税評価替えに向けた「固定資産評価基準の一部を改正する告示案」を地方財政審議会に諮り、9月16日から10月20日まで意見を募集します。柱は家屋の再建築費評点補正率で、木造1.16・非木造1.20。令和6年度の1.11・1.07から大きく上がり、非木造は2期据え置いたあと一気に2割の上乗せです。ただし評価基準には「新しい評価額と令和8年度の価額の低い方」をとる据置措置があり、在来分の家屋の評価額が上がることはありません。問題は逆で、「築年が進んだから下がるはず」と思っていた評価額が、RC造では築5年でも築55年でも下がらず、木造でも築25年を超えると下がらない建物が多いことです。本稿は新旧対照表と経年減点補正率基準表の数字で構造・築年別に試算し、管理会社がオーナーに説明する順番、今週やる5つ、報告書に足す2行に落とします。

国土交通省は2026年9月15日、令和8年都道府県地価調査(基準地価)を公表しました。全国21,466地点の7月1日時点の価格で、全用途平均は+1.5%と5年連続の上昇、住宅地+1.0%、商業地+2.9%です。三大都市圏は東京圏・大阪圏で上昇幅が広がり、名古屋圏と地方四市(札幌・仙台・広島・福岡)は縮小しました。都道府県別に数えると、住宅地が上昇したのは20都府県、横ばい3県、下落24道県です。本稿は47都道府県の住宅地・商業地の変動率を一覧にしたうえで、この数字が中小の管理会社・仲介の実務にどこでつながるかを、総務省の令和9年度評価替え通知(価格調査基準日は令和8年1月1日・公示価格等の7割)、借地借家法32条、宅建業法34条の2の条文で確かめます。熊本地震と千葉豪雨の影響は今回の数字に入っていません。

帝国データバンクと東京商工リサーチは2026年9月14日、不動産開発会社と関係会社の建築工事業者が8月31日に大阪地裁から破産手続開始決定を受けたと公表しました。2社合計の負債は約108億9,535万円、債権者は約138名で、大阪の不動産会社としては過去10年で最大の負債額です。2021年9月設立、2025年1月期の売上高は約15億7,600万円、翌期は約67億2,600万円に急拡大していましたが、借入は90億円近くに達し、投資用不動産の販売が止まって資金繰りが尽きました。本稿は事件そのものより、「取引の相手が破産したとき、自分の立場では何がどうなるか」を扱います。土地を売った側、仲介した側、その会社から部屋を借りていた側、管理を任せていた側、工事を頼んでいた側の5つに分け、破産法・民法・借地借家法・宅建業法・賃貸住宅管理業法の条文で確かめたうえで、管理会社が今週やることを5つに整理します。