Column

不動産会社の実務コラム。

賃貸管理・仲介の現場で判断に迷う場面を、法改正の期限、実務の手順、書式の作り方から整理しています。

【2026年9月】消費者契約法の見直し案が意見募集へ|賃貸の更新通知と解約受付
賃貸管理 · 2026.09.18

【2026年9月】消費者契約法の見直し案が意見募集へ|賃貸の更新通知と解約受付

消費者庁の「現代社会における消費者取引の在り方を踏まえた消費者契約法検討会」が2026年9月10日に中間取りまとめを公表し、9月16日から10月31日まで意見を募集しています。中身は4部構成ですが、賃貸管理会社が読むべきところは決まっています。第2部の「継続的な契約関係からの離脱一般に関する規律」の注に「賃貸借契約なども当該消費者契約に該当し得るものと考えられる」と書かれているからです。規律案は、自動更新の前に「更新しない」と言う方法を知らせる努力義務、定型約款の重要事項を変えるときの個別通知、そして解約の申入れを受けることを拒否したり不当に遅らせたりする行為を適格消費者団体の差止請求の対象にすること。解約料については、9条1項1号の「平均的な損害」の見直しは今回行わず、説明責任を強化する方向が示されました。法案の時期も施行日もまだ決まっていません。本稿は、原文を引きながら、決まっていることと決まっていないことを分け、直すことになる3か所と、意見の出し方をまとめます。

首都圏新築マンション契約率|2026年8月は61%、5,000〜6,000万円台
オーナー提案 · 2026.09.18

首都圏新築マンション契約率|2026年8月は61%、5,000〜6,000万円台

不動産経済研究所は2026年9月17日、首都圏と近畿圏の新築分譲マンション市場動向(8月)を公表しました。首都圏の発売は1,140戸で前年同月比12.4%減、初月契約率は61.1%、平均価格は9,770万円で5か月ぶりに下がり、販売在庫は6,610戸で3か月連続の増加です。ただ、平均だけを見ると読み違えます。価格帯別に本稿が集計すると、5,000万円未満の契約率は82.3%、1億円以上は70.3%なのに、5,000〜6,999万円は34.8%しかありません。東京都下では5,500〜6,500万円の104戸のうち売れたのは10戸です。売れていないのは中古マンションの主戦場と同じ価格帯で、完成在庫4,221戸は中古の査定と賃貸の募集の隣に並びます。数字の読み方、売主・区分オーナーへの説明の雛形、今週やる5つ、報告書に足す2行までをまとめます。

新築マンション短期売買 23区9.7%|1年で貸主が変わる部屋と管理会社が先に決める5つ
賃貸管理 · 2026.09.17

新築マンション短期売買 23区9.7%|1年で貸主が変わる部屋と管理会社が先に決める5つ

国土交通省の調査では、2024年に保存登記された東京23区の新築マンションの9.7%が1年以内に売買されていました。賃貸中の部屋で貸主が変わると、賃貸借と敷金は新しい貸主に移りますが、管理受託契約は自動では移りません。管理会社が先に決めておく5つを整理します。

分電盤の点検商法が5倍|入居者が契約する前に管理会社が配る一枚
賃貸管理 · 2026.09.17

分電盤の点検商法が5倍|入居者が契約する前に管理会社が配る一枚

国民生活センターは2026年9月16日、分電盤の点検商法に関する相談が2025年度に6,545件と前年度の約5倍になったと公表しました。契約当事者の8割超が70歳以上で、契約金額の平均は約18万円。電力会社や市役所を名乗る電話から始まり、訪問して「古い」「法律で耐用年数は15年」と不安をあおり、その場で交換契約を結ばせる手口です。賃貸住宅の分電盤は貸主の設備で、入居者がその場で交換契約をする筋合いはありません。管理会社が入居者に配る注意文の雛形、4年に1回の法定点検との見分け方、契約してしまった入居者に管理会社が8日以内にやること、オーナー報告書に足す2行までを整理します。

分譲マンション賃料の動向|2026年8月は募集1割高・継続0.7%
オーナー提案 · 2026.09.17

分譲マンション賃料の動向|2026年8月は募集1割高・継続0.7%

東京カンテイは2026年9月16日、8月の三大都市圏の分譲マンション賃料を公表しました。首都圏は4,242円/㎡で前月比0.8%、前年同月比10.0%。東京23区は5,170円/㎡で6.4%、大阪府は12.8%。一方、総務省の消費者物価指数では民営家賃が0.7%しか上がっていません。募集賃料は1年で1割上がり、住んでいる人の家賃はほとんど動いていない。この差を、管理会社は査定・更新・報告でどう扱うか。㎡単価を部屋の家賃に戻す計算と、平均が動く2つの理由、借地借家法32条の「近傍同種」との距離を整理します。

固定資産税の評価替え2027|建物は非木造1.20倍、上がらないが下がらない理由
オーナー提案 · 2026.09.16

固定資産税の評価替え2027|建物は非木造1.20倍、上がらないが下がらない理由

総務省は2026年9月15日、令和9年度の固定資産税評価替えに向けた「固定資産評価基準の一部を改正する告示案」を地方財政審議会に諮り、9月16日から10月20日まで意見を募集します。柱は家屋の再建築費評点補正率で、木造1.16・非木造1.20。令和6年度の1.11・1.07から大きく上がり、非木造は2期据え置いたあと一気に2割の上乗せです。ただし評価基準には「新しい評価額と令和8年度の価額の低い方」をとる据置措置があり、在来分の家屋の評価額が上がることはありません。問題は逆で、「築年が進んだから下がるはず」と思っていた評価額が、RC造では築5年でも築55年でも下がらず、木造でも築25年を超えると下がらない建物が多いことです。本稿は新旧対照表と経年減点補正率基準表の数字で構造・築年別に試算し、管理会社がオーナーに説明する順番、今週やる5つ、報告書に足す2行に落とします。

基準地価2026|住宅地の上昇は20都府県、管理会社が来年の固定資産税に使う数字
オーナー提案 · 2026.09.15

基準地価2026|住宅地の上昇は20都府県、管理会社が来年の固定資産税に使う数字

国土交通省は2026年9月15日、令和8年都道府県地価調査(基準地価)を公表しました。全国21,466地点の7月1日時点の価格で、全用途平均は+1.5%と5年連続の上昇、住宅地+1.0%、商業地+2.9%です。三大都市圏は東京圏・大阪圏で上昇幅が広がり、名古屋圏と地方四市(札幌・仙台・広島・福岡)は縮小しました。都道府県別に数えると、住宅地が上昇したのは20都府県、横ばい3県、下落24道県です。本稿は47都道府県の住宅地・商業地の変動率を一覧にしたうえで、この数字が中小の管理会社・仲介の実務にどこでつながるかを、総務省の令和9年度評価替え通知(価格調査基準日は令和8年1月1日・公示価格等の7割)、借地借家法32条、宅建業法34条の2の条文で確かめます。熊本地震と千葉豪雨の影響は今回の数字に入っていません。

不動産開発会社が破産、負債108億円|取引先が倒れた日に管理会社が守るもの
賃貸管理 · 2026.09.15

不動産開発会社が破産、負債108億円|取引先が倒れた日に管理会社が守るもの

帝国データバンクと東京商工リサーチは2026年9月14日、不動産開発会社と関係会社の建築工事業者が8月31日に大阪地裁から破産手続開始決定を受けたと公表しました。2社合計の負債は約108億9,535万円、債権者は約138名で、大阪の不動産会社としては過去10年で最大の負債額です。2021年9月設立、2025年1月期の売上高は約15億7,600万円、翌期は約67億2,600万円に急拡大していましたが、借入は90億円近くに達し、投資用不動産の販売が止まって資金繰りが尽きました。本稿は事件そのものより、「取引の相手が破産したとき、自分の立場では何がどうなるか」を扱います。土地を売った側、仲介した側、その会社から部屋を借りていた側、管理を任せていた側、工事を頼んでいた側の5つに分け、破産法・民法・借地借家法・宅建業法・賃貸住宅管理業法の条文で確かめたうえで、管理会社が今週やることを5つに整理します。

リフォーム調査2026年4〜6月|住宅7.6%減・共用部31%減、職人は非住宅へ
オーナー提案 · 2026.09.15

リフォーム調査2026年4〜6月|住宅7.6%減・共用部31%減、職人は非住宅へ

国土交通省は2026年9月10日、「建築物リフォーム・リニューアル調査報告(令和8年度第1四半期受注分)」を公表しました。4〜6月に建設業者が元請けとして受注した改修・修繕工事の額です。合計は5兆427億円で前年同期比22.8%増ですが、住宅は1兆807億円で7.6%減、非住宅は3兆9,619億円で34.9%増でした。住宅の中では共同住宅の共用部が31.2%減、管理組合の発注が36.2%減。内装・塗装・防水・建具を担う職別工事業は、住宅からの受注が29.8%減り、非住宅からの受注が49.3%増えています。賃貸管理会社が原状回復や共用部の修繕を頼む職人が、事務所や工場の工事に向かっている、という数字です。出どころと計算を示したうえで、管理会社が今月変える発注の手順を5つに整理します。

東京都住宅マスタープラン都の考え方|世帯数2035年ピーク、管理会社の5つの数字
賃貸管理 · 2026.09.15

東京都住宅マスタープラン都の考え方|世帯数2035年ピーク、管理会社の5つの数字

東京都住宅政策本部は2026年9月11日、「新たな『東京都住宅マスタープラン』策定に向けた都の考え方」を公表しました。2050年代を見据え、今後10年で重点的に取り組む方向性を5本示した資料です。土台になった審議会の中間報告(8月27日)と合わせて読むと、都内で賃貸管理・仲介をする会社が持っておくべき数字が見えてきます。世帯数は2035年の768万世帯までは増える、世帯主65歳以上の世帯は2050年に282万で単独は1.6倍、住宅は820万戸で世帯より90万戸多く、空き家90万戸の7割は賃貸用、空き家予備軍は100万戸、築40年超の分譲マンションは25年で3.4倍。数字の出どころと、答申(12月頃)から年度内の策定までの流れを整理します。

借地上建物の持分に買取請求権なし|最高裁8月28日判決と仲介の実務
不動産会社の業務改善 · 2026.09.15

借地上建物の持分に買取請求権なし|最高裁8月28日判決と仲介の実務

最高裁第二小法廷は2026年8月28日、借地上の建物の「持分」を譲り受けた第三者は、地主が賃借権の譲渡を承諾しなくても、借地借家法第14条の建物買取請求権を行使できないと判断しました。区分所有建物の専有部分の持分でも同じです。相続で4人の共有になった専有部分のうち4分の3を買った買主が、地主に時価での買取りを求めた事件です。「承諾が取れなければ最後は地主に買い取らせる」という出口は、持分の売買では使えなくなりました。判決文と条文だけで事案と理由を整理し、契約の組み方・重要事項説明・地主側の対応を本稿の整理として示します。

賃貸住宅経営アドバイザーが9月開始|管理士との違いと会社での使い方
賃貸管理 · 2026.09.15

賃貸住宅経営アドバイザーが9月開始|管理士との違いと会社での使い方

公益財団法人日本賃貸住宅管理協会は2026年9月1日、新資格「賃貸住宅経営アドバイザー(PMアドバイザー)」の認定を始めました。中身は「不動産経営分析」で、NOI・キャッシュフロー・資金調達・不動産の価格・税金が範囲です。完全オンライン、受講要件なし、16,500円または19,800円、決済から90日間は合格するまで何度でも受験できます。同じ9月に、国家資格の賃貸不動産経営管理士の受験申込が9月30日で締まります。2つの資格の違いを条文で切り分け、資格より先に会社でできることを整理します。

案内役の「ウルスタくん」
芽から育つ不動産DXの相棒。コラムでは、現場ですぐ使える業務改善のヒントをお届けします。