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賃貸住宅管理業の登録番号が(2)になったら|更新後に直す標識(19条)と13条・14条の書面、変更届(7条)

賃貸住宅管理業の登録を更新すると、登録番号の括弧が(1)から(2)に変わります。標識、13条の重要事項説明書、14条の書面をそろえる手順と、令和7年度の立入検査で指摘が多かった条文、既存契約の扱いを整理します。

馬場生悦
宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士
賃貸住宅管理業の登録番号が(2)に|更新後に直す標識と13条・14条の書面
目次

賃貸住宅管理業の登録を更新すると、登録番号の括弧の数字が(1)から(2)に変わるので、番号を載せている標識(法19条)、管理受託契約の重要事項説明書(法13条)、契約締結時の書面(法14条)の3つを新しい番号にそろえる必要があります。国交省の令和7年度の立入検査でも、この3つの条文の指摘が目立ちました。この記事では、番号の決まり方、直す書面、既存の契約の扱い、変更届(法7条)との違いを、法令と国交省の資料で確かめた範囲で整理します。

括弧の数字は「更新の回数に1を加えた数」

国交省の「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律の解釈・運用の考え方」は、第5条関係で、登録番号の括弧書きには登録の更新の回数に1を加えた数を記入するとしています。新規登録は(1)、1回目の更新後は(2)です。会社は同じでも、番号の表記は変わります。

同じ箇所で、令和2年6月30日までに廃止前の賃貸住宅管理業者登録規程に基づく登録を受けていた者などについては、更新の回数に2を加えた数を記入するとされています。自社がどちらに当たるかは、登録の通知で確かめるのが確実です。

項目内容根拠
有効期間5年。更新を受けなければ期間の経過で効力を失う法3条2項
更新の申請期間有効期間満了の日の90日前から30日前まで施行規則4条
申請中に満了日が来たとき処分があるまでは従前の登録が効力を持つ法3条3項
更新後の有効期間従前の有効期間の満了の日の翌日から起算法3条4項
費用新規は登録免許税9万円。更新手数料は電子申請1万8千円、書面申請1万8,700円国交省の登録申請の案内

更新の申請を出し忘れて登録が失効すると、新規の登録をやり直すことになります。管理戸数が200戸以上の会社は登録なしで賃貸住宅管理業を営めないため、期限の管理は書面の差し替えより先に押さえておくべき点です。

登録番号が載っている場所

載っている場所記載する内容根拠
営業所・事務所の標識登録番号、登録年月日、登録の有効期間、商号、主たる営業所の所在地(電話番号を含む)法19条、施行規則39条(別記様式第12号)
管理受託契約の重要事項説明書管理業者の商号、登録年月日、登録番号法13条、施行規則31条1号
管理受託契約の締結時の書面管理業者の商号、登録年月日、登録番号法14条、施行規則35条2項1号
ホームページ、名刺、パンフレットなど法令で決まった記載ではないが、番号を載せていれば古いままになりやすい各社の任意

標識は営業所・事務所ごとの掲示物です。ファイルを1つ直せば終わる書面と違い、掲げている場所の数だけ差し替えが要ります。有効期間も標識の記載事項なので、更新のたびに変わります。

令和7年度の立入検査で指摘が多かった条文

国交省は2026年6月5日、令和7年度に行った賃貸住宅管理業者と特定転貸事業者への立入検査の結果を公表しました。168社に検査を行い、118社に是正指導をして、全社で是正を確認したとしています。条文別の指導件数(詳細版)は次のとおりです。

条文内容令和7年度令和6年度
14条契約締結時の書面の交付62件60件
13条契約締結前の重要事項説明43件35件
18条帳簿の備付け32件41件
32条書類の閲覧(特定転貸)23件26件
17条従業者証明書22件42件
20条委託者への定期報告17件20件
19条標識の掲示15件22件
31条特定賃貸借契約の締結時書面14件19件
16条財産の分別管理7件7件
28条誇大広告等の禁止4件6件
30条特定賃貸借契約の重要事項説明4件13件

指摘内容の例として、13条では「登録年月日及び登録番号」「入居者に対する管理業務の内容及び実施方法」の記載の不備、14条では「委託者への報告に関する事項」「登録年月日及び登録番号」の記載の不備、19条では「登録年月日の誤記」などが挙げられています。登録番号と登録年月日は、更新のたびに見直しが要る記載です。

13条の重要事項説明書で見直す記載事項

法13条は、管理受託契約を結ぶまでに、委託者(賃貸住宅のオーナー)に書面を交付して説明するよう求めています。相手方の承諾を得れば、電磁的方法で提供できます(13条2項)。説明する事項は施行規則31条の11号です。

  1. 管理業者の商号・名称・氏名、登録年月日、登録番号
  2. 管理業務の対象となる賃貸住宅
  3. 管理業務の内容と実施方法
  4. 報酬の額、支払の時期と方法
  5. 報酬に含まれていない管理業務に関する費用で、管理業者が通常必要とするもの
  6. 管理業務の一部の再委託に関する事項
  7. 責任と免責に関する事項
  8. 委託者への報告に関する事項(法20条)
  9. 契約期間に関する事項
  10. 入居者に対する管理業務の内容と実施方法の周知に関する事項
  11. 契約の更新と解除に関する事項

解釈・運用の考え方は、説明を業務管理者本人が行わなくてもよいが、業務管理者の管理・監督の下で行う必要があるとしています。また、説明から契約締結までに1週間程度の期間をおくことが望ましいとしています。

14条の書面で見直す記載事項

法14条1項は、管理受託契約を結んだときに、遅滞なく委託者に書面を交付するよう求めています。記載事項は、管理業務の対象となる賃貸住宅、管理業務の実施方法、契約期間、報酬、契約の更新・解除の定めがあるときはその内容、省令で定める事項です。施行規則35条2項は、省令で定める事項として、管理業者の商号・登録年月日・登録番号、管理業務の内容、再委託、責任と免責の定め、委託者への報告、入居者への周知を挙げています。

解釈・運用の考え方は、法14条1項と施行規則35条の事項が記載された契約書であれば、その契約書をこの書面とすることができるとしています。多くの会社で、管理受託契約書が14条書面を兼ねていると考えられます。その場合、契約書の雛形にも登録番号が入っているので、重要事項説明書とは別に差し替えが必要です。13条と14条は別の書面なので、片方を直してももう片方は直りません。

19条の標識

法19条は、営業所または事務所ごとに、公衆の見やすい場所に、省令で定める様式の標識を掲げるよう求めています。国交省の賃貸住宅管理業法ポータルサイトは、掲示する事項を、登録番号、登録年月日、登録の有効期間、商号・名称・氏名、主たる営業所または事務所の所在地(電話番号を含む)としています。

更新のあとに標識を見るときは、番号の括弧の数字だけでなく、登録年月日と有効期間の記載も確かめます。宅建業も営む会社は、宅建業法50条の業者票も別に掲げています。こちらは宅建業の免許に関する標識で、賃貸住宅管理業の標識とは記載事項が違います。

既存の契約はどう扱うか

13条の説明は契約を結ぶまでに、14条の書面は契約を結んだときに求められるものです。更新後に結ぶ新しい管理受託契約では、新しい番号を記載した書面を使います。

すでに結んでいる契約について、登録番号の括弧の数字が変わったことだけを理由に書面を出し直す義務を定めた規定は、今回確認した法令と解釈・運用の考え方の中には見当たりませんでした。解釈・運用の考え方は、契約の同一性を保ったまま契約期間だけを延ばす場合や、商号・名称の変更など形式的な変更の場合は、改めて重要事項説明を行わなくても差し支えないとしています。

一方、契約内容を変える変更契約を結ぶときは、その書面に新しい番号を記載します。扱いに迷う契約は、所管の地方整備局に確認してから決めてください。

変更届(7条)は更新とは別の手続き

法7条は、法4条1項の登録事項に変更があったときは、その日から30日以内に国土交通大臣に届け出るよう求めています。法4条1項の登録事項は次の4つです。

  • 商号・名称・氏名と住所
  • 法人である場合の役員の氏名
  • 未成年者である場合の法定代理人の氏名など
  • 営業所または事務所の名称と所在地

解釈・運用の考え方は、主たる営業所の所在地の変更や、従たる営業所の新設・廃止・所在地の変更を変更届の対象として挙げています。更新そのものは変更届の対象ではありませんが、更新の準備で登録内容を見直したときに、役員の交代や営業所の移転の届出が漏れていないかもあわせて確かめておくと安心です。

更新の準備は、日々の業務の書類をまとめて見直す機会にもなります。立入検査で件数が多かった条文のうち、番号の差し替えと一緒に確かめやすいものを挙げます。

条文求められていること確かめる点
18条(帳簿)営業所・事務所ごとに帳簿を備える。記載事項は委託者の商号・氏名、契約を結んだ年月日、対象の賃貸住宅、管理業務の内容、報酬の額、特約など(施行規則38条1項)契約年月日の欄が空いていないか。事業年度の末日で閉鎖し、閉鎖後5年間保存しているか(同条3項)。電子で備える場合は、営業所で紙に表示できるか(同条2項)
20条(定期報告)委託者に、管理業務の実施状況などを定期に報告する。1年を超えない期間ごとと、契約期間の満了後遅滞なく行う(施行規則40条)報告の対象期間、管理業務の実施状況、入居者からの苦情の発生状況と対応状況が入っているか。電子で送る場合は、方法を示して承諾を得ているか
17条(従業者証明書)業務に従事する使用人その他の従業者に、従業者であることを証する証明書を携帯させる。求めがあれば提示する新しく入った人の証明書が作られているか。退職者の証明書を回収しているか

20条の定期報告は、修繕や苦情がなかった期間でも、報告の時期が来れば実施状況として報告する必要があります。「何もなかったので報告しない」という運用になっていないかも確かめておきます。

更新後に書面を見直す手順の例

  1. 登録の通知などで、新しい登録番号・登録年月日・有効期間を確かめる。
  2. 新しい番号を使い始める日を社内で決め、関係者に知らせる。
  3. 13条の重要事項説明書の雛形を差し替え、施行規則31条の11号がそろっているかも見直す。
  4. 14条書面を兼ねる管理受託契約書の雛形を差し替え、施行規則35条の事項がそろっているかも見直す。
  5. すべての営業所・事務所の標識を見て回り、番号・登録年月日・有効期間を直す。
  6. ホームページ、名刺、パンフレットなど番号を載せている媒体を洗い出す。
  7. 次の有効期間の満了日と、その90日前・30日前を予定表に入れる。
  8. 役員や営業所に変更があれば、30日以内の変更届が出ているかを確かめる。

3番と4番では、立入検査で指摘が多かった「入居者に対する管理業務の内容及び実施方法の周知」と「委託者への報告」の欄を、番号とあわせて見ておくと手間が1回で済みます。

よくある質問

Q1. 更新が認められたら、標識はいつ替えればよいですか。

替える日を定めた規定は確認できませんでしたが、標識は登録番号・登録年月日・有効期間を示すものなので、新しい有効期間が始まる日に合わせて替えるのが自然です。準備に時間がかかる場合でも、古い記載のまま掲げ続けないようにします。

Q2. 既存のオーナー全員に、新しい番号の書面を出し直す必要がありますか。

番号の変更だけを理由に出し直す義務を定めた規定は、今回確認した資料には見当たりませんでした。新しく結ぶ契約や変更契約から新しい番号を使い、迷う場合は地方整備局に確認してください。

Q3. 管理戸数が200戸未満で任意に登録している場合も、同じ義務がありますか。

解釈・運用の考え方は、200戸未満でも登録を受けた者は法の規制に服するとしています。標識や13条・14条の書面の義務も同じです。

Q4. 更新の申請を出し忘れたらどうなりますか。

有効期間の経過で登録は効力を失います(法3条2項)。続けるには新規の登録を受け直すことになり、費用も更新手数料ではなく新規の登録免許税9万円がかかります。

Q5. 番号の括弧が(2)なのか(3)なのか分かりません。

通常は更新の回数に1を加えた数ですが、旧登録規程から移った会社は2を加える扱いがあります。自分で計算せず、登録の通知で確かめてください。

出典(本文で参照している資料)

この記事は2026年10月7日時点の情報です。

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