宅建士証の有効期間は5年で、更新するには、交付の申請前6か月以内に行われる法定講習を受けてから申請します(宅地建物取引業法22条の2第2項・第3項、22条の3)。多くの都道府県は、有効期間が満了する日の6か月前から講習を受けられると案内しています。期限を過ぎても登録そのものは消えませんが、宅建士証が無い間は宅建士として重要事項の説明などができません。この記事では、更新の時期・費用の例・書類と、期限が切れたときの扱いを、条文と自治体の案内で確かめた範囲で整理します。
結論(更新の流れ)
| 段階 | 時期 | やること |
|---|---|---|
| 1. 期限を確かめる | いつでも | 宅建士証に書かれた有効期限を確かめ、満了日の6か月前を予定に入れます。 |
| 2. 法定講習を申し込む | 満了日の6か月前から(都道府県の案内) | 登録している都道府県の知事が指定した講習を申し込みます。宅建協会などが実施しています。 |
| 3. 講習を受ける | 交付の申請前6か月以内 | 会場またはWEBで受講します(WEBの有無は実施団体によって違います)。 |
| 4. 交付を申請する | 講習と同時か、その後 | 交付申請書・手数料・写真などを出します。講習の申込みと交付申請を一緒に受け付ける県もあります。 |
| 5. 新しい宅建士証を受け取る | 交付の日から5年 | 古い宅建士証の扱いは、受け取るときの案内に従います。 |
有効期間は5年
宅建士証の有効期間は5年です(22条の2第3項)。更新は申請によって行い、更新後の有効期間も5年です(22条の3)。
例外は、他の都道府県へ登録を移転したときです。移転すると、それまでの宅建士証は効力を失います(22条の2第4項)。移転の申請と一緒に交付を申請すると、移転先の知事は、前の宅建士証の残りの期間を有効期間とする宅建士証を交付します(同条第5項)。移転しても期限は延びないので、移転の時期と更新の時期が近いときは、どちらを先にするかを登録先の窓口で確かめてください。
法定講習を受ける時期
更新を受けようとする人は、登録している都道府県の知事が指定する講習で、交付の申請前6か月以内に行われるものを受けなければなりません(22条の3第2項が22条の2第2項を準用)。これがいわゆる法定講習です。
山梨県・栃木県・宮城県は、いずれも「有効期間満了日の6か月前から受講できる」と案内しています。満了日の直前は講習の日程が埋まっていることもあるので、6か月前になったら早めに申し込むほうが安全です。
実施団体は都道府県によって違います。たとえば山梨県と栃木県は、県の宅地建物取引業協会と全日本不動産協会の県本部の2団体が実施していると案内しています。山梨県は「どちらか一方にのみ申込みを行ってください」とも書いています。山梨県では、令和4年度からWEBでの受講ができるようになっています。
費用の例
費用は、講習の受講料と、宅建士証の交付手数料に分かれます。次は自治体の案内に書かれている金額です。申し込む前に、登録している都道府県の最新の案内で確かめてください。
| 都道府県 | 講習料 | 交付手数料 | 案内の更新日 |
|---|---|---|---|
| 山梨県 | 12,000円 | 4,500円 | 2025年4月25日 |
| 栃木県 | 12,000円(合格後1年を過ぎて交付を受ける場合の内訳として記載) | 4,500円 | 2025年12月5日 |
宅建士証を無くしたり壊したりしたときの再交付も、京都府の案内では手数料4,500円です。
申請に使う書類の例
栃木県の案内では、試験に合格してから1年を過ぎて交付を申請する場合、交付申請書、手数料、法定講習の受講申請書、登録通知書(はがき)、顔写真を出すことになっています。写真は申請前6か月以内に撮った、無帽・正面・上半身・無背景のカラー写真で、縦3cm×横2.4cmです。
写真の枚数は都道府県によって違います。東京都は、宅建士証がプラスチックカードになった2025年9月1日から、交付申請に出す顔写真を2枚から1枚に変えています。東京都では宅建士証の交付申請をオンラインでも受け付けています。
氏名・住所・本籍・勤務先など、登録している内容が変わっているときは、更新とは別に変更の登録が必要です(20条)。宮城県は、変更があるときは変更登録申請書と添付書類も出すよう案内しています。更新の手続きのついでに、登録の内容が今のままで正しいかを確かめてください。
期限が切れたときの扱い
宅建業法でいう宅建士は「宅地建物取引士証の交付を受けた者」です(2条4号)。有効期間が切れた宅建士証では、宅建士としての仕事はできません。宅建士証が効力を失ったときは、速やかに交付を受けた知事に返納します(22条の2第6項)。
一方で、登録は残ります。山梨県は「取引士証の有効期限が切れても欠格事項に該当しない限り登録は有効」と案内しており、宅建業の業務に従事する見込みがあれば、法定講習を受けて宅建士証の交付を受けられるとしています。期限を過ぎたら、まず登録している都道府県の窓口か講習の実施団体に連絡し、手順を確かめてください。
会社で決めておくこと
宅建業者は、事務所ごとに国土交通省令で定める数の成年者である専任の宅建士を置かなければならず、足りなくなったときは2週間以内に必要な措置を執る必要があります(31条の3第1項・第3項)。専任の宅建士の宅建士証が期限切れになると、この数に関わることがあります。
- 宅建士全員の有効期限を一覧にし、満了日の6か月前に本人と管理者へ知らせる。
- 重要事項の説明(35条)や書面への記名を割り当てる前に、担当者の宅建士証が有効かを確かめる。
- 講習を受ける日を勤務として扱うか、費用を会社が持つかを、あらかじめ決めておく。
- 専任の宅建士が入れ替わったときは、宅建業者として30日以内に変更の届出を出す(9条・4条1項5号)。
よくある質問
Q1. 満了日の何日前まで講習を受けられますか
条文が定めているのは「交付の申請前6か月以内に行われる講習」であることです。受講できる最初の日は、多くの県で満了日の6か月前と案内されています。日程や締切は実施団体ごとに違うので、申し込む団体の案内で確かめてください。
Q2. 合格してすぐに宅建士証をもらう場合も、法定講習は要りますか
試験に合格した日から1年以内に交付を受ける場合は要りません(22条の2第2項ただし書)。1年を過ぎてから最初の交付を受ける場合は、更新と同じく法定講習を受けます。
Q3. 有効期限が切れたまま重要事項の説明をしてしまったら
宅建業法でいう宅建士は宅建士証の交付を受けた者なので、期限の切れた宅建士証での説明は、宅建士による説明として扱われないおそれがあります。気づいた時点で業務から外れ、登録している都道府県の窓口に相談してください。
Q4. 住んでいる県と登録している県が違う場合、どこで講習を受けますか
講習は、登録している都道府県の知事が指定するものです。栃木県は、県内で受講できない場合は他の都道府県の法定講習を受けられると案内し、宮城県は県外で受講するときの承認申請の書式を用意しています。登録している都道府県の窓口で手順を確かめてください。
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出典(本文で参照している資料)
| 本稿で使った内容 | 資料 |
|---|---|
| 宅建士の定義(2条4号)、宅建業者の変更の届出(4条・9条)、変更の登録(20条)、宅建士証の交付・有効期間・登録の移転・返納(22条の2)、更新(22条の3)、専任の宅建士(31条の3) | e-Gov法令検索「宅地建物取引業法」 |
| 満了日の6か月前から受講できること、実施団体、講習料12,000円・交付手数料4,500円、期限が切れても登録は有効、WEB受講 | 山梨県「取引士証の交付申請及び法定講習会について」 |
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