制度・法改正 読了 8分

宅建の5問免除(登録講習)|宅建業で働く人が受けられる講習と、免除が効く3年

宅建業で働く人が登録講習を修了すると、3年以内の宅建試験で5問が免除されます。受講の条件、講習の中身、免除の期間と、会社が受講を支えるときに決めることをまとめました。

馬場生悦
宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士
目次

宅建の「5問免除」は、宅建業に従事している人が国土交通大臣の登録を受けた機関の登録講習を修了すると、修了試験に合格した日から3年以内に行われる宅建試験で、50問のうち5問分が免除される仕組みです(宅地建物取引業法16条3項、施行規則10条の14)。免除されるのは「土地・建物の形質など」と「需給に関する法令と実務」の2分野で、登録講習修了者は45問を午後1時10分から解きます。この記事では、受けられる人、講習の中身、免除が効く期間と、会社が社員の受講を支えるときに決めることを、法令と実施機関の案内で確かめた範囲で整理します。

結論(5問免除のしくみ)

項目内容根拠
受けられる人宅地建物取引業に従事する人施行規則10条の5第1号
講習講義の合計はおおむね50時間(通信の方法を一部に使える)。最後に修了試験施行規則10条の5第3号・第6号
免除される分野土地・建物の形質などに関すること、宅地・建物の需給に関する法令と実務に関すること施行規則8条1号・5号、10条の14
免除が効く試験修了試験に合格した日から3年以内に行われる試験施行規則10条の14
試験の問題数45問(午後1時10分から午後3時まで)都道府県の試験案内
実施機関国土交通大臣の登録を受けた登録講習機関(2026年8月12日現在25機関)国土交通省の一覧

受けられる人

登録講習は、宅地建物取引業に従事する人に対して行うものと定められています(施行規則10条の5第1号)。宅建業者で働いていない人や、これから就職する人は対象外です。

実施機関は、勤めていることを宅建業の従業者証明書で確かめるのが一般的です。たとえばLECの案内は、受講申込みのときと受講期間中に有効な「宅建業従業者証明書」を持っていることを条件にし、賃貸住宅管理業やマンション管理業の従業者証明書では受けられないとしています。申し込む機関の条件を必ず確かめてください。

講習の中身と修了試験

施行規則は、登録講習を講義で行い、講義時間の合計をおおむね50時間とすることを定めています(10条の5第3号)。国土交通大臣の定めるところにより、一部を通信の方法で行うこともできます。最後に修了試験を行い、合格した人を「登録講習修了者」とします(同条第6号)。

実際の形は機関ごとに違います。LECの案内では、通信講習に加えて10時間のスクーリングに出席し、修了試験で7割以上正解すると免除を受けられるとしています。受講料はLECの場合20,000円(税込)です。日程や料金は機関によって違うので、国土交通省の一覧から各機関の案内を確かめてください。

免除が効く期間

免除が効くのは、修了試験に合格した日から3年以内に行われる試験です(施行規則10条の14)。宅建試験は例年10月に行われているので、たとえば修了試験に合格した日から3年の間に、試験日が3回入るかどうかで受けられる回数が変わります。何年度の試験まで使えるかは、修了試験の合格日と各年度の試験日で数えてください。

登録講習機関は、修了者の氏名・生年月日・修了番号などを都道府県知事に通知します(施行規則10条の5第7号)。受験の申込みで修了者として扱われるための手順は、その年度の試験案内(不動産適正取引推進機構)で確かめてください。

試験当日の違い

令和8年度の試験(2026年10月18日)は、午後1時から午後3時までで、登録講習修了者は午後1時10分から午後3時までと案内されていました。修了者は免除される5問を解かないため、開始が10分遅くなります。

合格の基準も分けて示されます。令和7年度の試験では、合格の基準は50問中33問以上の正解、登録講習修了者は45問中28問以上の正解でした(香川県の公表)。

申し込みまでの流れ

  1. 国土交通省の「登録講習機関一覧」から、通いやすい機関を選ぶ。
  2. 機関の案内で、受講の条件(従業者証明書など)、スクーリングの日程、修了試験の日、受講料を確かめる。
  3. 会社から宅建業の従業者証明書の写しなど、機関が求める書類を受け取って申し込む。
  4. 通信の課題とスクーリングを終え、修了試験を受ける。
  5. その年度の試験案内に従って、修了者として宅建試験に申し込む。

会社が受講を支えるときに決めること

登録講習は宅建業に従事する人だけが受けられるので、会社の協力がないと始まりません。社員の受講を支えるときは、次の点を先に決めておくと手戻りがありません。

  • 従業者証明書を誰が、いつまでに用意するか(入社直後の社員は発行の時期を確かめる)。
  • スクーリングに出る日を勤務として扱うか、受講料を会社が持つか。
  • 修了試験の合格日を記録し、免除が効く最後の試験を本人と共有するか。
  • 合格したあとの登録実務講習・登録申請・宅建士証の交付まで、誰が案内するか。

よくある質問

Q1. アルバイトでも登録講習を受けられますか

施行規則は「宅地建物取引業に従事する者」と定めており、雇用の形までは書いていません。実施機関は従業者証明書で確かめることが多いので、従業者証明書が発行されているかを会社と申込先の機関に確かめてください。

Q2. 講習の途中で退職したらどうなりますか

LECは、受講期間中も有効な従業者証明書を持っていることを条件にしています。途中で退職したときの扱いは機関ごとに決まっているので、申し込む前に規程を確かめてください。

Q3. 5問免除を受けると合格しやすくなりますか

免除される5問の分だけ解く問題は減りますが、合格の基準も45問のうちの点数で別に決まります。令和7年度は50問中33問、修了者は45問中28問でした。免除で何点有利になるかは、年度ごとの基準で変わります。

出典(本文で参照している資料)

本稿で使った内容資料
登録講習の修了者は試験の一部を免除(16条3項)e-Gov法令検索「宅地建物取引業法」
試験すべき事項(8条)、登録講習業務の実施基準(10条の5)、試験の一部免除(10条の14)e-Gov法令検索「宅地建物取引業法施行規則」
登録講習機関の一覧(令和8年8月12日現在)国土交通省「登録講習の登録講習機関一覧」
令和8年度の試験日時、登録講習修了者の開始時刻長野県「令和8年度宅地建物取引士資格試験案内」
令和7年度の合格判定基準(50問中33問、修了者45問中28問)香川県「令和7年度宅地建物取引士資格試験実施結果の概要」
受講の条件(宅建業従業者証明書)、通信講習と10時間のスクーリング、修了試験7割以上、受講料の例LEC「宅建登録講習(5問免除講習)」

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