制度・法改正 読了 24分

リスク評価書は令和8年度中に全宅建業者が作成完了へ|四半期フォローアップと令和8年度末の期限、2027年4月の対面ICチップ読み取り

賃貸中心の会社でも、売買の媒介を扱えば犯収法の特定事業者です。リスク評価書は令和8年度中に全社作成が政府目標、体制整備は令和8年度末まで、対面の本人確認は2027年4月1日からICチップ読み取りへ。3つの期限が同時に走っています。

馬場生悦
宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士
リスク評価書は令和8年度中に全宅建業者が作成完了へ
目次

賃貸中心の会社でも、売買の媒介を扱えば犯収法の特定事業者で、リスク評価書は令和8年度中に全宅建業者が作成を終えることが政府の目標です。体制整備は令和8年度末まで、対面の本人確認は2027年4月1日からICチップの読み取りが原則になります。3つの期限が同時に走っています。

【要点】いま同時に走っている3つの期限

「うちは売買が年に数件だから」で通せる時期が終わりつつあります。国土交通省は令和7年6月27日の事務連絡で、令和8年度以降、体制整備などの状況を立入検査や書面審査などを通じて確認していくと業界団体に伝えました。あわせて、リスク評価書の作成状況を四半期ごとに調べるフォローアップ調査が行われています。

期限内容根拠
令和8年度中全ての宅建業者がリスク評価書の作成を完了することを目指す「外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策」(令和8年1月23日 関係閣僚会議決定)。国土交通省 事務連絡(令和8年2月19日)で引用
令和8年度末未着手の事業者は体制整備の対応を完了させる国土交通省 事務連絡(令和7年6月27日)
令和8年4月・7月・10月・令和9年1月リスク評価書の作成状況のフォローアップ調査国土交通省「犯罪収益移転防止法の概要について」(令和8年4月)
2027年4月1日対面の本人特定事項の確認で、ICチップ付きの本人確認書類はICチップ情報の読み取りが必要に犯収法施行規則の改正命令(令和8年3月6日公布)
令和10年8月FATF第5次対日相互審査の予定国土交通省 事務連絡(令和7年6月27日)

順番が大事です。2027年4月の改正は機器と手順の話で、準備にかかる期間を見積もりやすいものです。一方、リスク評価書と体制整備は、本年度中に文書がなければ調査で「未作成」と記録されてしまうため、手をつける優先順位はこちらが先です。

対象は売買だけ|賃貸の媒介は特定取引に入らない

取引の対象を取り違えると、不要な手間をかけたり、逆に必要な確認を落としたりします。国土交通省の概要資料(令和8年4月)は、宅建業者の特定取引を「宅地・建物の売買契約の締結又はその代理若しくは媒介」としており、賃貸借は対象外です。

自社の業務取引時確認取引記録
売買契約の締結・その代理・媒介必要必要
売買の媒介を受けたが成約に至らなかった特定取引に至らなければ不要必要となる場合がある
賃貸借の媒介・代理不要不要
賃貸住宅の管理受託不要不要

注意したいのは、同じ資料が、売買契約の締結に至らない場合などでも取引記録の作成が必要となる場合があり得る、としている点です。売買の媒介を受けながら不成立に終わった案件を、記録なしで終わらせていないか確認してください。

「リスク評価書」は令和8年度中に全社という政府目標

リスク評価書は、犯収法第11条と施行規則第32条に基づく特定事業者作成書面です。第11条は「講ずるように努めなければならない」という書き方で、法令上は努力義務です。それでも期限が示されているのは、政府の対応策に組み込まれたからです。

国土交通省の事務連絡(令和8年2月19日)は、令和8年1月23日の「外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策」に、「令和8年度中には、マニュアルを踏まえて全ての宅建業者が『リスク評価書』の作成を完了することを目指す」と書かれていることを引いています。そのマニュアルにあたるのが、同じ日に示された「リスク評価書作成要領(宅地建物取引業者におけるひな形)」です。

同対応策の詳細版では、多額の現金による不動産取得の事例が指摘される中で、不動産取得に係るマネロン対策を強化することが、土地所有等情報の透明性向上の取組の一つとして挙がっています。宅建業者だけを対象にした施策ではなく、もっと大きな枠組みの一部です。

四半期ごとのフォローアップ調査は既に始まっている

国土交通省の概要資料(令和8年4月)は、リスク評価書の作成状況を把握するため、四半期(令和8年4月、7月、10月、令和9年1月)ごとにフォローアップ調査を行うとしています。調査は業界団体を通じて各事業者に届きます。

実務上の意味は単純です。「作成中」と答えられる回数は、10月と令和9年1月の2回しか残っていません。令和9年1月が、年度内で最後の調査です。逆算すると、1月の調査で「作成済み」と答えられるよう、年内に一度形にしておくのが現実的な線です。

リスク評価書に何を書くのか|ひな形の項目

作成要領は、国によるリスク評価の結果などを確認したうえで、自らが直面するリスクを特定・分析・評価し、毎年1回定期的に見直す流れを示しています。項目名を見れば、用意する情報の見当がつきます。

項目内容用意の仕方
国のリスク評価の確認犯罪収益移転危険度調査書などの国の評価結果調査書とガイドラインからの引用で足りる
営業エリアと地域特性、事業環境自らの個別具体的な特性商圏の主な産業、居住者の傾向、来店顧客の特徴
疑わしい取引の届出の分析結果記載例では直近5年間の届出件数を年度ごとに並べる件数がゼロの年もゼロと書き、理由を添える
商品・サービス、取引形態/顧客の属性/国・地域リスクの評価非対面・現金取引の有無、国外居住者、反社会的勢力、注意が必要な国・地域
取引リスクに応じた当社の対応方針届出の判断基準など作成要領は「一つでも該当すれば届出」「判断に迷う場合は届出」としている

営業エリアの記述で詰まったら、まず自社が過去3年で扱った売買の内訳を数えてみるのが実務的です。買主の属性、決済方法、非対面取引の件数、法人取引の割合などを集計すると、自社のリスクがどこにあるかが具体的に見えてきます。評価書の価値は、文書そのものより、この作成の過程にあります。

届出がゼロの会社の書き方も悩みどころです。ゼロをそのまま「リスクが低い」と書くのは避けたほうがよいでしょう。届出の判断をいつから、どのチェックリストで行っているかを併せて書いておくと、ゼロの意味を説明しやすくなります。

体制整備の4点セットは、書類ではなく運用

犯収法第11条が挙げる措置は、使用人に対する教育訓練の実施、取引時確認等の措置の実施に関する規程の作成、業務を統括管理する者の選任、そして犯罪収益移転危険度調査書の内容を勘案して講ずべき措置です。国土交通省の事務連絡(令和7年6月27日)は、リスク評価書の作成に加えて、教育訓練(研修)の実施、取引時確認の規程の作成、取引時確認等の業務を統括管理する者の選任を求めています。

項目最低限の形調査で問われうること
リスク評価書ひな形に沿った文書1本、年1回見直し作成日、直近の見直し日
教育訓練年1回以上。実施日・受講者・教材を記録実施日、受講者名簿、教材
取引時確認の規程誰が何をどの書類で確認し、どこに残すか規程の版と改訂履歴
統括管理者氏名を決めて社内に周知選任日、周知の方法

同じ事務連絡には、中小の事業者においても代表者の関与を徹底し、現場の従業員を含めて理解を徹底させるという趣旨の一文があります。名簿と教材がそろっているだけでなく、代表者が内容を説明できる状態が求められていると読めます。この領域は社長自身が動く必要があります。

2027年4月1日、対面の本人確認がICチップ読み取りへ

ここから機器と手順の話です。犯収法施行規則の改正命令が令和8年3月6日に公布され、令和9年(2027年)4月1日に施行されます。警察庁(JAFIC)のQ&Aによると、対面での本人特定事項の確認で、マイナンバーカード、運転免許証、在留カード、特別永住者証明書、旅券などICチップが組み込まれた本人確認書類については、ICチップの情報(氏名、住居、生年月日、写真)を読み取って映像面に表示させることが必要になります。

対面の確認現行(2027年3月31日まで)改正後(2027年4月1日以降)
求められること顔写真付き本人確認書類1点の原本の提示ICチップ付きの書類は、提示に加えてICチップ情報の読み取りと映像面への表示
ICチップのない写真付き書類提示で確認できる身体障害者手帳、運転経歴証明書などは引き続き使えるが、追加の手続を組み合わせる形になる
読み取り手段不要国土交通省の資料(令和8年6月)は、デジタル庁が無料で提供する「マイナンバーカード対面確認アプリ」を紹介している

宅建実務への影響として大きいのは、重要事項説明や契約の席で、免許証を目で見て控えを取るだけの運用が、そのままでは通らなくなる点です。ICチップの読み取りを、どの場面で誰が行うかを手順に組み込む必要があります。

「2027年4月改正」は1本ではなく複数の改正命令

ここを混同すると、社内の説明がかみ合わなくなります。犯収法施行規則の本人確認の方法を見直す改正命令は、近年だけで次のようにあります。

命令公布施行内容
令和7年 第2号2025年6月24日公布の日(施行済み)スマートフォンに搭載したマイナンバーカード(カード代替電磁的記録)を用いる確認方法の追加
令和7年 第3号2025年6月24日2027年4月1日非対面の見直し。本人確認書類の画像と容貌の画像を送信する方法(いわゆるホ方式)の廃止など
令和8年 第1号2026年3月6日2027年4月1日対面の見直し。ICチップ情報の読み取りの原則化、写真のない本人確認書類2点の提示による方法の廃止など

いずれも内閣府・総務省・法務省・財務省・厚生労働省・農林水産省・経済産業省・国土交通省の共同の命令です。宅建業者は名指しの主役ではありませんが、特定事業者として同じ規則が適用されます。

廃止される方法のうち、宅建の現場が使っているもの

2027年4月1日に廃止される方法のうち、宅建の実務で使われている可能性が高いものは次の2つです。

方法根拠宅建での使われ方の例
対面で写真のない本人確認書類2点の提示を受ける方法令和8年の改正命令(JAFIC Q&A)免許証を返納した高齢の売主など
非対面で本人確認書類の画像と容貌の画像の送信を受ける方法令和7年第3号の改正命令(JAFIC Q&A)遠方の相続人との非対面の取引

JAFICのQ&Aは、健康保険の資格確認書や母子健康手帳のように写真もICチップもない書類は、単独では本人特定事項の確認書類として使えないとしています。非対面については、偽造を防止するための措置が講じられた一定の本人確認書類の原本の送付を受ける方法が残されます。

影響を受けやすいのは、高齢の売主と遠方の相続人の組み合わせです。相続した物件の売却では、この2つが重なることがあります。変更を知らずに契約の日を迎えると、手続が進まないおそれがあります。

運転免許証の暗証番号とロックという、窓口で起きやすい詰まり

実務でいちばん気になるのがここです。愛知県警察の案内では、IC運転免許証は1組目の暗証番号で本籍と写真以外の券面の情報を、2組目の暗証番号で本籍と写真を確認できます。暗証番号の入力を3回続けて誤るとロックがかかり、読み出しができなくなります。ロックの解除は、本人が警察署の免許窓口や運転免許試験場などに免許証を持参して申請する必要があり、代理人による手続は認められていません。

交付時に設定した暗証番号を本人が覚えていなければ、その場では読み取れません。不動産の決済は日を改めにくいため、事前の準備が効きます。準備の方針は次の3点に絞れます。

  • 事前の案内:媒介契約の時点で、確認方法が変わることと持参物を書面で伝える。
  • 書類の優先順位:マイナンバーカードを第一候補として案内する。
  • 読み取りに失敗したときの分岐:その場で切り替える方法を1枚にまとめ、担当者が迷わないようにする。

法人顧客の確認方法を整理しておく

買主が資産管理会社という案件は、中小の売買でも珍しくありません。登記事項証明書の写しをメールで受け取って確認記録に添付する、といった運用をしている会社は、改正後の方法と照らし合わせて見直しが必要です。国土交通省の資料(令和8年6月)とJAFICのQ&Aで、法人の確認方法の変更点を確かめてください。

現行の施行規則でも、法人の代表者等から名称と本店等の所在地の申告を受け、登記情報提供サービスで登記情報の送信を受ける方法(第6条第1項第3号ロ)や、国税庁の法人番号公表サイトで公表事項を確認する方法(同号ハ。対面しないで申告を受けるときは、本店等に宛てた転送不要郵便物等の送付も必要)があります。写しのやり取りから、公的な情報の参照へ移していくのが合理的です。

あわせて、実質的支配者の確認の申告様式も整えておくと安心です。資本多数決法人では、議決権の総数の4分の1を超える議決権を直接又は間接に有していると認められる自然人が実質的支配者に当たります(施行規則第11条第2項第1号)。

条文の記号が振り直される|社内規程の引用が壊れる

地味ですが、確実に手戻りを生む論点です。令和8年の改正命令には、施行規則第6条第1項第1号の号の細分を削り、残りを繰り上げる指示が含まれています。2027年4月以降は、現行の「イ」「ロ」…といった記号が別の方法を指すようになります。

対策として、取引時確認の規程からは条文の記号の引用を外し、「顔写真付き本人確認書類の原本の提示を受け、ICチップ情報を読み取る方法」のように方法の説明で書いておくと、改正のたびに書き換えずに済みます。対照が必要なときは別紙の対照表に置きます。規程の最終確認は、施行規則の本文と警察庁(JAFIC)の公表資料で行ってください。

疑わしい取引の届出|JAFICは実態と乖離していると見ている

本記事でいちばん重い数字がここです。国土交通省の概要資料(令和8年4月)には、届出を集計しているJAFIC(警察庁)の見方として、ここ数年で不動産取引を目的とする疑わしい取引は件数で1,000件以上、金額では1,000億円以上と推測しており、宅建業者の届出件数は実態から乖離しているのではないか、と書かれています。

同じ資料には、詐欺の被害金が金融口座を経由して宅建業へ流れた事例で、宅建業者からの疑わしい取引の届出(多額現金)がなかったため、その先の捜査の進展が遅れたという例も載っています。

判断の場面資料に書かれている扱い
チェックリストの項目に一つでも該当届出の対象
該当するか明確でなく判断に迷う届出を行う
詳細が確認できていない必ずしも詳細が確認できていなくても構わない
売買契約が不成立成立・不成立にかかわらず届出
反社チェックで契約の締結を回避したその場合も届出の対象
金融機関を通さない現金での支払い特にリスクが高い取引として示されている

届出先は、宅建業の免許をした国土交通大臣又は都道府県知事です(犯収法第22条第1項第16号)。そして、届出をしようとすること又は行ったことを、顧客やその関係者に漏らしてはなりません(同法第8条第4項)。「一応届けておきますね」と顧客に言うのは違反です。研修で強調しておきたい一行です。

反社データベースの照会は原則すべての売買取引

令和7年10月2日、不動産関係の6団体が「不動産業における犯罪収益移転防止等に関する措置の徹底について」を申し合わせました。内容は次のとおりです。

項目内容例外
照会の対象原則としてすべての売買取引について、取引当事者が反社会的勢力に該当しないか反社DB等に照会取引金額が200万円以下の場合は照会不要
「該当可能性あり」の扱い原則として疑わしい取引として届出生年月日等で明らかに別人と確認できる場合は届出不要

実務でつまずくのは、照会のタイミングをどこに置くかです。媒介契約の締結前に置く方法が考えられます。契約後に「該当可能性あり」が出ると、契約の締結を回避した扱いになり、届出と解除を同時に処理することになるためです。前に置けば、判断の余地が残ります。

確認記録と取引記録の7年保存で落ちやすいところ

確認記録は法第6条、取引記録は法第7条で、いずれも7年間の保存が必要です。国土交通省の概要資料は、確認記録は契約が行われた日から、取引記録は取引の行われた日から7年間保存するとし、確認記録の様式に定めはなく、記録事項を網羅していれば任意の形でよいとしています。

落ちやすい点内容
非対面で受け取った書類本人確認書類の送付を受けた場合は、それも確認記録に添付して保存する
現住居が書類と違う現住居の記載がある本人確認書類か補完書類(国税・地方税の領収証書又は納税証明書、社会保険料や公共料金の領収証書など)で確認し、送付を受けた場合は写しでもよいので確認記録に添付
確認済みの顧客過去に取引時確認をして確認記録を保存していても、同じ顧客であることを確かめる措置をとっていなければ、改めて確認が必要
取引記録の記録事項確認記録を検索するための事項、取引の日付、取引の種類、財産の価額(売買代金の額)、移転元又は移転先の名義
代理人が立っている代理人についても本人特定事項の確認が必要(法第4条第4項)

FATF第5次対日相互審査という外圧

なぜいま、ここまでの対応が求められるのか。国土交通省の事務連絡(令和7年6月27日)が理由を書いています。令和10年8月にFATF(金融活動作業部会)による第5次の対日相互審査が予定されており、宅建業者のマネー・ローンダリング等対策をより一層強化していくことが求められる、という趣旨です。

令和8年度末の期限は、この審査を見据えたものと読めます。また、総合的対応策の詳細版には、法人の実質的支配者の把握強化の検討も挙がっています。次の見直しの方向として押さえておくとよいでしょう。

10月から令和9年3月までの工程表

時期やること成果物
10月過去3年の売買案件を数え直す(件数、決済方法、非対面の割合、法人の割合)。統括管理者を決めて社内に周知。フォローアップ調査に現状で回答集計表1枚、周知の記録、回答の控え
11月ひな形に沿ってリスク評価書を作る。取引時確認の規程から条文の記号の引用を外すリスク評価書、改訂版の規程
12月研修を実施。反社DBの照会を媒介契約の締結前に置く運用に変える。確認記録・取引記録の添付漏れと保存期間を点検受講者名簿、業務の流れ図、点検結果
令和9年1月フォローアップ調査に回答。リスク評価書の初回の見直し日を決める回答の控え
令和9年2月から3月2027年4月に向けてICチップの読み取り手段を決める。顧客に渡す事前案内の文面を作る比較表、事前案内のひな形

2027年4月の対応を後ろに置いているのは、機器を先に買うより、自社が使っている確認方法を棚卸ししてから選択肢を絞るほうが合理的だからです。国土交通省は令和8年6月に本人確認方法の変更についての資料を出しています。追加の資料が出ていないかも、その時点で確認してください。

よくある誤解

誤解1 リスク評価書は努力義務だから作らなくてよい

法令上は努力義務です。しかし四半期ごとの調査で作成状況が集計され、令和8年度以降は立入検査や書面審査でも状況が確認されます。義務かどうかとは別に、未作成であることが記録されるという実務上の意味を持ちます。

誤解2 2027年4月からはマイナンバーカードがないと売買できない

そうではありません。運転免許証、在留カード、旅券などのICチップ付き書類も使えますし、身体障害者手帳や運転経歴証明書などICチップのない写真付き書類も、追加の手続と組み合わせて使えます。ただし全体の方向は厳格化なので、代わりの手順を先に決めておくことが前提です。

このテーマの全体像は「不動産のコンプライアンス実務ガイド2026|宅建業法・管理業法・個人情報・犯収法」にまとめています。

よくある質問

Q1. 統括管理者は代表者が兼ねてよいですか

犯収法第11条第3号は統括管理する者の選任を求めていますが、条文に誰でなければならないという定めはありません。従業員数名の会社では、代表者が兼ねる形が現実的です。ただし事務連絡が代表者の関与の徹底を求めていることから、名前だけ置く運用は想定されていないと読むべきでしょう。

Q2. リスク評価書はどのくらいの分量が必要ですか

公表資料に分量の基準は示されていません。作成要領は、毎年1回定期的に見直すことを求めています。厚さより、自社の取引の数字が入っているか、見直しの日付が残っているかのほうが重要です。

情報の扱いで慎重にした点

  • 2027年4月改正の宅建業者向けの運用の細部は書いていません。どの機器やアプリを使うか、読み取れない場合の具体的な手順は、警察庁・国土交通省の公表資料で確認が必要なためです。本記事は、公表されている改正の内容と、準備の考え方を分けて書いています。
  • 条文の記号の新旧の対応は書いていません。社内規程を改訂するときは、施行規則の本文と警察庁(JAFIC)の公表資料で確認してください。
  • リスク評価書の書き方は考え方として示しました。分量や記載の粒度の基準は、公表資料からは確認できません。

出典(本文で参照している資料)

この記事は2026年10月7日時点の情報です。

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