顧客管理 / 追客 読了 4分

不動産営業のKPI設計|計算式と月次確認の進め方

反響・初回対応・内見・申込・成約を同じ案件の流れで確認するKPI設計。期間と母数のそろえ方、ゼロ件と未集計の区別、架空の計算例と記入シートを掲載します。

馬場生悦
宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士
不動産営業のKPI設計|計算式と月次確認の進め方
目次

KPIは、営業活動のどこを改善するか決めるための数字です。反響件数だけでなく、初回対応、内見、申込、成約へ進む過程を見ます。グラフを作る前に、案件の数え方と集計期間をそろえましょう。

指標の定義を一枚にする

同じ人が電話とフォームで問い合わせた場合を2件とするか、同じ案件として1件にするかで率が変わります。「反響」は問い合わせ回数と相談案件数を分け、今回どちらを分母にするかを書きます。

営業KPIの定義例。業界共通の目標値ではありません
指標計算方法そろえる条件
初回対応率期限内に初回対応した案件数 ÷ 対象反響案件数営業時間、期限、自動返信を含むか
内見実施率内見を実施した案件数 ÷ 対象反響案件数予約と実施を分け、重複内見は定義する
申込率申込に進んだ案件数 ÷ 内見実施案件数同じ対象案件、申込取消の扱い
成約率成約した案件数 ÷ 対象反響案件数成約の確定条件、計測の締切日

百分率で示すときは結果に100を掛けます。分母が0なら「対象なし」、入力が終わっていなければ「未集計」と表示します。どちらも成約率0%に置き換えません。

月の活動量と、同じ案件の転換率を分ける

「9月に受けた反響100件」と「9月に成約した20件」には別の月の案件が混ざることがあります。その20÷100を、9月の反響が成約した割合とは呼べません。

活動量は「9月中の内見・申込・成約件数」として確認します。転換率は「9月受付の案件を11月末まで追った結果」のように対象集団と観察期限を固定します。まだ進行中の案件数も併記してください。

架空データで計算を確かめる

同じ受付期間の100案件を所定の期限まで追い、内見実施40案件、申込12案件、成約8案件だったとします。内見実施率は40%、内見からの申込率は30%、反響からの成約率は8%です。これらは説明用の仮定で、当社実績や業界平均ではありません。

成約率が8%から10%になった場合、差は2ポイントです。相対的な増加率は25%ですが、案件数が少ないと数件で率が大きく変わります。率だけでなく「8件/100件」のように実数を並べます。

月次会議では数字から一つの行動へ

  1. 未入力、重複、対象外、担当変更を確認する。
  2. 店舗・媒体・取引種別を同じ条件で比較する。
  3. 停滞案件を数件読み、初回連絡・提案・予約のどこで止まったか調べる。
  4. 担当者、対応期限、次回確かめる指標を一つ決める。

順位表だけで個人を評価すると、案件難度や引継ぎが見えなくなります。率の定義と担当範囲を明示し、顧客情報の閲覧権限も必要な範囲に設定します。

自社の定義と計算を記入する

シートには自動計算機能はありません。分子・分母・除外条件と計算結果を手で記入するTXT形式です。Excel等へ移す場合も、定義欄を一緒に残してください。

不動産営業KPIの定義・計算シートを保存する(TXT)

登録不要。テキスト形式の空欄シートです。保存して自社の条件を書き込めます。

よくある質問

Q1. PVを反響件数として使えますか?

PVはページの表示回数です。同じ人の再表示や確認作業を含み得るため、問い合わせや相談案件とは分けて測ります。

Q2. 業界平均を目標にすればよいですか?

集計定義と母数が違えば比較できません。まず自社の同じ条件の推移を確認し、改善する業務から目標を決めます。

Q3. 率が高い担当ほど優秀ですか?

案件の種類、難度、割当数、進行期間を確認する必要があります。率だけで評価を決めないようにします。

出典・確認日

内容確認:2026年9月10日。制度・仕様の確認先は以下です。手順、計算例、シートの項目は編集部の提案であり、導入効果を示す実測値ではありません。

訂正履歴

2026年9月10日:裏付けを提示できない営業改善実績と汎用FAQを撤回しました。期間・母数・計算例を整理し、顧客管理の汎用資料を専用シートに変更しました。

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