賃貸管理 読了 21分

梅雨の雨漏り・漏水対応2026|管理会社の初動SOP・賃料減額・水害リスク説明の実務

関東甲信・東海も梅雨入りし、雨漏り・漏水の入電が集中する季節に入りました。「止める・広げない・記録する・報告する」の初動SOP、賃料の当然減額への備え、保険の使い分け、梅雨前点検とハザードマップ重説まで、210室を運営する立場から現場の型を解説します。

馬場生悦
宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士
梅雨の雨漏り・漏水対応2026|管理会社の初動SOP・賃料減額・水害リスク説明の実務
目次

6月7日に気象庁から東海・関東甲信の梅雨入りが発表され、近畿以西もすでに雨の季節に入りました。賃貸管理の現場にとって梅雨は、雨漏り・漏水の入電が一年でもっとも集中しやすい時期の入り口です。天井のシミ、サッシからの吹き込み、ベランダ排水の詰まり、上階からの水漏れ——どれも初動を誤ると、入居者の家財被害、階下への二次被害、オーナーとの費用負担トラブルへと一気に広がります。しかも2020年4月施行の改正民法では、雨漏りなどで部屋の一部が使えなくなった場合、賃料は入居者の請求を待たずに「当然に」減額されることになりました。対応の遅れが、そのまま賃料収入とオーナーの信頼を削る時代です。梅雨の漏水対応は「起きてから考える」のではなく、受付から24時間の初動を型として決めておくことで、被害も紛争も大きく減らせます。本記事は、ウルスタ代表として宅地建物取引業を営み、自社で210室規模の賃貸住宅を管理・客付けする立場から、梅雨に増える3つの水のトラブルの構造、入電から24時間の初動SOP、賃料減額と修繕義務の整理、保険の使い分け、そして水害ハザードマップの重要事項説明まで、中小不動産会社の実務として整理します。

なぜ今か — 梅雨入りと出水期、漏水入電が集中する季節

まず季節の現在地です。気象庁の発表によると、今年は6月4日ごろに九州北部・中国・近畿が、6月7日には東海・関東甲信が梅雨入りしました。関東甲信はほぼ平年並みの時期と報じられています。あわせて6月から10月は河川の増水や浸水が起きやすい「出水期」とされ、自治体や気象機関からは大雨への備えの呼びかけが続きます。近年は梅雨の後半に線状降水帯による集中的な大雨が各地で発生しており、気象庁は半日前からの予測情報の発表など、危険の前倒しの周知を強めています。つまりこれからの1〜2か月は、雨量も、雨に起因する設備トラブルも、確率的に増えることがあらかじめ分かっている期間です。

管理の現場感覚でも、梅雨どきは「天井から水が垂れてきた」「壁紙が浮いてカビくさい」「ベランダの排水口から水があふれた」といった入電が明らかに増えます。繁忙期の入退去が一段落し、現場が落ち着きを取り戻すこの時期に、漏水対応の型と連絡網を整えておくかどうかで、7月・8月の現場の疲弊度はまったく変わります。梅雨入りの発表は、賃貸管理会社にとって「水のトラブルの初動SOPを点検せよ」という合図だと捉えるのが実務的です。

梅雨が賃貸管理にもたらす3つの水のリスク

ひとくちに「水のトラブル」と言っても、原因と責任の所在、使える保険は大きく異なります。現場で混線しないよう、まず3つに分けて整理します。

リスク①:雨漏り・吹き込み — 建物起因、オーナーの修繕義務の世界

屋根や外壁の劣化、防水層の切れ、シーリングの痩せ、サッシまわりの隙間などから雨水が室内に入るケースです。原因は建物側にあるため、修繕の費用負担は原則としてオーナー側の話になります。民法606条は、賃貸人が賃貸物の使用収益に必要な修繕義務を負うと定めており、雨漏りの放置は義務の不履行と評価されかねません。やっかいなのは、雨漏りは「雨が降ったときにしか再現しない」ことです。侵入経路の特定に時間がかかり、応急処置と本格修繕の二段構えが必要になることを、最初から入居者とオーナーの双方に伝えておくと、その後の調整が楽になります。

リスク②:漏水・水濡れ — 専有部・設備起因、当事者が複数になる世界

上階の洗濯機ホースの外れ、給排水管の劣化、ベランダ排水口の詰まりによるあふれなど、建物内部の水が原因のケースです。雨漏りとの最大の違いは、加害側・被害側という複数の当事者が生まれやすいことです。上階入居者の過失なのか、共用部の配管劣化なのかで、責任の所在も使う保険も変わります。原因の切り分けが終わる前に「誰が悪い」を口にしないことが、現場対応の鉄則です。断定が先行すると、後で原因が違ったときに収拾がつかなくなります。

リスク③:浸水・水害 — 自然災害起因、ハザードマップと説明義務の世界

大雨による床上・床下浸水、駐車場の冠水、エレベーターや受変電設備の水没といった、自然災害としての水害です。ここは個別の過失ではなく、立地のリスクと事前の備え、そして契約時の情報提供が問われる領域になります。2020年8月施行の宅建業法施行規則の改正で、水防法に基づくハザードマップ上の物件所在地の説明が重要事項説明に追加されており、賃貸の媒介でも義務です。詳しくは後述しますが、梅雨と台風の季節は、この説明が「紙の上の儀式」ではなく入居者の命と家財に関わる情報であることを再認識する時期でもあります。

入電から24時間 — 漏水トラブル初動SOP

水のトラブルは、最初の24時間の動きで被害の規模と紛争の芽がほぼ決まります。当社で運用している初動の型を、時系列で整理します。

段階目安時間やること
受付入電直後「今も水が出ているか」をまず確認。場所・量・色・におい・上階の在室を聞き取り、スマホでの撮影を依頼
応急指示〜30分家財の移動・受け皿・ブレーカー周りの注意を案内。設備起因の疑いがあれば止水栓・元栓の閉栓を案内
現地・手配〜数時間緊急度に応じて協力業者または自社で現地確認。上階・隣戸への聞き取りと立入りの調整
報告当日中オーナーへ第一報(原因の見立て・応急処置・想定費用の幅)。断定はせず「調査中」を明記
記録24時間以内写真・動画・聞き取り内容・対応時刻を時系列で記録。保険会社への連絡要否を判断

受付段階でもっとも重要な質問は「今も水が出ていますか」です。進行中なら被害は分単位で拡大しますから、原因究明より先に止めることに全力を注ぎます。設備起因が疑われるなら止水栓・元栓を閉めてもらう。上階が原因らしければ、上階の入居者に在室確認と使用停止を依頼する。「止める→広げない→記録する→報告する」の順番を全スタッフが言えるようにしておくことが、SOPの核心です。

そして記録です。濡れた天井や壁、床、被害を受けた家財は、片付ける前に必ず写真と動画で残してもらいます。保険請求にも、当事者間の費用負担の調整にも、後日の紛争予防にも、時系列の記録がすべての土台になります。対応した時刻、話した相手、伝えた内容をその都度残す。電話で済ませた内容も、要点をメールやアプリのメッセージで再送して文字にしておくと、「言った言わない」を避けられます。

最重要:二次被害と「放置の証拠化」を防ぐ
漏水対応で本当に怖いのは、最初の水濡れそのものより、対応の遅れが生む二次被害です。濡れたまま放置された天井裏や壁内は、カビと腐食を進め、階下への漏水や電気設備の故障につながります。そして対応の遅れは、入居者側から見れば「管理会社が動かなかった証拠」として積み上がっていきます。初動の目的は、原因の完全解明ではなく、被害の拡大を止めて記録を残すことです。原因調査と責任の整理は、水が止まってからでも間に合います。逆は成り立ちません。

賃料減額と修繕義務 — 改正民法をどう運用するか

2020年4月施行の改正民法611条は、賃借物の一部が滅失その他の事由により使用収益できなくなった場合、賃料は「その使用及び収益をすることができなくなった部分の割合に応じて、減額される」と定めました。改正前の「請求できる」から「当然に減額される」へ変わった点がポイントで、雨漏りで居室の一部が使えない状態が続けば、入居者が請求しなくても法律上は賃料が減る建て付けです。だからこそ、対応の速さがそのまま減額幅の小ささにつながります。どの程度の支障で何割減額かについて一律の法定基準はなく、実務では業界団体のガイドラインなどを参考に、支障の程度と日数をもとに当事者間で協議して決めるのが一般的です。減額協議の進め方や目安の考え方は、設備故障時の賃料減額SOPとして別記事で詳しく整理していますので、あわせてご覧ください。

修繕義務の側も確認しておきます。民法606条により、雨漏りや配管劣化など建物起因の不具合の修繕は原則オーナーの義務です。一方、入居者の過失(洗濯機ホースの外れなど)による損害は入居者側の負担となり、607条の2では、入居者が修繕の必要を通知しても相当期間内に修繕されない場合や急迫の事情がある場合に、入居者自身が修繕できることも定められました。管理会社の役割は、この三者(オーナー・入居者・原因者)の間で、事実と記録に基づいて費用負担を整理し、感情的な対立に発展させないことです。そのためにも、入電時からの時系列記録が効いてきます。

保険の使い分け — 火災保険・施設賠償・借家人賠償

水のトラブルの費用負担を現実に支えるのは保険です。よく使う3つを整理します。第一に、オーナーが建物に掛ける火災保険です。風災・雹災・雪災補償で屋根や外壁の被害を、水濡れ補償で給排水設備の事故による室内被害を、水災補償で浸水被害をカバーするのが一般的な構成です。ここで注意したいのは、経年劣化による雨漏りそのものは保険の対象外とされるのが原則という点です。台風で瓦が飛んで雨漏りした場合は風災として対象になり得ますが、防水層の寿命による漏りは修繕費としてオーナーが負担する話になります。「保険が使えるかどうか」を安易に断言せず、保険会社・代理店への確認を挟む運用が安全です。

第二に、オーナー向けの施設賠償責任保険です。建物の保存・管理の不備が原因で他人に損害を与えた場合の賠償をカバーします。外壁や共用部からの漏水で入居者の家財を濡らしたようなケースで検討します。民法717条の工作物責任は、工作物の設置・保存の瑕疵による損害について占有者・所有者の責任を定めており、建物起因の事故では所有者の責任が問われ得るため、賃貸経営における施設賠償はほぼ必須の備えと言えます。第三に、入居者側の借家人賠償責任保険と個人賠償責任保険です。入居者の過失で部屋や階下に損害を与えた場合に機能します。入居時に加入していても、更新時に失効しているケースが現場では珍しくありません。梅雨前は、入居者の保険の更新状況を確認する良いタイミングでもあります。

原因の切り分けが、使う保険を決める
同じ「天井から水」でも、台風由来なら風災、給排水管の事故なら水濡れ、上階入居者の過失なら借家人賠償、共用部の管理不備なら施設賠償と、原因によって窓口になる保険が変わります。だからこそ初動の記録と原因調査が、そのまま保険請求の成否に直結します。写真・動画・時系列メモは「保険金請求の添付書類を最初から作っている」つもりで残すと、現場の意識がそろいます。なお、補償範囲や免責は契約により異なるため、個別の可否は必ず保険会社・代理店に確認してください。

水害ハザードマップの重説 — 2020年義務化の再点検

2020年8月施行の宅建業法施行規則の改正により、重要事項説明に「水防法の規定に基づき作成された水害ハザードマップにおける対象物件の所在地」が追加されました。売買だけでなく賃貸の媒介・代理でも義務であり、洪水・雨水出水(内水)・高潮のハザードマップで物件の位置を示して説明します。施行から6年近くが経ち、現場では説明が形式化しがちですが、梅雨と台風の季節は、この説明の意味を再点検する好機です。ハザードマップ上のリスクの説明は、入居者が「どの階に住むか」「水災補償を付けるか」「車をどこに停めるか」を判断する材料そのものです。

実務の工夫としては、重説時にハザードマップの該当ページを渡すだけでなく、自治体の最新版への更新を年1回確認すること、浸水想定のある物件では避難場所と垂直避難の考え方を一言添えること、管理物件の入居者には出水期前に防災情報の入手先(自治体の防災アプリやキキクル等)を案内することが挙げられます。説明した事実は重説の記録として残り、万一の際に「知らされていなかった」という紛争を防ぎます。なお、ハザードマップは更新されることがあるため、印刷物の使い回しではなく、説明の都度、最新版を確認する運用を徹底したいところです。

梅雨前点検 — 入電を減らす予防とオーナー提案

初動SOPと並ぶもう一つの柱が、入電そのものを減らす予防です。チェックすべき箇所は難しいものではありません。屋上・バルコニーの排水口(ドレン)の落ち葉・ゴミの除去、雨樋の詰まりと外れ、屋根材・板金の浮き、外壁のひび割れとシーリングの状態、共用廊下の排水、敷地内の側溝。戸建てや小規模アパートなら、半日の巡回で一通り確認できます。とくにドレンと雨樋の詰まりは、費用がほぼかからない清掃だけで「ベランダから室内に水があふれた」という最悪の入電を防げる、費用対効果の高い点検です。

そして点検結果は、そのままオーナーへの報告と提案の材料になります。「梅雨前点検を実施しました。今年は問題ありませんでした」という報告だけでも、管理会社への信頼は積み上がります。劣化が見つかれば、写真付きで現状と放置した場合のリスク、概算費用を示して修繕を提案する。雨漏りが起きてからの事後対応より、起きる前の計画修繕のほうが、費用も工期も小さく済むのが通例です。空室対策や賃料の話だけでなく、建物を守る提案ができる管理会社であることは、管理替えの営業を受けたオーナーが踏みとどまる理由になります。

立場別の影響と、いますぐの対応

同じ梅雨でも、立場によって優先順位は変わります。自社と顧客の状況に置き換えて確認してください。

立場いま起きていることいますぐの対応
賃貸管理会社雨漏り・漏水の入電が増える季節入り初動SOPと緊急連絡網・協力業者体制の点検
オーナー建物劣化が雨で顕在化しやすい梅雨前点検の実施と火災保険・施設賠償の確認
入居者水濡れ・カビ・浸水リスクが高まる借家人賠償・個人賠償の有効性と避難情報の確認
売買・客付の担当水害ハザードマップ重説の重みが増す最新版マップでの説明と記録の徹底
自社の経営層夏期の現場負荷が読める時期対応履歴の記録ルールと当番体制の整備

とりわけ効くのは、入電時の聞き取り項目と「止める→広げない→記録する→報告する」の順番を、紙一枚のSOPにして全スタッフに配ることです。属人的な経験則を型にしておけば、新人でも初動を外しません。あわせて、夜間・休日の緊急連絡の流れ(コールセンターか当番制か、協力業者の緊急対応の可否)を、雨が強くなる前に一度テストしておくと安心です。

よくある質問

Q1. 雨漏りの修繕費は、必ずオーナー負担ですか。
建物の劣化や防水の不具合が原因なら、民法606条の修繕義務により原則オーナー負担です。ただし、入居者の使い方が原因の場合(ベランダにゴミを溜めて排水を塞いだ等)は入居者側の負担となり得ます。原因の切り分けが先、負担の話はその後、という順番を守ることが紛争予防になります。

Q2. 雨漏りで部屋の一部が使えません。賃料は下がりますか。
2020年4月施行の改正民法611条により、使用できなくなった部分の割合に応じて賃料は当然に減額されるとされています。何割をいつから減額するかの一律の基準はなく、支障の程度と期間をもとに協議して決めるのが実務です。管理会社としては、速やかな応急処置で支障の期間を短くすることが、減額幅を小さくする最善策になります。

Q3. 上階からの水漏れで入居者の家財が濡れました。誰が賠償しますか。
原因によります。上階入居者の過失なら、その入居者(借家人賠償・個人賠償保険)が窓口になります。共用部の配管劣化など建物起因なら、オーナー側(施設賠償責任保険等)の検討になります。原因調査が終わる前にどちらかに断定して伝えるのは禁物です。「調査中」と伝え、記録を整えてから整理しましょう。

Q4. 経年劣化の雨漏りに火災保険は使えますか。
原則として、経年劣化そのものによる雨漏りは火災保険の対象外とされています。台風や突風で屋根材が破損して雨漏りした場合は風災として対象になり得ます。境目の判断は難しいため、写真と被害状況の記録を揃えたうえで、保険会社・代理店に確認するのが確実です。

Q5. 水害ハザードマップの説明は、賃貸でも必要ですか。
必要です。2020年8月施行の宅建業法施行規則の改正で、水防法に基づく水害ハザードマップにおける物件所在地の説明が重要事項説明の項目に追加されており、売買だけでなく賃貸の媒介・代理も対象です。最新版のマップで位置を示し、説明した記録を残してください。

Q6. 夜間に「天井から水が落ちてくる」と電話が来ました。業者がつかまらない場合は。
まず被害の拡大を止めることに集中します。家財の移動と受け皿の設置、設備起因が疑われるなら止水栓・元栓の閉栓、上階が原因らしければ上階への声かけを依頼します。電気系統に水がかかっている場合は感電・漏電の危険があるため、ブレーカーの該当回路を切る案内も検討します。応急処置と記録ができていれば、本格対応は翌朝でも立て直せます。

Q7. 梅雨前点検は、管理委託費の範囲でどこまでやるべきですか。
契約内容によりますが、目視中心の巡回点検(ドレン・雨樋・外壁・共用部排水の確認)は通常の管理業務の延長で実施し、足場や高所作業を伴う詳細調査・清掃は別途見積りでオーナーに提案する、という切り分けが現実的です。点検の実施と結果は、写真付きでオーナーに報告し、記録として残すことをおすすめします。

まとめ:雨の季節を「信頼を積む季節」に変える

梅雨入りした今、賃貸管理の現場がやるべきことは三つです。入電から24時間の初動SOPを型にして全スタッフに共有すること、ドレン・雨樋・外壁の梅雨前点検で入電そのものを減らすこと、そして保険とハザードマップ重説という制度の備えを点検することです。雨漏りも漏水も、発生そのものをゼロにはできません。しかし、最初の電話で何を聞き、何を止め、何を記録するかが決まっていれば、被害は小さく、紛争は起きにくく、オーナーへの報告は速くなります。改正民法で賃料の当然減額が明文化された今、対応の速さは管理品質そのものです。水のトラブルへの対応は、入居者とオーナーの双方から信頼を試される場面であると同時に、丁寧に対応すれば双方からの信頼が一段深まる場面でもあります。雨の季節を、現場が疲弊する季節ではなく、信頼を積み上げる季節に変えていきましょう。今日も一件、丁寧に積み上げていきましょう。

漏水対応の履歴を、担当者の記憶からチームの記録へ
ウルスタは、中小不動産会社の物件・契約・オーナー・入居者情報と対応履歴を一元管理できる業務クラウドを提供しています。漏水トラブルの対応は、入電の時刻、聞き取った内容、応急処置、業者手配、オーナー報告と、記録すべき情報が短時間に集中します。物件ごとの対応履歴が時系列で残っていれば、保険請求にも、賃料減額の協議にも、翌年の梅雨前点検にもそのまま使えます。「あの部屋、去年も雨漏りしませんでしたか」に即答できる管理会社を、日々の入力の延長でつくっていきましょう。

著者: 馬場生悦(宅地建物取引士)。ウルスタ代表。中小不動産会社向け実務メディアを運営する傍ら、自社で210室規模の賃貸住宅を管理・客付けする。本記事は、公表された法令・気象庁の発表・国土交通省の資料の概要、報道、専門家の解説に基づく一般的な実務整理であり、賃料減額の幅、保険の適用可否、費用負担の判断は個別の契約・事実関係によるため、最新の公表資料および弁護士・保険会社・代理店等の専門家に確認のうえ判断すること。気象に関する記述は2026年6月10日時点の発表・報道に基づく。

参考: 気象庁「令和8年の梅雨入りと梅雨明け(速報値)」および日本気象協会の梅雨入り予想・解説(2026年6月) / 民法606条・607条の2・611条・717条(2020年4月施行の債権法改正を含む) / 国土交通省「宅地建物取引業法施行規則の一部改正(水害リスク情報の重要事項説明への追加・2020年8月施行)」 / 国土交通省ハザードマップポータルサイト / いずれも2026年6月時点の公開情報をもとに整理