「実家を兄弟で相続したのですが、名義が三人の共有になっていて、売るに売れません」——相続をきっかけに不動産が複数人の共有になり、話がまとまらないまま塩漬けになる。中小不動産会社の現場で、こうした相談は年々増えています。共有不動産は、持分を持つ全員の足並みがそろわないと売却も大規模な活用も進まず、世代をまたいで共有者が増えるほど身動きが取れなくなります。2026年は、相続登記の義務化が定着し、所有者不明土地の解消に向けた一連の法改正が実務に根を下ろしたことで、共有不動産をどう整理し、売買や活用につなげるかが、これまで以上に重要なテーマになっています。本記事は、ウルスタ代表として宅地建物取引業を営む立場から、2023年に施行された改正民法の共有ルールを踏まえ、共有不動産・共有持分の解消の実務を、宅地建物取引士の目線で整理します。
共有不動産とは — なぜトラブルになりやすいのか
共有不動産とは、一つの不動産を複数の人が持分という割合で所有している状態をいいます。たとえば実家を兄弟三人が三分の一ずつ相続した場合、その土地建物は三人の共有になります。共有が生まれる典型は相続ですが、夫婦で資金を出し合って住宅を購入したケースや、共同で投資物件を買ったケースなど、さまざまな場面で発生します。問題は、共有不動産は持分を持つ人それぞれの意向がそろわないと、思うように処分や活用ができないという点にあります。
共有がやっかいなのは、時間が経つほど関係者が増え、合意形成が難しくなることです。共有者の一人が亡くなれば、その持分はさらにその相続人へと引き継がれ、いとこ同士、面識のない親族同士の共有へと枝分かれしていきます。最初は兄弟三人だった共有が、二世代を経て十数人の共有になり、誰がどこに住んでいるかも分からない——こうした状態は、所有者不明土地の温床にもなってきました。だからこそ、共有はできるだけ早い段階で、関係者が少なく連絡も取れるうちに整理しておくことが望ましいのです。中小不動産会社が相続絡みの相談を受けたとき、この「早く動くほど解きやすい」という共有の性質を伝えられるかどうかが、最初の分かれ道になります。
共有不動産とは、一つの不動産を複数人が持分の割合で所有している状態です。売却や大規模な活用には共有者の協力が必要で、共有者が増えるほど合意が難しくなります。2023年4月に施行された改正民法(令和3年改正)は、共有物の使用・管理ルールを明確にし、所在等の分からない共有者がいても手続きを前に進められる制度を新設し、裁判による共有物分割の方法を整理しました。これにより、これまで「塩漬け」になりがちだった共有不動産を整理する道筋が広がっています。ただし、具体的な手続きの可否や進め方は事案ごとに異なり、裁判所の関与や登記、税務が絡む専門領域です。本記事は実務の全体像を整理するものであり、個別事案の法的判断を示すものではありません。
改正民法が整えた共有の三つのルール
2023年4月に施行された改正民法は、共有に関するルールを実務で使いやすいように整理しました。なかでも押さえておきたいのが、共有物に対してできる行為の区分です。共有物に対する行為は、大きく「変更」「管理」「保存」の三つに分けられ、それぞれ必要な共有者の同意が異なります。改正では、この区分と決定方法がより明確になりました。
第一に、共有物の形や性質を大きく変える変更行為は、原則として共有者全員の同意が必要です。たとえば建物を取り壊す、土地を売却するといった行為がこれにあたります。第二に、共有物の利用方法を決めるような管理行為は、持分の価格の過半数で決められます。改正では、形や効用の著しい変更を伴わない「軽微な変更」も、この管理の枠組みで過半数により決定できることが整理され、外壁の修繕や賃貸借契約の設定など、日常的な意思決定を進めやすくなりました。第三に、共有物の現状を維持する保存行為は、各共有者が単独でできます。「全員でなければ何も決められない」という思い込みが、共有不動産を動けなくしてきた面がありますが、行為の性質によって必要な同意の範囲が違うことを理解すると、進められる手続きが見えてきます。
| 行為の種類 | 具体例 | 必要な同意 |
|---|---|---|
| 変更(売却・取壊し等) | 共有物の売却、建物の取壊し | 共有者全員の同意 |
| 管理(軽微な変更を含む) | 賃貸借契約の設定、外壁修繕 | 持分価格の過半数 |
| 保存 | 現状維持の修理、不法占拠への対応 | 各共有者が単独で可 |
所在等不明共有者がいるとき — 持分の取得・譲渡という道
共有不動産の整理を最も難しくしてきたのが、共有者の中に連絡が取れない人、どこにいるか分からない人がいるケースです。誰が共有者か分からない、あるいは所在が分からない人が一人でもいると、従来は全員の同意が必要な手続きが事実上止まってしまいました。改正民法は、こうした所在等不明共有者がいる場合に、裁判所の関与のもとで手続きを前に進められる制度を新設しました。
具体的には、ほかの共有者が裁判所に請求することで、所在等不明共有者の持分を取得したり、その持分を含めて不動産全体を第三者に譲渡したりできる道が開かれました。請求した共有者が複数いる場合は、それぞれの持分の割合に応じて按分して取得します。また、所在等不明共有者を除いた共有者で、管理に関する事項を決められる制度も整えられました。これにより、行方の分からない共有者がいても、共有不動産を売却したり活用したりできる可能性が出てきたのです。ただし、これらはいずれも裁判所の決定を経る手続きであり、所在等が分からないことの調査や、不明な共有者のための供託などが求められます。手軽にできるものではなく、弁護士や司法書士といった専門家と連携して進めるべき領域です。不動産会社は「こういう制度がある」という入り口を示しつつ、可否や手順の判断は専門家に委ねる距離感が大切です。
所在等不明共有者の持分取得は、共有不動産整理の大きな助けになりますが、誤解も生じやすい制度です。第一に、これは当事者だけで自由にできる手続きではなく、裁判所への請求と決定を要します。所在等が分からないことの調査や、不明な共有者の持分に相当する金銭の供託など、一定の手間と費用がかかります。第二に、その持分が相続財産に属し、かつ遺産分割が済んでいない場合には、相続開始の時から10年を経過していることが必要とされます。「連絡が取れないからすぐに持分をもらえる」という単純な話ではありません。不動産会社が制度の存在だけを強調して期待を持たせると、実際の手続きの重さとのギャップでトラブルになりかねません。可能性と手続きの負担の両面を正直に伝え、具体的な可否は弁護士・司法書士の確認に委ねることが欠かせません。
共有物分割の三つの方法 — 現物・賠償・換価
共有関係を根本から解消する方法が共有物分割です。共有者は、原則としていつでも共有物の分割を求めることができ、話し合い(協議)で決まらないときは、裁判所に分割を請求できます。改正民法は、裁判による分割の方法を整理し、選択肢を明確にしました。分割の方法は大きく三つあります。
一つ目は現物分割で、土地そのものを持分に応じて分けて、それぞれが単独所有にする方法です。広い土地なら有効ですが、建物が建っている、面積が小さいなど、物理的に分けにくい場合は向きません。二つ目は賠償分割(全面的価格賠償)で、共有者の一人が不動産を取得し、ほかの共有者にその持分に相当する金銭を支払う方法です。改正で、この全面的価格賠償が分割方法として明文化され、実家を一人が引き継いでほかの相続人に代償金を払う、といった現実的な解決がしやすくなりました。三つ目は換価分割(競売)で、不動産を売却して代金を持分に応じて分ける方法です。現物分割も賠償分割も難しい場合の最終的な手段になります。どの方法が適切かは、不動産の形状・利用状況・共有者の事情によって変わり、最終的には裁判所が判断します。実務では、いきなり裁判ではなく、まず共有者間の協議で賠償分割や任意売却による換価をまとめる方が、時間も費用も抑えられることが少なくありません。
| 分割の方法 | 内容 | 向く場面 |
|---|---|---|
| 現物分割 | 土地を物理的に分けて単独所有にする | 広く分筆できる土地 |
| 賠償分割(価格賠償) | 一人が取得し他に代償金を支払う | 実家を一人が引き継ぐ等 |
| 換価分割(競売・任意売却) | 売却して代金を持分に応じて分ける | 現物も賠償も難しい場合 |
相続で生まれた共有と「10年ルール」
共有不動産の多くは相続をきっかけに生まれます。ここで実務上意識しておきたいのが、相続に関する「10年ルール」です。遺産分割をしないまま不動産が相続人の共有になっている状態を長く放置すると、不利益が生じることがあります。改正によって、相続開始の時から10年を経過した後の遺産分割では、原則として法定相続分または指定相続分による分割となり、生前の貢献などを反映した具体的相続分を主張しにくくなる仕組みが導入されました。
つまり、「介護を担ったから多めに」「生前贈与を受けたから少なめに」といった事情を遺産分割で反映してもらうには、相続開始から10年という時間的な区切りを意識する必要があるということです。共有不動産を整理するうえでも、相続開始からの経過年数は重要な前提になります。共有はできるだけ早く、遺産分割が柔軟にできるうちに整理しておく方が、関係者全員にとって納得のいく結果につながりやすいのです。中小不動産会社が相続不動産の相談を受けたときには、「急がなくてもいい」と先延ばしを促すのではなく、時間の経過が選択肢を狭めうることを、専門家への相談とあわせて伝えられるとよいでしょう。なお、相続税の申告期限や登記の手続きなど、ほかの期限も絡む領域ですから、税理士・司法書士との連携が前提になります。
共有持分だけを売るという選択肢とその実情
共有不動産の整理が進まないとき、共有者の一人が自分の持分だけを売却するという選択肢があります。共有持分は、その共有者が単独で、ほかの共有者の同意なく第三者へ売ることができます。話し合いがまとまらず膠着した共有関係から、自分だけ抜け出したい、現金化したいという場合の出口になりえます。実際に、共有持分を専門に買い取る業者も存在します。
ただし、共有持分だけの売却には実情として注意すべき点があります。持分だけを買っても、買主はその不動産を自由に使えるわけではなく、ほかの共有者との共有関係を引き継ぐことになります。そのため、共有持分は不動産全体を持分割合で評価した金額よりも、かなり低い価格でしか流通しないのが一般的です。また、共有者の一人が見ず知らずの第三者に持分を売ってしまうと、残された共有者にとっては突然知らない相手と共有することになり、新たな紛争の火種になることもあります。持分売却は最後の手段としては有効ですが、まずは共有者間での協議や、共有者同士での持分の集約(一人が買い取って単独所有にする)を優先する方が、関係者全員の利益にかなうことが多いものです。中小不動産会社としては、持分売却という選択肢を示しつつ、その価格の実情と、共有者間の関係への影響を率直に説明する姿勢が信頼につながります。
| 観点 | 不動産全体の売却 | 共有持分だけの売却 |
|---|---|---|
| 必要な同意 | 共有者全員の同意 | その共有者単独で可能 |
| 価格水準 | 市場相場どおり | 持分相当額より低くなりやすい |
| 主な買主 | 実需・投資の幅広い層 | 持分買取業者・他の共有者 |
| 残る共有者への影響 | 共有関係が解消する | 新たな共有者との関係が生じうる |
中小不動産会社としての関わり方
共有不動産の整理は、弁護士や司法書士の専門領域が大きく関わるため、不動産会社が前に出すぎるのは禁物です。しかし、だからといって「うちの仕事ではない」と突き放してしまうのは、地域の信頼を築くうえでもったいない対応です。共有不動産の相談は、出口に売買が絡むことが多く、地域に根ざした中小不動産会社だからこそ橋渡しできる場面が多いからです。
| 関わり方 | こんな場面で | 提供できる価値 |
|---|---|---|
| 共有の状態を整理して可視化する | 相談を受けた最初の段階 | 誰が何分の何を持つかを明確にする |
| 整理の選択肢を並べて示す | 方針を決めるとき | 協議・持分集約・分割・売却を比較 |
| 専門家へ適切につなぐ | 裁判所手続き・登記・税務 | 弁護士・司法書士・税理士と連携 |
| 売買による出口を設計する | 換価・任意売却を選ぶとき | 市場での売却を仲介し換価を支える |
ポイントは、共有不動産を「面倒な案件」として敬遠するのではなく、整理の全体像を示し、適切な専門家につなぎ、最後に売買という出口を支えるという役割に徹することです。共有者が複数いる案件は、連絡調整や合意形成に手間がかかりますが、その手間を引き受け、誠実に橋渡しできる会社は、相続案件を抱える地域の世帯から「あの会社なら、もめている不動産でも相談できる」という評判を積み上げていきます。共有不動産の相談は、目先の一件だけでなく、その家族の次の世代の取引にもつながる、地域密着の中小不動産会社にとって価値の高い接点なのです。
現場メモ — 兄弟三人の共有になった実家の一件
少し前に、亡くなった親の家をどうするか決めかねている、というご相談を受けたことがあります。実家は兄弟三人の共有名義のまま十数年が経ち、長男は遠方に住み、次男はその家に住み続け、三男は早く現金化したいという、それぞれ事情の異なる三人でした。話を聞くと、誰も積極的に動かないまま時間だけが過ぎ、固定資産税は住んでいる次男が立て替えている、という典型的な塩漬けの状態でした。
私はまず、登記簿で持分の状態を確認し、三人がそれぞれ三分の一を持つことを整理して図にしてお見せしました。そのうえで、選択肢を並べました。三人で売って代金を分ける換価か、住み続けたい次男が家を引き継いでほかの二人に代償金を払う賠償分割か、それぞれの持分を集約するか。大切にしたのは、私が結論を押しつけないことです。代償金の金額や税務、必要な手続きは司法書士と税理士に相談していただくよう手配し、不動産会社としては各案を選んだ場合の売却見込み額や段取りの情報を提供する役割に徹しました。最終的には、次男が住宅資金を用意して家を引き継ぎ、二人に代償金を支払う形でまとまりました。
この一件で痛感したのは、共有不動産の相談で不動産会社に求められるのは、結論を出すことではなく、こじれた状況を整理して見える化し、選択肢と専門家への道筋を示すことだということです。十数年動かなかった案件も、状態を可視化して選択肢を並べると、当事者は自分たちで判断できるようになります。地味な整理の作業こそが、共有という難物を解きほぐす第一歩でした。
実務での進め方 — 五つのステップ
共有不動産の相談を受けたときに、どう動けばよいか、おおまかな流れを整理します。
1. 共有の状態を登記で確認する。まず登記簿で、誰が持分をどれだけ持っているか、相続による枝分かれがないかを確認します。状態を図などで見える化することが出発点です。
2. 共有者の意向と連絡可否を把握する。各共有者が売りたいのか持ち続けたいのか、連絡が取れるかを確かめます。所在不明者がいる場合は、専門家対応が前提になることを早めに共有します。
3. 整理の選択肢を並べて比較する。協議による解消、持分の集約、共有物分割(現物・賠償・換価)、持分売却など、その事案に合う選択肢を複数並べ、それぞれの見込みと留意点を示します。
4. 専門家へ適切につなぐ。裁判所の手続き、登記、相続税や譲渡所得などの税務は、弁護士・司法書士・税理士の領域です。不動産会社は断定せず、適切な専門家に橋渡しします。
5. 売買という出口を設計し支える。換価や任意売却を選ぶ場合は、市場での売却見込みや段取りを示し、仲介として換価を支えます。誠実な情報提供が信頼につながります。
よくある質問
Q1. 共有者の一人が反対していると、不動産は売れないのですか。
不動産全体を売る変更行為には、原則として共有者全員の同意が必要です。一人でも反対すると全体の売却は進みません。話し合いがまとまらない場合は、共有物分割を裁判所に請求する、自分の持分だけを売る、といった選択肢を検討することになります。
Q2. 共有者の一人と連絡が取れません。手続きは止まってしまいますか。
従来は止まりがちでしたが、2023年施行の改正民法で、所在等不明共有者がいる場合に、裁判所の関与のもとで持分を取得したり不動産を譲渡したりできる制度が新設されました。ただし裁判所への請求と一定の手続き・費用が必要で、弁護士・司法書士への相談が前提です。
Q3. 自分の持分だけを売ることはできますか。
できます。共有持分は、ほかの共有者の同意なく単独で第三者へ売却できます。ただし、持分だけの価格は不動産全体を持分割合で評価した額より低くなりやすく、残る共有者との関係にも影響します。まずは共有者間での協議や持分集約を優先するのが一般的です。
Q4. 共有物分割にはどんな方法がありますか。
大きく、土地を物理的に分ける現物分割、一人が取得して他に代償金を払う賠償分割(全面的価格賠償)、売却して代金を分ける換価分割の三つがあります。どれが適切かは不動産の状況や共有者の事情により、裁判では最終的に裁判所が判断します。
Q5. 相続した不動産の共有を放置すると、どんな不利益がありますか。
共有者が亡くなるたびに相続人が増え、合意形成が難しくなります。また、相続開始から10年を過ぎると、遺産分割で具体的相続分を主張しにくくなる仕組みもあります。早めの整理が、選択肢を広く保つうえで望ましいといえます。
Q6. 具体的な手続きはどこに相談すればよいですか。
共有物分割や所在等不明共有者への対応、登記、相続税・譲渡所得などは、弁護士・司法書士・税理士の専門領域です。本記事は実務の全体像を整理したものとお考えいただき、個別の手続きや可否は必ず専門家にご確認ください。不動産会社は、売買による出口や市場の見込みの面でお手伝いできます。
まとめ:「もめている不動産でも相談できる会社」が選ばれる
共有不動産とは、一つの不動産を複数人が持分の割合で所有する状態で、売却など大きな処分には原則として共有者全員の同意が必要なため、関係者が増えるほど整理が難しくなります。2023年4月に施行された改正民法は、共有物の変更・管理・保存という行為ごとの同意ルールを明確にし、所在等不明共有者がいても裁判所の関与のもとで持分を取得・譲渡できる制度を新設し、現物・賠償(価格賠償)・換価という共有物分割の方法を整理しました。さらに、相続開始から10年を過ぎると遺産分割で具体的相続分を主張しにくくなるため、共有はできるだけ早く整理する方が選択肢を広く保てます。中小不動産会社がやるべきことは、自ら結論を出すことではなく、共有の状態を見える化し、整理の選択肢を並べ、弁護士・司法書士・税理士へ適切につなぎ、最後に売買という出口を支えることです。共有不動産は、放置すれば世代をまたいで解けなくなり、急いで持分を投げ売りすれば関係をこじらせます。状態を整理し、誠実に橋渡しできる会社こそ、相続案件を抱える地域で長く相談される信頼を築いていきます。
ウルスタは、中小不動産会社の物件・顧客・対応履歴を一元管理できる業務クラウドを提供しています。共有不動産のように共有者が複数いて、連絡調整や専門家との連携が長期にわたる案件では、誰がどの持分を持つか、どの専門家にいつ何を相談したか、各共有者の意向はどうかといった情報を一つの案件に紐づけて残しておけば、担当者が代わっても経緯が途切れず、売買という出口にも正確につなげられます。難しい案件ほど、整理した事実と対応の記録が、トラブルの予防と信頼の蓄積になります。もめている不動産を誠実に橋渡しできる体制は、相続案件を抱える地域の世帯との長い関係を生む、中小不動産会社の財産です。
参考: 2023年(令和5年)4月1日施行の改正民法(共有物の使用・管理に関する規律、共有物の変更行為・管理行為・保存行為の区分)に関する一般的な制度解説 / 民法における所在等不明共有者の持分取得・譲渡の制度に関する一般的な案内 / 共有物分割(現物分割・全面的価格賠償・換価分割)に関する一般的な実務情報 / 相続開始から10年経過後の遺産分割に関する一般的な解説 / 共有持分の売買・流通に関する一般的な不動産実務情報 / いずれも2026年6月時点の公開情報および自社の不動産実務をもとに整理