マイソクの必要記載事項は、全国共通の「12項目」で完結するものではありません。物件種別と広告媒体に応じて、不動産の表示に関する公正競争規約・施行規則の該当する別表を確認します。この記事では、確認作業を12のグループに分け、賃貸・売買のマイソクを広告に使う前のチェック方法を紹介します。
公式情報確認日:2026年9月9日。参照資料:不動産公正取引協議会連合会・規約集(2025年8月26日施行、PDF)。本記事の「12」は編集上の整理で、法令・規約の項目数を示しません。
必要な表示事項は、物件と媒体を選んで確認する
規約第8条と施行規則第4条では、物件種別ごとの別表と表示媒体欄で必要な事項を確認する仕組みになっています。別表には条件付きの項目や注記もあります。A4一枚の図面だから、インターネットでの掲載だからという理由だけで、同じチェック表を使い回さないようにします。
| 物件の例 | 確認する別表 |
|---|---|
| 中古の賃貸住宅 | 別表9。中古賃貸マンション・アパート、貸家など。新築賃貸で賃貸戸数が1戸のものも含む。 |
| 複数戸の新築賃貸 | 別表8。新築賃貸マンション・アパートで賃貸戸数が1戸のものを除く。 |
| 中古マンションの売買 | 別表7。新築分譲マンションで販売戸数が1戸のものも含む。 |
| 戸建て・一棟売り | 別表5の対象範囲を確認する。複数戸の新築分譲住宅などは別の表を使用する。 |
| 土地 | 売地・貸地などは別表3。分譲の形態や区画数によって別表1・2などの対象を確認する。 |
そのうえで、インターネット広告、新聞折込チラシ等などの該当する欄を読みます。配布方法がどの媒体区分に当たるか不明なら、所属する公正取引協議会へ確認します。業者間資料を一般消費者向けに転用するときも、掲載内容を点検してください。出典:上記規約集の施行規則第4条・別表1〜10。
広告前に確認する12のグループ
以下は確認漏れを減らすための整理です。各グループに複数の表示事項を含み、該当する別表の全項目と注記を照合して使います。
| 確認グループ | 照合する内容 |
|---|---|
| 1. 広告主 | 商号・事務所所在地・電話番号・免許番号・所属団体等。別表の媒体欄に必要な情報を落としていないか。 |
| 2. 取引態様 | 売主・貸主・代理・媒介など、実際の立場と表示が一致しているか。 |
| 3. 物件の特定 | 所在地、対象の棟・住戸、物件種別。別の部屋の情報が混ざっていないか。 |
| 4. 交通 | 駅・停留所、移動経路、所要時間。地図の直線距離を徒歩の経路と取り違えていないか。 |
| 5. 面積・土地条件 | 専有面積、建物・土地面積、私道負担など。図面と元資料で数値や区分が一致するか。 |
| 6. 建物情報 | 構造、階数、所在階、建築年月や完成予定。完成前と完成済みを取り違えていないか。 |
| 7. 賃料・価格 | 募集条件の最新額と一致するか。賃料と管理費等を混同していないか。 |
| 8. その他の費用 | 礼金、敷金・保証金と償却、管理費等、保険、保証会社利用条件など。条件がある項目は内容と額を確認する。 |
| 9. 契約と利用条件 | 定期建物賃貸借の有無、表示が必要な契約期間、設備・駐車場の利用条件など。 |
| 10. 入居・引渡し | 入居可能時期や引渡し可能年月。確認前の予定を確定日として表示していないか。 |
| 11. 写真・補足情報 | 対象住戸、撮影時点、写真と現況の違い。設備の有無や利用条件を説明できるか。 |
| 12. 情報の期限 | 取引条件の有効期限、公開日・直前更新日・次回更新予定日など、媒体で必要な日付。募集終了や条件変更を反映したか。 |
物件・媒体・確認元を書き込めるチェック表を保存する(テキスト)。表の各欄には、確認した元資料と確認日も残してください。
賃貸では、初期費用と入居時期の扱いに注意
たとえば、別表9の中古賃貸住宅のインターネット広告では、入居可能時期、取引条件の有効期限、情報公開日等が必要な表示事項に含まれます。旧稿では入居可能日を単に「反響を上げる追加項目」としていましたが、媒体によって必要な項目です。
敷金・礼金、保証会社との契約を条件とする場合の表示なども、任意の飾り情報として扱わず、別表の条件と注記を確認します。契約開始から満了までに、表に挙がる費用以外の費用が必要な場合の表示にも注記があります。出典:規約集・別表9(冊子46ページ/PDF48ページ)。
賃料と別の費用を分ける記載例
「賃料8万円、管理費5,000円」のように費目を分け、そのほか必要な費用や契約条件を確認します。この数値は説明用です。月額85,000円という小計だけでは、敷金・礼金・保証料等を含む初期費用総額にはなりません。金額未確認の費用をゼロとして合計しないでください。
売買では、土地・権利・管理に関する欄を追加する
売買用のマイソクは、賃料欄を価格に変えるだけでは足りません。土地や戸建てなら土地面積・私道負担・法令上の制限など、中古マンションなら管理費・修繕積立金等や管理形態など、該当する別表で確認する事項が変わります。物件ごとの条件は登記、調査資料、管理関係書類等と照合します。
広告への表示と、重要事項説明や契約前の調査・説明は別の確認工程です。「マイソクに記載したから説明が完了した」「12グループを埋めたから法令に適合した」と判断しない運用にしてください。
掲載前の修正例と、見やすさの確認
次は点検用に作成した例です。特定の会社の違反事例を示すものではありません。
- 別住戸の写真を対象住戸の写真のように配置している:写真の出所と対象を確認し、誤認を招かない表示に修正する。
- 未確認の設備を「あり」にしている:元資料と管理側へ確認し、未確認のまま断定しない。
- 募集条件を変えたが古いPDFが残っている:サイト、ポータル、配布用PDFの更新先を一覧にして差し替える。
- 小さな文字に費用や条件が集中している:スマートフォンと印刷の両方で、費目と金額を読めるか確認する。
写真の配置や見出しは読みやすさを改善する工夫です。反響の増加率を一律に約束せず、必要な表示を保ったうえで問い合わせ内容や確認漏れを記録します。
よくある質問
Q. マイソクは12項目を書けば足りますか?
足りるとは限りません。12はこの記事の確認グループです。物件種別・広告媒体に対応する別表の全項目と注記を確認してください。
Q. 入居可能時期や敷金・礼金は任意ですか?
一律に任意とはいえません。たとえば別表9のインターネット広告では入居可能時期が必要な項目に含まれ、敷金・礼金等も必要とする場合の表示が定められています。
Q. 賃貸用の書式を売買に使えますか?
そのまま流用せず、売買物件に対応する別表と照合してください。土地・権利・管理費用など、確認する情報が変わります。
Q. AIで作成したマイソクも確認が必要ですか?
必要です。数値、写真、設備、契約条件、掲載時点を元資料と照合し、公開前の確認者を決めてください。
出典・訂正履歴
出典:本文中の不動産公正取引協議会連合会・規約集。施行規則第4条、別表5・7・8・9などを2026年9月9日に確認しました。チェック表と修正例は編集上の提案で、規約本文を置き換えるものではありません。
訂正履歴(2026年9月9日):「法的必須12項目」「載っていなければ違反」という一律の説明を修正しました。入居時期・費用を単に任意項目としていた説明、裏付けを確認できない反響・質問削減率、監修済み・自動判定機能の記述も整理しました。
