不動産会社の電子契約サービスは、月額料金だけでなく、送信件数、署名者の確認方法、書面の交付・保存、社内の管理権限を同じ条件で比べます。本記事はクラウドサイン、Docusign、Adobe、GMOサイン、freeeサインの5サービスについて、公式ページで確認できる料金の条件と、試用時の確認点を整理します。
Adobeを検討する場合は、PDFの編集と電子サインを扱うAcrobatと、高度な認証や業務連携を扱うAcrobat Sign Solutionsを区別することから始めてください。Adobe製品の選び分けを先に読むこともできます。
訂正履歴(2026年9月9日):旧稿の自社サービスを15点満点とする順位表、確認記録のない普及・効果の説明、一律の「宅建業法対応」の評価を撤回しました。2026年9月2日に行った価格・製品名の訂正に続き、今回も公式料金ページを再確認し、契約期間・料金単位を分けて掲載しています。
最初に電子化する書面と利用人数を決める
賃貸借契約、媒介契約、重要事項説明書など、どの書面を誰に渡すかを一覧にします。重要事項の説明をオンラインで行うIT重説と、書面の電子交付、契約への電子署名は別の確認事項です。サービス名だけで対応が完了したと判断せず、国土交通省の実施資料に沿って自社の手順を照合します。
見積もり前にそろえる条件
- 送信担当者・管理者の人数と、月ごとの契約送信件数。
- 相手方が使う端末と、本人・代理権を確認する手順。
- 承諾、交付、保存と、署名済みファイルを取り出す方法。
- 既存の顧客・物件システムと連携する範囲。
- 紙を希望する相手方や、誤送信・訂正への対応。
料金は基本料・送信料・追加費用に分ける
「月額」と表示されていても、年払いの月額換算、年間契約の月払い、1ユーザーあたりの価格では意味が異なります。無料枠と超過料金、署名方式やSMSの追加料金も確認します。導入作業・連携・保存データの移行費用は、見積もりで分けて記載してもらいます。
同じ件数で総額を確認する
比較表には、契約期間、人数、月間送信数、税込総額、初期費用、更新・解約条件を記入します。送信の単位が「文書」「封筒」「取引」などで異なる場合は、同じ契約一式を送ったときに何件として数えるかを提供元へ確認してください。
5サービスの料金条件と確認先
確認日:2026年9月9日。掲載順は順位ではありません。以下は代表的なプランの入口で、同じ機能・条件を満たす最終見積もりではありません。価格・プランは変更されるため、申込時に公式ページで再確認してください。
| サービス | 確認できた料金条件 | 追加で確認すること |
|---|---|---|
| クラウドサイン | Light:月額11,000円(税抜)、税込年額145,200円の表示。送信1件220円(税抜)。 | 必要な管理機能があるプランと、送信件数を含めた契約総額。 |
| Docusign eSignature | Standard:年間一括払い39,600円/ユーザー、月額換算3,300円。別途税金が発生する場合がある旨の表示。 | 年100通/ユーザーのエンベロープ枠、超過時の条件、必要な連携の対象プラン。 |
| Adobe Acrobat/Acrobat Sign Solutions | Acrobatの法人向けプランと、Acrobat Sign Solutionsを分けて案内。必要な製品・機能を決めて見積もる。 | PDF編集、署名依頼、管理、認証、APIのどこまで必要か。個人向けAcrobatの価格をSign Solutionsの価格として使わない。 |
| 電子印鑑GMOサイン | ライト:年間契約は月額8,800円、単月契約は月額9,500円(いずれも税抜)。 | 署名タイプ別の送信料、認証・対面契約・連携等の追加費用。 |
| freeeサイン | 法人Starter:年額一括71,760円(月額換算5,980円)、月額払い7,180円(税抜)。いずれも契約期間は1年。 | 電子サイン月50通の無料枠と超過料金、電子署名・SMSの別料金。個人事業主向けプランと区別。 |
AcrobatとAcrobat Signはどう選び分けるか
Adobeの法人向け案内では、AcrobatはPDFの作成・編集・署名・共有・管理を扱い、Acrobat Sign Solutionsは高度な署名者認証や主要な業務アプリとの連携を備える電子サインの選択肢として説明されています。製品名に「Adobe」「署名」が含まれるだけで、同じ機能や料金とは考えないようにします。
他サービスと比べるときの3つの質問
- PDF編集も必要か、署名依頼と締結管理を中心に使うか。
- 署名者の認証、社内承認、記録の取り出しをどのプランで実現するか。
- 既存システムへの連携は標準機能、別契約、個別開発のどれか。
Acrobatをすでに利用していても、必要な署名依頼・管理機能が契約に含まれているかを確認します。他サービスを追加する案と、Adobeの別プランを使う案を、同じ人数と送信条件で比較してください。
不動産の手続きは機能表とは別に照合する
「宅建業法対応」を一つの丸印で済ませず、対象書面、相手方への説明と承諾、閲覧・保存の確認、交付の記録に分けます。電子署名法の考え方はデジタル庁の資料、税務上の電子取引保存は国税庁の資料で確認します。
テンプレートの存在だけで判断しない
契約類型や条項が自社の案件に合うか、誰が確認して送信するかを決めます。定期借家、保証、代理権など個別判断が必要な論点は、書面と事実関係をそろえて専門家へ確認します。
試用で確かめる一連の操作
- 架空の物件・契約者で、書面の準備と最終版の確認を行う。
- 社内承認と送信先の確認を行い、相手方の画面で閲覧・署名を試す。
- 不達・辞退・修正時の操作と、誰に通知されるかを確認する。
- 署名済み原本と操作記録を取得し、社内で検索・出力する。
- 管理者の交代、利用終了時のデータ取得、紙との併用を確認する。
電子契約の20項目 運用確認シートを保存する(テキスト)。法令適合を証明する書類ではなく、未確認事項と担当者を記録するシートです。
既存業務とつながるかを確認する
顧客・物件・契約を別々に管理している場合は、どの情報をどちらへ転記するかを書き出します。APIがあることだけで自社の連携が完成するわけではありません。対象データ、連携の向き、失敗時の再処理、開発費と保守担当まで確認します。
比較の方法と運営会社について
本記事は提供元の公開情報と、編集部が提案する確認手順を分けて掲載しています。5サービスを同条件で導入・実測した試験ではなく、点数や順位は付けていません。ウルスタ株式会社は不動産業務システムを提供する当事者です。自社製品の適合性も、実際の提供機能と契約条件で確認する必要があります。
よくある質問
Q. 無料プランだけで不動産契約に使えますか?
無料かどうかだけでは判断できません。人数・送信枠・管理権限に加え、対象書面の交付・本人確認・保存の運用が成り立つかを確認します。
Q. Acrobatを契約していればAcrobat Signの機能もすべて使えますか?
同じものとして扱わず、利用中の製品名・プランで使える電子サイン機能を確認してください。高度な認証や業務連携が必要なら、Sign Solutions等の対象条件を確認します。
Q. 一番安いサービスはどれですか?
人数、送信件数、契約期間、追加機能で総額が変わります。表の月額表示をそのまま順位にせず、同じ条件の見積もりで比べてください。
出典
公式情報の確認日:2026年9月9日。
- クラウドサイン:料金プラン
- Docusign:eSignature料金プラン
- Adobe:法人向けAcrobatとAcrobat Sign Solutions
- 電子印鑑GMOサイン:料金プラン
- freeeサイン:法人向け料金プラン
- 国土交通省:IT重説・書面電子化
- デジタル庁:電子署名
- 国税庁:電子取引関係