2026年10月20日、国土交通省・経済産業省・環境省は、「住宅省エネ2024キャンペーン」の事務局が運営するシステムに外部からの不正操作があり、登録事業者の情報が漏洩した可能性があると公表しました。件数は速報値で23,918名(16,950事業者)です。対象には経済産業省の「賃貸集合給湯省エネ2024事業」も含まれます。消費者(共同事業者)の個人情報の漏洩は、現時点で確認されていないとされています。この記事では、国土交通省の報道発表(https://www.mlit.go.jp/report/press/house04_hh_001366.html)とキャンペーン公式サイトのお知らせをもとに、発表の中身と、賃貸管理会社が確かめておく点を整理します。
発表の中身
報道発表と添付資料(3省の同時発表)に書かれている内容を、そのまま要約します。
- 何が起きたか:事務局である株式会社博報堂が運営するシステムに外部から不正な操作があり、事業者の登録情報が漏洩した可能性が確認されました。原因と詳しい被害状況は同社が調査中です。
- 対象の事業:令和5〜6年度に実施された、子育てエコホーム支援事業(国土交通省)、先進的窓リノベ2024事業(環境省)、給湯省エネ2024事業(経済産業省)、賃貸集合給湯省エネ2024事業(経済産業省)の4つです。
- 漏洩の可能性がある情報:法人代表者の氏名・肩書、個人事業主の氏名・住所、補助金担当者の氏名・部署・役職と、業務で使っている住所・電話番号・メールアドレスです。
- 確認されていないこと:消費者の個人情報の漏洩と、「住宅省エネ2026キャンペーン」など他の年度の同種事業の登録事業者情報の漏洩は、確認されていないとしています。
- 対応:被害の拡大を防ぐため、システムの全機能を停止しています。点検と再発防止策の後、子育てエコホーム支援事業の完了実績報告の受付などに必要な機能に限って再開する予定です。漏洩の可能性がある事業者には、事務局から個別に謝罪と注意喚起の連絡をしています。国土交通省は同社に、原因と被害状況の早急な調査と再発防止の徹底を指示しました。
キャンペーン公式サイトのお知らせ(https://jutaku-shoene2024.mlit.go.jp/news/2026102001.html)では、さらに次の点が示されています。ここでいう補助金担当者は、各事業者に1名ずつ置かれる「統括アカウント担当者」のことです。補助金の振込用の口座情報、代表者の電話番号・メールアドレス・住所は、漏洩の可能性がある項目に入っていません。注意喚起のメールは2026年10月20日に、info@jutaku-shoene.jp から統括アカウントの登録メールアドレスあてに送られています。
日付・対象・期限の表
| 項目 | 内容 | 出典 |
|---|---|---|
| 公表日 | 2026年10月20日(国土交通省・経済産業省・環境省の同時発表) | 報道発表・添付資料 |
| 件数(速報値) | 23,918名(16,950事業者) | 報道発表 |
| 対象事業 | 子育てエコホーム支援事業、先進的窓リノベ2024事業、給湯省エネ2024事業、賃貸集合給湯省エネ2024事業(令和5〜6年度) | 添付資料 |
| 漏洩の可能性がある情報 | 法人代表者の氏名・肩書/個人事業主の氏名・住所/統括アカウント担当者の氏名・部署・役職・業務用の住所・電話番号・メールアドレス | 報道発表・公式サイト |
| 含まれないとされる情報 | 補助金の振込口座、代表者の電話番号・メールアドレス・住所、消費者(共同事業者)の個人情報 | 公式サイト |
| 他年度の事業 | 住宅省エネ2026キャンペーンなどの登録事業者情報の漏洩は確認されていない | 報道発表 |
| システム | 全機能を停止中。再開の時期は示されていません | 報道発表・公式サイト |
| 期限 | 子育てエコホーム支援事業の11階以上の完了報告の提出期限は変更なく、2027年2月28日(日)の予定 | 公式サイト |
賃貸管理の実務で何をするか
賃貸集合給湯省エネ2024事業は、既存の賃貸集合住宅で従来型の給湯器を小型の省エネ型給湯器(エコジョーズ・エコフィール)に交換する工事が対象でした。交付申請をするのは事務局に登録した「住宅省エネ支援事業者」で、給湯器を導入する賃貸集合住宅の所有者などは、契約した事業者を通じて補助金の還元を受ける仕組みです(事業のよくある質問)。管理会社が工事の契約先として登録していた場合と、オーナーが工事会社を通じて使った場合とで、確かめることが違います。
1. 自社が登録事業者だったかを確かめる
2023〜2024年度に、上の4事業のいずれかで住宅省エネ支援事業者として登録していたかを確かめます。統括アカウント担当者のメールアドレスに、2026年10月20日付で info@jutaku-shoene.jp からの連絡が届いているかが手がかりになります。登録時の担当者が異動・退職している場合は、そのアドレスを今だれが見ているかもあわせて確かめます。
2. なりすまし・フィッシングに備えて社内に知らせる
公表資料は、漏洩した情報がなりすましやフィッシング詐欺、ウイルス感染メールに使われるおそれがあるとして、不審なメールの添付ファイルを開かない、本文のURLを押さない、メールごと削除する、と呼びかけています。事務局はアカウントID・パスワードや登録口座の情報を尋ねることはない、とも明記しています。補助金や事務局を名乗るメール・電話が来たときの扱いを、経理と現場の担当者に伝えておきます。
3. オーナーからの問い合わせには公表内容で答える
工事会社を通じて補助を受けたオーナーから問い合わせがあった場合は、消費者(共同事業者)の個人情報の漏洩は現時点で確認されていないと公表されていること、相談窓口があることを伝えます。調査中の事柄について、公表されていない見通しを伝えないようにします。
4. 進行中の手続きの期限を確かめる
システムは全機能が停止しています。子育てエコホーム支援事業の11階以上の完了報告の提出期限は、変更なく2027年2月28日の予定とされています。該当する案件がある場合は、事務局の再開の案内を確かめます。
5. 自社の個人情報の扱いもあわせて見直す
今回は委託先の事務局で起きた事案ですが、管理会社も入居者・オーナー・協力業者の情報を外部のシステムに預けています。個人情報保護委員会が2026年10月に出した注意喚起の内容は、個人情報保護委員会の漏えい対策の注意喚起|賃貸管理で見直す点にまとめています。
よくある質問
Q1. 入居者やオーナーの個人情報も漏れたのですか
公表では、消費者(共同事業者)の個人情報の漏洩は現時点で確認されていないとされています。漏洩の可能性があるのは登録事業者の情報です。
Q2. 住宅省エネ2026キャンペーンで申請中の案件は影響を受けますか
公表では、住宅省エネ2026キャンペーンなど他の年度の同種事業の登録事業者情報の漏洩は確認されていないとされています。停止しているのは住宅省エネ2024キャンペーンのシステムです。それ以外の影響について、公表資料に記載はありません。
Q3. 口座情報は漏れていますか
キャンペーン公式サイトのお知らせでは、補助金の振込用の口座情報は、漏洩の可能性がある項目に含まれていないとされています。
Q4. どこに問い合わせればよいですか
登録事業者・消費者向けに、住宅省エネ2024キャンペーン事務局の電話相談窓口(0570-062-065、IP電話は050-3524-7232、平日9時〜17時)があります。消費者向けには住まいるダイヤル(03-3556-5147)も案内されています。
Q5. 原因はわかっていますか
まだわかっていません。事務局の博報堂が調査中で、国土交通省は早急な調査と再発防止を指示したと公表しています。
出典
| 本稿で使った内容 | 資料 |
|---|---|
| 公表日、件数、漏洩の可能性がある情報、対象事業、対応、相談窓口 | 国土交通省 報道発表「住宅省エネ2024キャンペーン」の事務局における登録事業者情報の漏洩の可能性について(2026年10月20日) |
| 3省同時発表、令和5〜6年度の対象事業、注意喚起の文言、問い合わせ先 | 同 添付資料(PDF) |
| 統括アカウント担当者、含まれない情報、送信元アドレス、事務局が尋ねない情報、11階以上の完了報告の期限 | 住宅省エネ2024キャンペーン 公式サイトのお知らせ |
| 賃貸集合給湯省エネ2024事業の申請者と補助対象 | 賃貸集合給湯省エネ2024事業 よくある質問(PDF) |
この記事は2026-10-21時点の情報です。