令和8年8月25日、国土交通省が「令和8年度住宅市場動向調査」を9月1日から実施すると発表しました。平成13年度から毎年度続いている調査で、住宅政策を作るときの基礎資料になります。報道発表の本文は、住宅にお住まいの方に向けて「調査票が郵送されてきた場合や調査員がお伺いした際には、調査にご協力をお願いします」と書かれています。賃貸管理会社とオーナーに宛てた行は、ひとつもありません。それでも9月以降、電話は管理会社に入ります。この記事は、その理由と、鳴る前に用意しておくものの話です。
民間賃貸だけ、名簿がない
この調査は住宅を5つの種類に分けて実施されます。国土交通省の報道発表資料には、種類ごとの調査方法と、そこに至る抽出方法が注記されています。そこを並べると、ひとつだけ性格が違う類型が見えます。
| 住宅の種類 | 調査方法 | 誰を対象にするかの決め方 |
|---|---|---|
| 注文住宅 | 郵送調査 | 建築着工統計調査の建築工事費調査から抽出した世帯主 |
| 既存住宅 | 郵送調査 | 登記情報から抽出した世帯 |
| 分譲住宅 | 留め置き調査 | 調査地点を抽出し、調査員が該当する住宅を探し出し世帯主へ依頼 |
| 民間賃貸住宅 | 留め置き調査 | |
| リフォーム住宅 | 留め置き調査 |
上の2つには、引いてくる台帳があります。注文住宅は建築着工統計、既存住宅は登記情報。どちらも国が持っている記録です。そこから世帯を特定できるので、封筒を送れば届きます。
下の3つには台帳がありません。とくに民間賃貸住宅は、全国の入居者を集めた名簿がそもそも存在しません。登記に載るのは所有者であって、賃借人ではないからです。誰がいつどの部屋に入ったかを知っているのは、貸主と管理会社と保証会社だけで、そのデータは国の統計に接続されていません。
だから方法が変わります。地図の上で調査地点を決めて、調査員がそこへ行き、該当する住宅を目で探す。報道発表の注記にある「調査員が該当する住宅を探し出し」という一文は、そういう意味です。
探し出す現場が、管理会社の物件です。エントランス、集合ポスト、掲示板、そして各戸の玄関。9月以降にそこを歩く人がいたとして、管理会社にはその予定が知らされていません。
いま押さえる4点
1. 始まるのは9月1日。報道発表は令和8年8月25日付で、実施開始は9月1日です。繁忙期の反動で問い合わせが減る時期に重なります。電話の1本が目立つ時期でもあります。
2. 民間賃貸の対象地域は3圏域だけ。首都圏・中京圏・近畿圏の10都府県です。それ以外の地域の管理会社には、この調査の調査員は来ません。来ないと分かっていること自体が、入居者への回答になります。
3. 対象は「令和7年度に入居した方」。去年の繁忙期に契約したお客様です。誰が該当するかを、管理会社は知っています。だからこそ渡せません。後述します。
4. これは一般統計調査で、回答義務はない。ただし「義務はありません」と管理会社が言い切るのも、立場を越えています。ここも後述します。
何の調査なのか
住宅市場動向調査は、個人が住宅を取得するときの資金調達方法や動機の実態を把握し、今後の住宅政策の企画立案の基礎資料とすることを目的として、平成13年度から毎年度実施されています。
「一般統計調査」であることの意味
令和7年度の調査結果の報道発表には、「統計法に基づき総務大臣の承認を受けた一般統計調査」と明記されています。統計法には基幹統計調査と一般統計調査の区別があり、報告義務(統計法第13条)と、それに対応する罰則が置かれているのは基幹統計調査のほうです。国勢調査などがこちらに当たります。
一般統計調査には、この報告義務の規定が適用されません。つまり入居者が回答しなくても、罰則はありません。
一方で、調査に関わった者の守秘義務は、基幹統計調査にも一般統計調査にも等しくかかります。「答えなくてもいい調査だから怪しい」わけでも、「答えなくてもいい調査だから情報の扱いが緩い」わけでもありません。ここは分けて理解しておくと、入居者に説明するときに言葉が濁りません。
もうひとつ、逆向きの注意があります。統計法には調査を装う行為そのものを禁じる規定もありますが、それも基幹統計調査について置かれた規定です。「統計法で偽の調査は禁止されているから安心してください」という説明はしないでください。一般統計調査を装った行為は、統計法ではなく詐欺その他の一般法の問題になります。説明の根拠を1本間違えると、あとで訂正できません。
何に使われているか
直近の結果は令和8年7月17日に公表された令和7年度調査です。対象は令和6年度に住み替え・建て替え・リフォームを行った世帯でした。公表された概要から、性格が分かる数字を引きます。
| 項目 | 令和7年度調査の結果 |
|---|---|
| 住宅購入資金またはリフォーム資金の平均値 | 注文住宅が7,646万円で最も高く、次いで分譲集合住宅が6,443万円 |
| 建築・購入・入居した住宅に満足していないもの | 注文住宅を除く利用関係では「特になし」が最多。注文住宅では「価格(予定より高くなった)」が最多 |
| リフォーム促進税制(所得税)の適用を受けた・受ける予定 | 既存戸建取得世帯14.7%、既存集合住宅取得世帯12.2%、リフォーム実施世帯4.3% |
上の金額を引くときは、2つ落とさないでください。ひとつ、これは平均値であって中央値ではありません。高額側に引っぱられます。ふたつ、注文住宅は全国、分譲住宅は3圏域と、集計の母数になっている地域が違います。同じ表に並んでいても、同じ土俵の数字ではありません。オーナーに見せるなら、この2行を添えてから見せてください。
令和7年度調査からは「満足していないこと」と「リフォーム促進税制(所得税)」が新しく調査項目に入り、「省エネ設備の設置状況」を問う項目も増設されています。調査票は毎年同じではありません。
なお、この令和7年度調査の結果を民間賃貸の側から読んだ回は、別稿で書いています。本稿は結果の話ではなく、これから始まる令和8年度調査の現場で何が起きるかの話です。
5つの類型と、その調べ方
報道発表資料の表を、対象の定義まで含めて書き出します。入居者から「私は対象ですか」と聞かれたときに、ここを見れば答えられます。
| 住宅の種類 | 調査対象 | 対象地域 |
|---|---|---|
| 注文住宅 | 自分自身が居住する目的で建築した住宅に令和7年度に入居した方 | 全国 |
| 既存住宅 | 他の世帯が居住していた住宅を購入し、令和7年度に入居した方 | 全国 |
| 分譲住宅 | 新築の建売住宅または分譲住宅を購入し、令和7年度に入居した方 | 首都圏・中京圏・近畿圏 |
| 民間賃貸住宅 | 賃貸住宅(社宅などを除く)に令和7年度に入居した方 | |
| リフォーム住宅 | 令和7年度に増築、改築、模様替えなどのリフォーム工事を実施した住宅にお住まいの方 |
民間賃貸住宅の定義に「社宅などを除く」と入っています。社宅として法人契約している部屋の居住者は、この類型の対象外です。法人契約の比率が高い物件を管理している会社は、ここを覚えておくと問い合わせが1往復減ります。
自社に来るかどうかは、地域で決まる
留め置き調査の3類型は、対象地域が3圏域に限られます。報道発表資料に書かれている県名をそのまま並べます。
| 圏域 | 都府県 |
|---|---|
| 首都圏 | 埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県 |
| 中京圏 | 岐阜県、愛知県、三重県 |
| 近畿圏 | 京都府、大阪府、兵庫県 |
合計10都府県。ここに管理物件がない会社は、この調査を理由とした訪問を受けません。
注意が2つあります。ひとつ。首都圏に茨城県・栃木県・群馬県・山梨県は入っていません。首都圏という語は文脈によって範囲が変わるので、この調査では4都県だと押さえてください。ふたつ。近畿圏に滋賀県・奈良県・和歌山県は入っていません。
そして、対象地域外の会社にとっても、この情報は無駄になりません。入居者から「国交省の調査だという人が来た」と言われたとき、「その調査はこの地域では実施されていません」と言えるからです。これは強い一次情報です。
対象は「令和7年度に入居した方」
令和7年度、つまり令和7年4月から令和8年3月までに入居した世帯が対象です。去年の繁忙期に決めたお客様、そのままです。
ここに、管理会社にとって落ち着かない構図があります。誰が対象に当たるかを、いちばん正確に知っているのは管理会社です。入居日は契約書にも台帳にもシステムにも入っています。調査員が「この建物で、去年入った方はどの部屋ですか」と聞いてきたとして、答えられるのに答えてはいけない、という位置に立たされます。
現場で鳴る3本の電話
「知らない人がうろうろしている」
調査員は、地点に着いてから該当する住宅を探します。建物の前で立ち止まり、集合ポストを見て、掲示板を見る。防犯意識の高い入居者からは、これは不審者の挙動に見えます。
このとき管理会社が「そういう調査があります」と即答できるかどうかで、話の終わり方が変わります。「確認します」と言って折り返す間に、入居者は警察に電話しているかもしれません。それ自体は間違った行動ではありませんが、通報のあとで「国の統計調査でした」となると、次に本物の不審者が来たときの通報が鈍ります。
「これは詐欺ですか」
調査票を受け取った入居者からの問い合わせです。ここで管理会社が確認できる材料は3つあります。
1つめ。名乗り。報道発表資料の記載は「令和8年度住宅市場動向調査事務局(担当 株式会社サーベイリサーチセンター)」で、所在地は東京都文京区後楽1-1-3 PMO水道橋ビル6階です。事務局は年度ごとに設置されます。名乗りが違えば、そこで疑ってよい根拠になります。
2つめ。事務局のフリーコール。0120-380-271(平日9:00〜17:00)が報道発表資料に明記されています。管理会社が調べた番号ではなく、国土交通省の資料に載っている番号を案内するのが要点です。訪問者が置いていった紙に書かれた番号にかけさせてはいけません。
3つめ。国土交通省の報道発表そのもの。令和8年8月25日付で公開されています。URLを入居者に送れば、それが最も強い確認になります。
「答えないといけませんか」
ここは慎重に答える場面です。前述のとおり、一般統計調査に報告義務の規定は適用されません。しかし管理会社が「答えなくていいですよ」と踏み込むのは、貸主側の立場としてやりすぎです。
事実だけを渡すのが安全です。「国の統計調査です。回答は任意と理解しています。詳しくは事務局のフリーコールで確認できます。」ここまでが管理会社の守備範囲です。答えるべきかどうかの判断は入居者のもので、それを誘導すると、どちらに転んでも責任が残ります。
「戸別訪問によるアンケート調査は行っていません」との食い違い
入居者が「国土交通省 アンケート 訪問」で検索すると、高い確率で別の発表に当たります。令和7年6月19日、国土交通省は「住宅の耐震対策に関する『かたり調査』にご注意! 〜国土交通省では戸別訪問によるアンケート調査は行っていません〜」という注意喚起を出しています。
並べると矛盾して見えます。一方は「戸別訪問によるアンケート調査は行っていません」、もう一方は「調査員がお伺いした際にはご協力をお願いします」。
矛盾ではありません。かたり調査の注意喚起は、住宅の耐震対策に関する調査についての注意喚起です。実際に発表文には「国土交通省では、住宅の耐震対策に関して、一般家庭を対象とした戸別訪問によるアンケート調査は行っていません」と、範囲を限って書かれています。所管も住宅局建築指導課の建築物事故調査・防災対策室で、住宅市場動向調査を所管する住宅戦略官付とは別です。
この説明を、9月に入る前に社内で共有しておいてください。入居者に「国交省のサイトに訪問調査はしないと書いてある」と言われたとき、それは耐震分野に限った話で、統計調査を否定するものではない、と即答できるかどうかです。
そして、かたり調査という手口があること自体は本当です。行政機関の調査であるかのような紛らわしい表示や説明をして、世帯から個人情報を詐取する行為です。統計調査の時期は、この手口が紛れ込みやすい時期でもあります。本物があるから偽物が有効になる、という順序を忘れないでください。
調査員に入居者情報を渡してはいけない
管理会社が持っている入居者の氏名・入居日・部屋番号は個人データです。本人の同意なく第三者に提供することは、個人情報保護法上、原則として認められません。
統計法を根拠に提供を求められることもありません。そもそも一般統計調査には報告義務の規定が適用されず、まして管理会社は調査の対象者ではないからです。調査は入居している世帯主に直接依頼される設計になっています。
断る言い方はひとつで足ります。「入居者の情報はお渡しできません。掲示でお知らせすることはできます。」後半が実務的に効きます。情報を渡さずに協力する方法として、共用部の掲示は使えます。これはオーナーの判断を仰ぐ話ですが、選択肢として持っておくと、断るだけで終わりません。
9月1日までに用意する1枚
電話を受ける人が見る紙を、1枚だけ作ってください。長くしないことがすべてです。入れる項目を挙げます。
| 項目 | 書く内容 |
|---|---|
| 調査名 | 令和8年度住宅市場動向調査(国土交通省) |
| 期間 | 令和8年9月1日から |
| 対象 | 令和7年度に入居した方(社宅などを除く) |
| 地域 | 首都圏・中京圏・近畿圏の10都府県のみ |
| 方法 | 調査員の訪問(留め置き調査) |
| 受託業者 | 株式会社サーベイリサーチセンター |
| 確認先 | 0120-380-271(平日9:00〜17:00) |
| 回答義務 | 一般統計調査。任意と理解している、まで伝える |
| 禁止事項 | 入居者情報は渡さない |
対象地域外の会社は、地域の行だけ書き換えてください。「当社の管理エリアはこの調査の対象地域ではありません」の1行で、問い合わせの大半は終わります。
オーナーに伝えること
オーナーへの連絡は必須ではありません。ただし、伝えておくと得なケースが2つあります。
ひとつ。オーナーが現地に近い場合。自主管理に近い距離で物件を見ているオーナーは、敷地内を歩く人を先に見つけます。知らないと、その場で強い口調になります。
ふたつ。掲示を出す判断が要る場合。共用部の掲示板に貼るかどうかは、最終的にオーナーの判断です。9月に入ってから相談すると、貼る頃には調査員が来終わっています。
伝え方は短くて構いません。「9月から国の住宅統計の調査員が回ることがあります。入居者情報は出しません。掲示は出しますか」——これだけです。制度の説明を長くすると、オーナーは何か負担が発生すると受け取ります。負担はありません。
調査結果のほうは、営業資料として使える
ここまで身構える話をしてきましたが、この調査の出口は、賃貸管理会社にとって使える資料です。
国土交通省は結果公表時に、住宅種類ごとの経年変化比較表をExcel形式で公開しています。民間賃貸住宅の分もあります。入居世帯の属性や住み替えの理由が年ごとに並んだ表が、加工できる形で手に入ります。
使いどころは、オーナーへの提案です。「近隣の感触では」ではなく「国の調査ではこの5年こう動いています」と言えると、家賃改定や設備投資の話の温度が変わります。とくに「満足していないもの」の項目は令和7年度から入ったばかりで、まだ引用している同業者が少ないデータです(この項目の読み方は別稿にまとめました)。
そして今回の令和8年度調査に協力した入居者の回答は、来年公表される表に入ります。調査員を追い返した数だけ、来年の賃貸のデータが薄くなります。強制はできませんが、これは知っておいていい構図です。
数字の一覧
| 項目 | 数値・内容 |
|---|---|
| 報道発表日 | 令和8年8月25日 |
| 調査開始 | 令和8年9月1日 |
| 調査の開始年度 | 平成13年度(毎年度実施) |
| 住宅の種類 | 5種類(注文・分譲・既存・民間賃貸・リフォーム) |
| 郵送調査の類型 | 2つ(注文住宅・既存住宅/全国) |
| 留め置き調査の類型 | 3つ(分譲・民間賃貸・リフォーム/3圏域) |
| 対象地域(留め置き) | 10都府県 |
| 民間賃貸の対象 | 賃貸住宅(社宅などを除く)に令和7年度に入居した方 |
| 受託業者 | 株式会社サーベイリサーチセンター |
| 事務局フリーコール | 0120-380-271(平日9:00〜17:00) |
| 統計法上の区分 | 一般統計調査(総務大臣の承認) |
| 直近結果の公表 | 令和8年7月17日(令和7年度調査) |
いまやること
1. 管理エリアが10都府県に掛かるか判定する。掛からなければ、ここから先はほぼ不要です。1行の案内文だけ作って終わりにしてください。
2. 掛かるなら、電話対応の1枚を作る。前掲の9項目です。受付に置く紙で、社内サーバの奥ではありません。
3. 「入居者情報は渡さない」を明文で共有する。これだけは口頭に頼らないでください。親切心で答えてしまう事故は、悪意ではなく善意から起きます。
4. かたり調査との違いを社内に流す。耐震分野の注意喚起は範囲を限ったものだ、という1行です。
5. 令和7年度調査の民間賃貸の比較表を落としておく。身構える話が終わったら、使う話に移ってください。この調査でいちばん価値があるのは、来年出てくる表のほうです。
よくある質問
Q. 管理会社に事前の連絡は来ますか。
A. 報道発表資料に、管理会社やオーナーへの事前連絡についての記載はありません。調査は住宅にお住まいの方に対して行われる設計です。本稿は「連絡が来ない」と断定するのではなく、公表資料には書かれていない、と申し添えます。
Q. オートロックの物件はどうなるのですか。
A. 公表資料には書かれていません。留め置き調査の定義は「調査地点を抽出し、調査員が該当する住宅を探し出し世帯主へ依頼する」までで、建物の形態別の運用は示されていません。実務上どう扱われるかは、事務局のフリーコールで確認するのが確実です。
Q. 入居者が回答すると、家賃や契約内容が管理会社に知られますか。
A. 報道発表資料には「お預かりした調査票は適切に管理し、本調査の目的以外に利用することはありません」と明記されています。統計調査に関わる者の守秘義務は統計法に規定があります。調査票の中身が管理会社に渡ることはありません。
Q. 社宅は本当に対象外ですか。
A. 報道発表資料の民間賃貸住宅の欄は「賃貸住宅(社宅などを除く)に令和7年度に入居した方」です。「など」が付いているので、社宅以外にも除かれる形態がある可能性があります。境界に当たる契約形態は、事務局に確認してください。
Q. 去年も同じ調査がありましたか。
A. 平成13年度から毎年度実施されています。令和7年度の調査は令和6年度に住み替え等を行った世帯が対象で、その結果が令和8年7月17日に公表されました。毎年動いている調査です。
出典
| 記述 | 出典 |
|---|---|
| 令和8年度調査の実施開始日、調査の目的、5類型の調査対象・対象地域・調査方法、郵送調査と留め置き調査の抽出方法、対象10都府県、受託業者名と所在地、フリーコール、目的外利用をしない旨、所管と連絡先 | 国土交通省「『住宅市場動向調査』にご協力をお願いします! 〜個人の住宅取得等の実態についての調査を実施します〜」(令和8年8月25日) |
| 統計法に基づき総務大臣の承認を受けた一般統計調査であること、平成13年度から毎年度実施、令和7年度調査の対象者と調査項目、住宅購入資金等の平均値、満足していないもの、リフォーム促進税制の適用割合、省エネ設備の項目増設、経年変化比較表の公開 | 国土交通省「『リフォーム促進税制』などについて新たに調査しました! 〜令和7年度住宅市場動向調査の結果をとりまとめ〜」(令和8年7月17日) |
| かたり調査の注意喚起、「住宅の耐震対策に関して」一般家庭を対象とした戸別訪問によるアンケート調査は行っていないこと、かたり調査の定義、所管室 | 国土交通省「住宅の耐震対策に関する『かたり調査』にご注意! 〜国土交通省では戸別訪問によるアンケート調査は行っていません〜」(令和7年6月19日) |
| 報道発表資料本体(5類型の表と注記の原文) | 国土交通省「住宅市場動向調査にご協力をお願いします!」報道発表資料(PDF) |
| 統計法における基幹統計調査と一般統計調査の区別(報告義務の規定は基幹統計調査に適用されること) | 総務省「統計法について」 |
書かなかったこと
調査票の設問は書いていません。賃貸住宅アンケート調査票はPDFで公開されていますが、本稿が確認したファイルからは機械可読なテキストを取り出せず、設問を1問も読めていません。「こういうことを聞かれます」と書くには、実物を読む必要があります。推測で書けば、そのまま入居者への誤った説明になります。設問を知りたい場合は、報道発表ページから賃貸住宅アンケート調査票のPDFを直接開いてください。
抽出の詳細も書いていません。調査地点をどう選ぶのか、1地点あたり何世帯を目標にするのか。報道発表資料には抽出方法の詳細ページへのリンクがありますが、本稿はそのページを開けていません。調査員が何軒回るのかを知りたい場合は、そちらに当たってください。
回答の手段も、報道発表資料に書かれている範囲だけにしました。本稿の表で「郵送調査」と書いた2類型について、オンラインで回答できるのかどうかは、報道発表資料からは読み取れません。調査の概要ページには回答方法がより詳しく載っている可能性がありますが、前項と同じ理由で本稿は確認できていません。入居者に「郵送しかありません」と言い切らないでください。
前年度との設計の違いも書いていません。類型ごとの調査方法や対象地域は、年度によって変わることがあります。本稿が示した表は令和8年度のものです。過去の記事や去年の社内メモを見て「既存住宅も訪問だったはず」といった記憶で答えないでください。毎年、その年度の報道発表資料の表を見るのが正しい手順です。
個人情報保護法の条文番号は挙げていません。第三者提供の制限が原則であることは実務上動かない一方、例外規定の当てはめは事案によります。「渡さない」という結論だけを本稿の主張とし、条文の当てはめは書きませんでした。
統計法の条番号も、本稿では最小限にしました。報告義務が基幹統計調査に置かれていることは総務省の説明にあるとおりですが、一般統計調査に対する各条の適用関係を網羅的に整理したものではありません。入居者への説明では「一般統計調査で、回答は任意と理解しています」までにとどめ、条文を引かないのが安全です。
最後に、この調査でいちばん見過ごされている点を書いておきます。国は、賃貸に住んでいる人のことを、人を歩かせないと調べられません。持ち家は着工統計と登記から辿れるのに、賃貸だけは辿る線がない。賃貸の入居者に関するデータが政策の場で薄くなりがちなのは、たぶんこの構造と無関係ではありません。9月に来る調査員は、その線を1本ずつ手で引きに来る人です。
本稿は国土交通省および総務省の公表資料にもとづく一般的な整理であり、個別の訪問者の正当性を判断するものではありません。不審に感じた場合は、報道発表資料に記載された事務局または警察にご相談ください。賃貸管理と売買仲介の実務はウルスタのコラムで書いています。
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