ローン提案 読了 7分

住宅ローンの変動金利が上がったら|見直しと借換え

変動金利上昇時に確認する契約条件、5年・125%ルール、固定切替・借換えの比較を整理。残高3,000万円の架空試算と相談用メモ付き。

馬場生悦
宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士
住宅ローンの変動金利が上がったら|見直しと借換え
目次

変動金利が上がったときは、まず自分の契約の適用金利・次の返済額見直し日・残高を確認します。そのうえで、変動を続ける、固定へ切り替える、他の金融機関へ借り換える案を、諸費用と家計の余裕を含めて比べます。

対象は自宅購入の住宅ローンを返済中の方と、その相談を受ける不動産会社です。投資用物件の融資条件は不動産投資ローンの比較記事で別に整理しています。

訂正履歴(2026年9月9日):旧稿の「2026年4月に変動金利が初めて1%超」という一律の説明、出典を示せない金融機関別の平均金利・利上げ経路・将来予測、確認記録のない47件の相談実績や成功事例を撤回しました。本記事の数値は、前提を明記した架空の試算だけを使います。

最初に契約の金利と返済予定表を確認する

ニュースの政策金利と、自分に適用される住宅ローン金利は同じものではありません。借入先の通知・契約書・返済予定表から、次の項目を書き出します。最新の金利を比較するときは、商品名、適用月、優遇条件、融資率、団信等の条件もそろえてください。

  • 現在の適用金利、基準金利と優遇幅。
  • 金利の見直し日と、返済額が変わる日。
  • 残高・残りの返済期間・毎月とボーナス月の返済額。
  • 元利均等・元金均等の別、返済額見直しルール。
  • 固定への切替条件、繰上返済や完済にかかる費用。

5年ルール・125%ルールは契約ごとに確認する

三井住友銀行は、同行の変動金利型・元利均等返済について、返済額を一定期間据え置き、見直し時の増加を抑えるルールを説明しています。一方、元金均等返済には同じルールがありません。すべての金融機関・商品に共通するものとして扱わず、自分の契約に適用されるか確認します。三井住友銀行:返済プランの見直し方法。

返済額がすぐに増えなくても、利息と元金の内訳が変わることがあります。返済額の上限は金利や総支払利息の上限ではないため、残高と完済時の扱いも借入先に確認してください。

変動継続・固定切替・借換えを比べる

返済方法を見直すときの比較軸
選択肢判断するための確認点
変動金利を続ける金利が上がった場合の支払額と、生活費・教育費・修繕費等を払った後の余裕。
同じ銀行で固定へ切り替える切替後の金利、固定期間、手数料、固定期間終了後の条件。
他行へ借り換える新しい金利だけでなく、事務手数料・登記・保証料・完済費用、団信の条件や審査。
繰上返済する期間短縮・返済額軽減の違い、手数料と手元資金の残り。税務上の扱いが変わる場合は確認。

同じ残高・期間で比較する

借換えで返済期間を延ばすと、月額が下がっても総支払額が増える場合があります。まず同じ残高・残存期間で比べ、期間を変える案は別に示します。団信の保障範囲が違う商品も、金利だけで同等とは扱いません。

「固定なら必ず得」とは決めない

固定金利は返済の見通しを立てる選択肢ですが、将来の変動金利が確定しているわけではありません。金利予測だけで一つに決めず、支払額が増えた場合に家計が続けられるかを確かめます。

残高3,000万円・残り30年の計算例

以下は架空の比較用試算です。残高3,000万円、残期間360か月、元利均等・毎月払い、ボーナス返済なし。各金利が残期間中ずっと続くと仮定し、5年ルール等の返済額据置、手数料、団信上乗せ、税控除は含めません。実際の引落額や将来金利の予測ではありません。

一定金利を仮定した毎月返済額(1円単位に四捨五入)
仮定の年利毎月返済額
1.0%96,492円
1.5%103,536円
2.0%110,886円

計算式は「毎月返済額=残高×月利÷(1−(1+月利)の−残回数乗)」です。月利は年利÷12。実際の返済予定表では端数処理等で差が出るため、契約の数字で借入先に再計算を依頼してください。

家計と諸費用を含めて判断する

返済比率だけで一律の切替基準を決めません。収入が減った場合、教育費や修繕費が重なる時期、予備資金を残せるかを確かめます。借換えの諸費用を現金で払う案と借入れに含める案も分けて比べます。

費用の回収年数は概算と位置づける

たとえば、借換費用60万円に対して毎月の負担が5,000円下がるという架空の条件なら、単純な回収期間は120か月です。ただし、金利・残高・保障内容等の差を含まない概算なので、最終判断には返済予定表と諸費用見積もりを使います。

借入先への相談に持っていくもの

  1. 現在の返済予定表、金利変更の通知、残高が分かる資料。
  2. 収入・支出と今後の大きな支出予定。
  3. 固定切替や借換えで確認したい条件。
  4. 諸費用と団信を含めた比較表。
  5. 返済が厳しくなる時期と、希望する相談内容。

住宅ローン比較メモを保存する(テキスト)。新しい候補の探し方は住宅ローン12社の比較を参照できます。

相談した条件と回答日を残す

口頭の概算と正式な審査結果を分け、適用金利の確定時点・費用・必要書類・回答日を記録します。返済が難しくなる見込みがある場合は、延滞前に現在の借入先へ相談します。

よくある質問

Q. 金利が上がると翌月の返済額も必ず増えますか?

契約の返済額見直し方法によります。金利と返済額の変更日が異なる場合があるため、借入先の通知と返済予定表を確認してください。

Q. 125%ルールなら支払利息も25%までしか増えませんか?

その意味ではありません。適用される契約で返済額の見直し幅を抑える仕組みであり、金利や総利息の上限を示すものではありません。

Q. 借換えは金利が何%下がれば有利ですか?

一律には決められません。残高・残期間・諸費用・保障内容をそろえて、月額と総負担を比較します。

Q. 住宅ローンの条件を投資用物件にも使えますか?

資金使途を混同しないでください。賃貸に出す物件の融資は、その用途に対応する商品・条件を確認します。

出典

公式資料の確認日:2026年9月9日。

試算は編集部が上記の仮定で計算しました。ウルスタ株式会社は不動産業務システムの提供会社であり、本記事で特定の金融機関への借換えや審査通過を保証するものではありません。

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