理事長のいないマンションを、これから当たり前のように取り扱うことになります。区分所有者の高齢化と担い手不足が進むなかで、管理会社そのものが管理者を務める方式が静かに広がってきました。管理業者管理者方式、現場では第三者管理と呼ばれることが多い形です。総会は開かれますが理事会はなく、日々の判断は管理者である管理会社が行います。住民の負担は軽くなり、決めごとは速く進みます。その一方で、工事を発注する側と受注する側が同じ会社になるという、避けようのない構造が残ります。2026年4月1日から、取引の対象になる区分所有建物がこの方式を導入しているかどうかが、重要事項説明の対象に加わりました。調べる、聞く、伝える。この三つの動作が、仲介の現場に新しく積み上がったことになります。本記事では、ウルスタ代表として中小の不動産会社の実務に関わる立場から、何がどう変わったのか、そして日々の調査と説明をどう組み替えるのかを整理します。
なぜいま、第三者管理のマンションで説明の義務が変わったのか
順を追って整理します。出発点は法律の改正です。令和7年、つまり2025年の5月23日に、老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化等を図るための建物の区分所有等に関する法律等の一部を改正する法律が成立しました。名前が長いので現場では区分所有法の改正と一括りにされがちですが、この法律はマンションの管理の適正化の推進に関する法律、いわゆるマンション管理適正化法の改正も含んでいます。そのなかで手当てされたテーマのひとつが、管理業者等を管理者等として選任する方式、すなわち管理業者管理者方式でした。
国土交通省の整理は冷静です。この方式は、適切な管理者のいない管理不全のマンションが生まれることを防ぐ一定の効果があり、社会的なニーズも認められる。否定はしていません。そのうえで、マンション管理業者が管理組合の管理者を兼ね、同時に工事などの受発注者にもなるため、利益相反の懸念があるという点を挙げ、必要な措置を講じるとしています。禁止ではなく、透明にして監督できるようにするという方向です。
そしてこの法改正に歩調を合わせる形で、宅地建物取引業法施行規則が改正されました。令和7年国土交通省令第117号として令和7年12月1日に公布され、施行は令和8年、すなわち2026年4月1日です。改正の中身は明快で、取引の対象となる区分所有建物が管理業者管理者方式を導入しているか否かを、重要事項説明に追加するというものです。あわせて宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方も整備され、重要事項説明書の様式例に記載欄が設けられました。こちらも2026年4月1日からの適用です。
施行からおよそ四か月が経ちました。書式の差し替えは終わっていても、実際に第三者管理の物件を扱ってはじめて、調査と照会の段取りが整っていないことに気づく。この夏、私のまわりで起きているのはそういうつまずきです。問題は、増えた項目を埋めるために誰に何をいつ聞くか、が決まっていないことのほうにあります。
【要点】2026年4月1日から重要事項説明で変わったこと
細かい話に入る前に、変更点と実務上の意味を一枚にまとめます。社内共有の資料をつくるなら、この粒度から始めるのが早いはずです。
| 項目 | 内容と実務上の意味 |
|---|---|
| 根拠となる省令 | 宅地建物取引業法施行規則の一部改正。令和7年国土交通省令第117号として令和7年12月1日公布 |
| 施行日 | 令和8年、すなわち2026年4月1日。同日以降に行う重要事項説明が対象 |
| 追加された説明事項 | 取引対象の区分所有建物が管理業者管理者方式を導入しているか否か |
| 様式面の対応 | 宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方が整備され、重要事項説明書の様式例が改訂された。記載欄が新設されている |
| 背景にある法改正 | 令和7年5月23日成立の改正法によるマンション管理適正化法の改正。管理業者管理者方式への規律強化 |
| 実務で増える動作 | 方式の有無を調べる、管理会社に照会する、買主に説明して記録に残す、の三つ |
管理業者管理者方式とは何か——理事会のない管理組合
言葉の整理から始めます。通常のマンションでは、区分所有者のなかから理事が選ばれ、理事会が組織され、理事長が管理者になります。管理会社は管理委託契約に基づいて業務を受託する立場で、発注するのは管理組合、受注するのは管理会社という関係がはっきり分かれています。
これに対して管理業者管理者方式では、マンション管理業者そのものが管理者に選任されます。理事会は置かれないことが多く、総会は残りますが、日常の意思決定と執行は管理者である管理会社が担います。区分所有者にとっては、理事の順番が回ってくる負担がなくなり、専門家が継続して判断するという安心もあります。高齢化が進んだマンションや、投資用の区分所有が多く実際に住んでいる人が少ないマンションでは、理事のなり手が本当にいないという現実があり、この方式はそこへの実務的な答えになってきました。
より広い言い方をすると、区分所有者以外の第三者が管理者になる形は外部管理者方式と呼ばれます。マンション管理士など、管理会社とは別の専門家が管理者になる形もこれに含まれます。今回の重要事項説明への追加が正面から捉えているのは、そのなかでも管理会社自身が管理者になる形です。外部管理者方式という大きな枠のなかに管理業者管理者方式がある、という関係で覚えておくと整理しやすくなります。
なぜ規律が強化されたのか——構造としての利益相反
ここは誤解を招きやすい部分なので、丁寧に書きます。利益相反があるというのは、その管理会社が不正をしているという意味ではありません。発注する立場と受注する立場が同じ主体に重なっている、という構造そのものを指す言葉です。真面目に仕事をしている会社であっても構造は残りますし、だからこそ透明性を確保する仕組みが求められる、という筋道になります。
どこで表面化するかというと、いちばん分かりやすいのは大規模修繕工事です。管理者として工事の必要性を判断し、施工会社を選び、金額を決める。その相手が自社やグループ会社であれば、区分所有者から見て金額の妥当性を検証する手がかりが乏しくなります。日常の管理業務でも、清掃や設備点検の委託先が関係会社であれば同じ話になります。
国土交通省は、マンションにおける外部管理者方式等に関するガイドラインを平成29年6月に策定し、令和6年6月に改訂しています。そこでは、管理者の権限の範囲、日常管理での利益相反取引における情報開示のあり方、大規模修繕工事の進め方と情報開示、そして監事の設置と監査のあり方などが整理されています。今回の法改正では、管理業者が利益相反のおそれのある取引をする場合に重要な事実を管理組合へ開示することが定められ、開示すべき内容として、取引相手との関係、取引の内容、金額とその内訳や算出の根拠、取引をする理由といった項目が示されています。
仲介の立場から見て大事なのは、この構造は買主にとって価値判断の材料になる、ということです。良い悪いの結論を先に出すのではなく、こういう仕組みで運営されていて、こういう開示のルールがあります、と事実として渡す。判断するのは買主です。重要事項説明に加わったことの意味は、まさにそこにあります。
調査の実務——どこを見れば方式の有無が分かるか
では実際に、目の前の区分所有建物が管理業者管理者方式かどうかを、どうやって確かめるか。結論から言えば、管理会社への書面照会が本筋で、それ以外は当たりをつけるための手がかりです。順に見ていきます。
| 確認先 | 見るところと、分かることの限界 |
|---|---|
| 管理規約 | 管理者の選任に関する条項。第三者を管理者に選任できる旨の定めがあれば可能性は高い。ただし定めがあることと実際に選任されていることは別なので、これだけでは確定しない |
| 総会議事録 | 管理者の選任決議。直近だけでなく、方式を切り替えた回の議事録まで遡れると経緯が分かる。売主が保管していない場合は管理会社に依頼する |
| 管理に関する調査回答書 | 管理会社が発行する書面。設問に管理者の氏名や名称の欄があるため、そこが管理会社名になっていれば強い手がかりになる |
| 管理委託契約書 | 契約の当事者の書き方。管理者と受託者が同じ会社になっている場合がある |
| 売主への聞き取り | 理事の順番が回ってきたことがあるか、総会の案内が誰の名前で届くか。理事会がないという答えが返ってくれば方式を疑う入口になる |
| 管理会社への照会 | 最終的にここで確定させる。方式の採否、管理者の名称、業務の範囲、利益相反に関する規約や規程の定めを書面で確認する |
実務でよく効くのは、売主への最初の聞き取りに理事会の有無を一問だけ足しておくことです。理事をやったことがありますか、という問いなら誰でも即答できます。ないという答えなら、その時点で照会の準備に入れます。
管理会社への照会の型——聞き方で返ってくる情報が変わる
照会状の文面は、返答の質をそのまま左右します。第三者管理ですか、という漠然とした問いは避けます。呼び名の理解が会社ごとに違うため、答えが揃いません。項目を分けて、事実として答えられる形にするのが要点です。
私が実務で使っている設問の骨格は、おおむね次のようなものです。第一に、当該マンションにおいて区分所有者以外の者が管理者に選任されているか。第二に、選任されている場合、その管理者の氏名または名称、およびマンション管理業者である場合は登録番号。第三に、管理者が行う業務の範囲。第四に、管理規約または規程において、管理者と管理組合との間の利益相反取引に関する定めがあるか、ある場合はその内容。第五に、監事が置かれているか。第六に、直近の総会において管理者の選任または再任の決議が行われた年月日。
加えて、回答の期限と、書面での回答を求める旨を明記します。電話で聞いた内容をこちらのメモだけで重要事項説明書に落とすのは、後から根拠が残らないという意味で危うい運用です。回答が届かない、あるいは空欄で返ってきたときは、催促の記録も含めて時系列で残しておきます。説明できなかった事情そのものが、後日の説明責任を支える材料になります。
買主への説明の型——不安をあおらず、判断材料として渡す
説明の順序が結果を決めます。私が薦めるのは、仕組みの説明、開示のルール、確認できた事実、確認できなかった事実、の順です。いきなり利益相反という言葉から始めると、買主は不正の話だと受け取ります。そうではないという説明を後から重ねても、印象は戻りません。
実際の言い回しに落とすなら、このマンションでは理事会を置かず、管理会社が管理者を務める方式を採っています、という事実から入ります。次に、この方式には区分所有者の負担が軽く判断が速いという利点があり、一方で発注と受注が同じ会社になるため、法令上、利益相反のおそれのある取引について管理組合への開示が求められています、と両面を並べます。そのうえで、確認できた事実を具体的に挙げます。最後に、確認できなかった点があればそれも隠さず伝えます。
もうひとつ、購入後の関わり方を一言添えておくと、買主の受け止めがはっきり変わります。総会の案内と議事録には必ず目を通すこと、大規模修繕の議案が出たときは金額の内訳と見積りの取得方法を確認すること。この二つだけでも、区分所有者としてできることは十分にあります。買った後に何を見ればよいかまで渡すのが、説明の仕上げです。
賃貸の媒介と管理でも見ておきたい点
今回の追加は区分所有建物の取引に関するものですが、賃貸の実務にも無関係ではありません。区分所有マンションの一室を賃貸で媒介する場合、管理組合の運営方式は入居後の生活ルールに影響します。ペットや楽器、駐輪場の使い方、リフォームの承認、宅配ボックスの新設。こうした細かい決定が誰の判断で進むのかは、方式によって変わります。
賃貸管理を受託している場合はもう一歩具体的です。共用部分の不具合を伝える先、専有部分の工事の承認を得る相手、緊急時の連絡ルート。理事長が窓口だった時期と、管理会社が管理者になってからでは、連絡先も判断の速さも変わります。オーナーが方式の変更を知らないまま、こちらだけが把握しているという状態も起こりえます。総会の案内はオーナー宛に届くため、内容が共有されないと管理側が最後に知ることになるからです。年に一度、総会資料の写しをもらう運用にしておくと、この抜けは防げます。
場面別の対応と、つまずきやすい落とし穴
| 場面 | 対応の型 |
|---|---|
| 売却の相談を受けた区分所有マンション | 媒介契約の段階で理事会の有無を聞き取る。方式が疑われるなら、その日のうちに管理会社へ照会を出す。調査回答書の取得と同時に走らせる |
| 調査回答書の管理者欄が空欄で返ってきた | 空欄を確定情報として扱わない。個別の照会で書面の回答を求め、催促の記録を残す。期限までに得られない場合は、その事実を説明のうえ書面に残す |
| 方式を切り替えた直後のマンション | 切替を決議した総会の議事録を確認する。委託内容や費用の変更が同時に決まっていることがあるため、管理費と修繕積立金の額も新旧で突き合わせる |
| 大規模修繕を控えている | 議案の有無と時期を確認する。管理者と施工予定者の関係、見積りの取得方法について開示があるかを照会に含める |
| 賃貸中の区分所有物件を売買で扱う | 賃貸借契約の内容に加えて、管理組合側の運営方式も確認する。買主が引き継ぐのは賃貸人の地位だけでなく、区分所有者としての立場でもある |
| 買主が方式そのものを不安がっている | 助言に踏み込みすぎない。制度の仕組みと開示のルール、確認できた事実を渡し、判断は買主に委ねる。やりとりは記録に残す |
落とし穴も挙げておきます。最も多いのが、前回同じマンションを扱ったときの調査結果を、そのまま使い回してしまうケースです。方式は総会の決議で変わります。半年前は理事会があったマンションが、いまは管理業者管理者方式になっていることもありえます。物件ごとではなく取引ごとに確認する、という原則を崩さないことです。
もうひとつは、方式の有無だけを埋めて満足してしまうことです。導入している、と書いただけでは、買主が判断するための材料にはなりません。管理者が誰で、どこまでの業務を担い、利益相反についてどういう定めがあるのか。そこまで届いてはじめて、説明として機能します。
同じ省令で変わったもう一つの点——標識の大きさ
これは今回の主題とは別の話ですが、同じ省令に入っているため、あわせて押さえておくと二度手間になりません。宅地建物取引業者票などの標識について、大きさが縦25センチメートル以上、横35センチメートル以上とされました。従来の規定ではA3サイズの用紙を複数枚印刷して貼り合わせるといった手間が生じており、それを踏まえた見直しです。施行は令和7年12月1日です。
実務上の要点を一つだけ。今回の改正で規定サイズは小さくなりましたが、従前の業者票は新しい規定のサイズを上回っているため、差し替える必要はありません。作り直さなければならないのかという問い合わせを何度か受けましたが、掲げているものがそのまま使えます。新たに事務所を開設するときに新しい規定で作ればよい、という理解で足ります。
制度の理解で慎重に扱う点
この分野は、言葉の似た制度が並走しているうえ、条文の位置づけも複数にまたがります。断定を避けるべき点を明示しておきます。
第一に、条項の番号や様式例の細部は、必ず国土交通省の施行通知と新旧対照表の原文で確認してください。解説記事によって引用される条番号が異なることがあります。社内の書式を改訂するときや、記載欄の文言を決めるときは、二次情報ではなく原文を根拠にするべき場面です。
第二に、管理業者管理者方式そのものは適法な管理の形であり、否定されているわけではありません。国土交通省も、管理不全のマンションが生まれることを防ぐ効果と社会的なニーズを認めたうえで、透明性を確保するための措置を講じるという立場です。説明の場で、この方式だから危ないという趣旨に受け取られる言い方をしないよう気をつけてください。
第三に、管理組合の運営や規約の解釈について、仲介の立場から断定的な助言をしないことです。管理者の選任の効力、利益相反取引の妥当性、決議の有効性といった論点は法律上の判断を含みます。事実の提示と、必要に応じた専門家への相談の案内までにとどめ、判断そのものは当事者に委ねる。境界線をどこに置いたかを記録に残しておくことも含めて、実務の作法です。
第四に、区分所有法の改正と、今回の重要事項説明の追加を混同しないことです。同じ改正法から派生してはいますが、決議要件の緩和などは別の話題です。社内説明では、法律の改正、マンション管理適正化法の改正、宅建業法施行規則の改正、という三層で整理すると混乱しません。
よくある質問
2026年4月1日より前に締結した媒介契約でも、追加された項目の説明が必要ですか。
基準になるのは重要事項説明を行う時点です。施行日以後に行う説明であれば、追加された項目が対象になります。媒介契約の時期を基準に判断しないよう注意してください。個別の適用関係で迷う場合は、免許行政庁や所属団体に確認するのが確実です。
管理会社から回答が得られない場合、どうすればよいですか。
照会の記録と催促の記録を時系列で残したうえで、確認できなかった事実とその経緯を説明してください。回答がないことを理由に説明を省略するのではなく、状況を伝えて相手方の判断材料にしてもらう、という整理になります。日程に余裕を持たせることが最大の予防策です。
賃貸の媒介でも説明が必要ですか。
今回の追加は区分所有建物の取引に関するもので、貸借の場合にどこまで及ぶかは、施行規則の該当規定と様式例の記載に沿って確認する必要があります。原文と所属団体の案内で範囲を確かめてください。制度上の要否とは別に、入居後の生活ルールの決まり方に関わるため、把握しておく実務上の意味はあります。
マンション管理士が管理者になっている場合も同じですか。
区分所有者以外の第三者が管理者になる形という点では外部管理者方式に含まれますが、今回の追加が正面から捉えているのはマンション管理業者等が管理者になる方式です。管理者が誰であるかを事実として確認し、記載の要否は原文に沿って判断してください。
利益相反の定めがない場合、それだけで問題があると言えますか。
定めの有無は事実として伝えるべき情報ですが、それをもって管理に問題があると断定することはできません。ガイドラインは監事の設置や情報開示のあり方を含めて整理しており、運用の実態は個別に異なります。事実を渡し、評価は相手方に委ねる姿勢が適切です。
今週からやることリスト
最後に、今日から着手できる形に落とします。順番どおりに進めれば、一週間で体制が整います。
| 順序 | やること |
|---|---|
| 1 | 国土交通省の施行通知と新旧対照表、および所属団体の案内を印刷し、社内の共有フォルダに保存する。参照すべき原文の場所を全員が知っている状態にする |
| 2 | 使用中の重要事項説明書の書式が改訂後の様式例に対応しているか確認する。所属団体の書式を使っている場合は改訂版への差し替えを確認する |
| 3 | 管理会社への照会状に、管理者の選任状況、管理者の名称と登録番号、業務の範囲、利益相反に関する定め、監事の設置、選任決議の年月日の欄を追加する |
| 4 | 売主への初回聞き取りシートに、理事会の有無を問う一問を追加する。調査の入口で当たりをつけられるようにする |
| 5 | 買主への説明の順序を一枚にまとめ、担当者間で読み合わせる。仕組み、開示のルール、確認できた事実、確認できなかった事実の順を共有する |
| 6 | 進行中の区分所有建物の案件を洗い出し、方式の確認が済んでいないものに照会を出す。決済日から逆算して期限を決める |
| 7 | 賃貸管理を受託している区分所有物件について、総会資料の写しを年一回もらう運用を決める。オーナーへの案内文を用意する |
制度が変わるとき、現場でいちばん危ないのは、変更を知っていることと、対応できることを同じだと思ってしまうことです。項目が増えたと知っているだけでは、照会の返答は届きません。誰が、いつ、どの書面で聞くのか。そこまで決めて、はじめて仕組みになります。理事会のないマンションはこれからも増えていきます。増えていく前提で、調査と説明の道筋を先に敷いておく。この夏のうちに手を付けておけば、秋の繁忙に入ってから慌てずに済みます。
- 令和7年5月23日に成立した、老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化等を図るための建物の区分所有等に関する法律等の一部を改正する法律。これによりマンションの管理の適正化の推進に関する法律が改正され、管理業者等を管理者等として選任する方式についての規律が手当てされたこと
- 宅地建物取引業法施行規則の一部改正。令和7年国土交通省令第117号として令和7年12月1日に公布され、令和8年、すなわち2026年4月1日に施行されたこと。取引対象の区分所有建物が管理業者管理者方式を導入しているか否かが重要事項説明に追加されたこと
- 宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方の一部改正。重要事項説明書の様式例が改訂され、記載欄が設けられたこと。施行は令和8年4月1日
- 同省令における標識の大きさの改正。宅地建物取引業者票等の大きさを縦25センチメートル以上、横35センチメートル以上とし、令和7年12月1日から施行されたこと。従前の業者票は新規定サイズを上回るため差し替えは不要であること
- 国土交通省のマンションにおける外部管理者方式等に関するガイドライン。平成29年6月策定、令和6年6月改訂。管理者の権限の範囲、利益相反取引における情報開示、大規模修繕工事の進め方、監事の設置と監査のあり方などが整理されていること
- 条項の番号、様式例の細部、貸借の場合の適用範囲については、国土交通省の施行通知および新旧対照表の原文で確認すること。いずれも2026年7月時点の公開情報および自社の不動産実務をもとに整理したものであり、個別の取引における取扱いは事案により異なる

