国土交通省は2026年8月28日、令和9年度予算の概算要求概要を公表しました。住宅局の要求額は4,187億円で、前年度予算1,721億円の2.43倍です。金額の大きさに目が行きますが、本稿が見たいのは「中小の賃貸管理会社・仲介会社の来年の仕事に、どの項目が関わるか」です。住宅局と不動産・建設経済局の資料を実際に読み、賃貸管理に関わる7項目を要求額・補助率・上限額とともに拾いました。あわせて、概算要求という文書の読み方、つまり「要求」であって「決定」ではないことと、年末までに金額が動くことを先に書きます。
結論(90秒で読める)
- 国交省全体の一般会計要求は8兆7,694億円。前年度当初予算の1.44倍(令和7年度補正の恒常的経費を加えた額との比較では1.35倍)。このうち住宅局は4,187億円で、全体の約4.8%(本稿の計算)。
- 住宅局は前年度の2.43倍。公共事業3,585億円(2.18倍)に対し、行政経費が602億円で7.87倍。行政経費の伸びの中心は、新規の「みらいエコ住宅2027事業」2,000億円です。
- 賃貸管理会社に直接関わる新規は3つ。空き家のサブリース事業に融資する住宅金融支援機構の新制度、管理会社と居住支援法人が組む居住サポート住宅のモデル事業、そして不動産・建設経済局の賃貸住宅管理業者の「評価制度」創設のための技術的設計。
- 概算要求は8月末の「要求」です。財務省の査定を経て年末の政府予算案で金額が決まり、国会の審議を経て3月末に成立するのが例年の流れ。いま提案に使えるのは「来年こういう制度が要求されている」という予告までで、補助額を約束してはいけません。
8月28日に公表されたもの|概算要求は「要求」である
国土交通省は8月28日、「令和9年度予算概算要求概要」と「令和9年度国土交通省税制改正要望事項」を同日に公表しました。税制改正要望のほうは別の記事で書きました。本稿は予算側です。
全体概要の1ページ目「令和9年度予算概算要求のポイント」にある数字はこうです。一般会計8兆7,694億円、うち「強く豊かな日本」投資枠1兆5,508億円。公共事業関係費7兆6,761億円、非公共事業1兆933億円(その他施設費876億円、行政経費1兆57億円)。東日本大震災復興特別会計359億円、財政投融資2兆134億円(1.47倍)。
数字の読み方|〈〉と()の2つの倍率
資料の倍率には2種類あります。〈1.35倍〉と(1.44倍)です。注記によると、〈〉は令和7年度補正予算のうち恒常的な経費を令和8年度当初予算に加えた額との比較、()は令和8年度当初予算との比較です。近年は補正予算で恒常的な事業を積む運用が続いているため、当初予算どうしを比べると倍率が大きく出ます。本稿では、住宅局の資料が当初予算との比較(2.43倍)しか載せていないので、その数字で書きます。
もう一つ、「事項要求」という言葉があります。金額を書かずに項目だけを要求し、予算編成過程で検討するものです。全体概要では、国土強靱化実施中期計画に基づく経費、労務費確保や資材価格高騰を考慮した公共事業の経費、戦略産業クラスター等のインフラ整備の経費が事項要求になっています。つまり8兆7,694億円は上限ではなく、ここに載っていない金額がまだあるということです。
年末までの流れ
概算要求は各省が財務省に出す「要求」です。ここから財務省の査定があり、12月下旬に政府の予算案が閣議決定され、1月からの国会審議を経て3月末に成立する、というのが例年の流れです(この段落は資料の記述ではなく、一般的な予算編成の順序です)。要求額がそのまま通ることはなく、新規事業は名称や補助率が変わることもあります。本稿に出てくる金額は、すべて「要求した額」です。
住宅局4,187億円の中身|2.43倍の内訳と5本柱
住宅局関係の予算総括表は、たった3行です。
| 事項 | 令和9年度 要求・要望 | 令和8年度 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 公共事業 | 3,585億円 | 1,644億円 | 2.18倍 |
| 行政経費 | 602億円 | 76億円 | 7.87倍 |
| 合計 | 4,187億円 | 1,721億円 | 2.43倍 |
増加額は2,466億円(本稿の計算)。うち行政経費が526億円増えています。行政経費は補助金や委託費など、公共事業費の枠に入らない支出です。資料の各施策を見ると、行政経費の伸びの大部分は新規の「みらいエコ住宅2027事業」2,000億円で説明がつきます(この事業は「※このほかGX経済移行債がある」と注記されており、2,000億円のほかにも財源があります)。なお総括表には「計数はそれぞれ四捨五入しているため、端数において合計とは一致しない場合がある」と注記されています。
重点施策は5本柱です。1. 住まい・くらしの安全確保、良好な市街地環境の整備(耐震化・密集市街地・被災地の住まい)、2. 既存ストックの有効活用と流通市場の形成(空き家・マンション・既存住宅流通)、3. 誰もが安心して暮らせる多様な住まいの確保(こども・子育て、住まいのセーフティネット、バリアフリー)、4. 住宅・建築物分野の省エネ・脱炭素取組の推進、5. 供給力強化に向けた担い手の確保・生産性の向上。賃貸管理会社に関わるのは、主に2・3・4です。
背景として資料が挙げているのは、令和8年3月27日に閣議決定された新たな住生活基本計画(全国計画・計画期間 令和8年度から令和17年度)です。「ニーズに応じた住宅を適時適切に確保できる循環型市場の形成」「既存の住宅・住宅地の市場を通じた本格的な有効活用」「分野横断的な連携による『気づき』と『つなぎ』のある居住支援の充実」。資料の言葉を並べると、新築を増やす予算ではなく、既にある住宅を回す予算だと分かります。
賃貸管理会社に関わる7項目
1. 賃貸住宅管理業者の「評価制度」|技術的設計に入る
これは住宅局ではなく、不動産・建設経済局の資料にあります。「地域価値共創に向けた優良な不動産ストックの流通・利活用」という項目で、要求額は173百万円(前年度8百万円・22.51倍、うち「強く豊かな日本」投資枠138百万円)。その中に、こう書かれています。
「地域価値共創の中核を担うことが期待される賃貸住宅管理業者の取組の質の向上や可視化を促すための、ガイドラインの策定や評価制度の創設のための技術的設計を行う。(R7.2社会資本整備審議会不動産部会において報告・了承)」
賃貸住宅管理業は、登録制度(管理戸数200戸以上の登録義務)が2021年に始まりましたが、登録しているかどうかの二値しかなく、管理会社の「質」を外から見る仕組みはありません。資料はその評価制度を「創設のための技術的設計」まで進めると言っています。令和9年度は設計の年で、制度が動くのはその先です。ただ、評価の物差しが何になるか(入居者対応の記録、修繕の計画性、オーナーへの報告頻度、金銭管理の分別など)は、いまの自社の管理業務がそのまま採点対象になる可能性がある、ということです。同じ項目には「不動産管理業者を核とした連携パターン等のモデル事例の充実を図る」ともあり、管理会社を地域の福祉・商業・金融とつなぐ役に置く構図が見えます。
2. みらいエコ住宅2027事業|新規2,000億円
住宅局の新規事業で、要求額は2,000億円(※このほかGX経済移行債がある)。「2030年度以降の『新築住宅におけるZEH水準に相当する省エネ性能の確保』を確実に実現するため、ZEH水準の省エネ性能が確保された住宅の新築及び既存住宅の省エネ改修等を支援する事業を創設する」とあります。資料はZEH水準への適合率(令和6年度)を60.1%と示しています。
名称から分かるとおり、いま動いているみらいエコ住宅2026事業の翌年度版です。2026事業の賃貸向けの補助額や手順は上の記事に書きましたが、2027事業の補助額・対象・賃貸住宅の扱いは、概算要求の資料には書かれていません。来年も同種の事業が要求されている、と言えるのはここまでです。オーナーに「来年もある」と言うときは、要求段階であることを添えてください。
3. 空き家のサブリースに融資|住宅金融支援機構の新制度
「住宅ストックを活用した賃貸住宅融資制度の創設(住宅金融支援機構)」。新規で、要求額は独立行政法人住宅金融支援機構出資金(21億円)の内数です。資料の概要はこうです。「空き家のサブリース事業や比較的良い状態の空き家を賃貸流通させる取組等を金融面から支援する」「様々な住宅ストックを賃貸住宅として活用する新たなソーシャルビジネスを金融面から支援し、その普及・定着を図る」。図では、住宅借上事業者等が空き家や公的賃貸住宅ストックをリフォームし、子育て世帯や中低所得者層に貸す流れに「リフォームへの融資」が入り、出資金で信用リスクに対応すると書かれています。
中小の管理会社が空き家を借り上げて貸す事業は、資金調達が最初の壁です。民間金融機関は「他人の家のリフォーム費」に担保を取れないので貸しにくい。ここに機構の融資が入るなら、話が変わります。ただし、融資の要件・金利・上限は資料に無く、制度は要求段階です。
4. 居住サポート住宅のモデル事業|管理会社×居住支援法人
「みんなが安心して良い住宅セーフティネットを提供できる環境整備モデル事業」。新規で、スマートウェルネス住宅等推進事業(183.04億円)の内数です。「居住支援協議会への参加等、地方公共団体との一定の連携を前提に、居住サポート住宅の供給促進を図る先導的な取組や発展的な居住サポート住宅の活用に資する先導的な取組に対する支援を行う事業を創設する」。
資料は型を2つ図示しています。【多主体連携型】は「管理会社と居住支援法人等が連携体制を構築してビジネスモデルの確立に向けた調査・検討を行う等、当該地域での居住サポート住宅の供給促進を図る先導的な取組」。【サブリース型】は居住支援法人がマスターリース契約で借り上げ、住宅確保要配慮者にサブリースし、見守りなどの入居中支援を行う型で、家賃債務保証業者や終身建物賃貸借契約との連携も描かれています。どちらの図にも「管理会社」が登場します。
居住サポート住宅そのものは、改正住宅セーフティネット法で始まった制度で、実務の4ステップは別の記事に書きました。あの記事の時点では「居住支援法人と組む」の先が見えにくかったのですが、来年度は「組んで調査・検討すること」自体がモデル事業の対象として要求されています。関連して「居住支援協議会等活動支援事業」は12.98億円で継続、補助率は定額(国10/10)、居住支援法人は上限700万円(スタートアップ加算該当なら750万円)。居住支援法人は令和8年6月30日時点で1,196法人、協議会は192(全都道府県・157市区町村)と資料にあります。
5. 空き家対策総合支援事業70.80億円と、都市部の空き家
「空き家対策総合支援事業、空き家再生等推進事業」は拡充で、要求額70.80億円(ほかに社会資本整備総合交付金等の内数)。補助率は、所有者が実施する除却が国2/5・所有者1/5・地方公共団体2/5、活用が国1/3・所有者1/3・地方公共団体1/3。拡充点は「地方公共団体による空家等の除却等を促進する減税等の所有者負担軽減措置分を地方公共団体負担額として考慮できるように支援を強化する」。自治体が固定資産税の減免などで所有者の負担を軽くした分を、自治体負担分に数えられるようにする、という意味です。資料は使用目的のない空き家が212万戸(2003年)から386万戸(2023年)へ1.8倍になったことを背景に挙げています。
もう一つ、「既成住宅地再生推進モデル事業」(拡充)は都市部の空き家が対象です。「都市部の空き家やその予備軍の流通促進・活用等の対策に取り組む自治体を支援」し、「自治体の相談・周知体制の強化や、空き家所有者等の負担となっている手続き費用や改修費への支援を拡充」。資料は売り手のボトルネック(片付け・親族との相談・手続きの手間、リスクの自覚が無い)と買い手のボトルネック(水回りが古いと選択肢に入らない)を並べ、手続き費用と改修費に支援を入れると書いています。仲介の現場で「売れそうなのに動かない相続空き家」を抱えている会社は、自社の市区がこのモデル事業に手を挙げるかを、来年度の公募で見てください。今年度の空き家対策モデル事業の採択結果は別の記事で分析しています。
6. 子育て支援型共同住宅推進事業|賃貸の改修に1/3
延長です。スマートウェルネス住宅等推進事業(183.04億円)の内数。補助対象は賃貸住宅の新築・改修と分譲マンションの改修。補助率は新築が事業費の1/10、改修が補助対象工事費の1/3。上限は新築125万円/戸、改修120万円/戸。対象工事は、衝突・転倒・転落の防止、ドアや窓の指づめ防止、感電や火傷の防止、こどもの様子を把握しやすい間取り、不審者の侵入防止、災害時の避難経路、宅配ボックスの設置。キッズルームなど交流を促す施設は新築625万円/棟、改修600万円/棟。宅配ボックスは「子育て世帯が居住世帯の3割以上である共同住宅の改修に限る」と注記があり、補助額は50万円/棟が限度です。
賃貸の改修で1/3、というのは、原状回復のついでに指づめ防止や転落防止を入れる程度の工事なら、オーナー提案の材料になります。ただし今年度の要領がそのまま続くかは要求段階では分かりません。
7. 不動産ID 5億円「皆増」と、犯収法
不動産・建設経済局の「建築・都市のDXのキーとなる『不動産ID』の整備推進」は要求額500百万円で、前年度0からの「皆増」(全額が「強く豊かな日本」投資枠)。「先行整備地域用の不動産IDデータを生成し、試験運用を開始する」とあり、工程表では令和8年度にID生成方法の確立、令和9年度に一部先行整備地域(東京都心部等を想定)における試験運用、2030年代に社会実装(本格運用)。日本郵便の住所データの網羅率が90%以上で、基データとして使う優位性を確認した、とも書かれています。不動産IDの仕組みと中小会社での使い方は別の記事に書きました。
同じ局の「地域価値共創」の項目には「不動産取引の透明性を確保するため、宅建業者における犯収法の義務等の確実な履行に向けた環境を整備し、マネロン等対策を的確に推進する」ともあります。今週、国交省不動産業課が「疑わしい取引の届出」の解釈を出し、チェックリストが10月に改訂される話は本日の記事に書きました。来年度も予算のついた継続テーマです。
ほかに目に入ったもの
「住宅・建築物省エネ等改修推進事業」は拡充で、住宅の省エネ型は省エネ基準で30万円/戸(交付対象費用の4割を限度)、ZEH水準で70万円/戸(8割を限度)、性能向上型(長期優良住宅化)は評価基準80万円/戸・認定基準160万円/戸、三世代同居・子育て世帯・既存住宅購入の場合は50万円/戸加算。「サービス付き高齢者向け住宅整備事業」は継続で新築最大150万円/戸(補助率1/3)。「マンション総合対策モデル事業」は32.40億円で継続。「優良住宅整備促進等事業費補助(フラット35)」は290.66億円で「金利引下げの対象となる住宅等の見直しを行う」と書かれており、見直しの中身はまだ出ていません。
数字の背景|資料に書いてある「大家の不安」
住宅局の資料は、施策の「背景」欄に統計を並べています。賃貸管理に近いものを拾います。
- 民間賃貸住宅の空き家:444万戸(2023年)
- 大家の不安感:高齢者、障害者の入居への拒否感 約7割。孤独死の不安が拒否理由 約9割
- 単身高齢者の世帯数:738万世帯(2020年)→ 887万世帯(2030年)。149万世帯の増(本稿の計算)
- 高齢者数:2,204万人(2000年)→ 3,622万人(2025年)。出生数:270万人(1949年)→ 67万人(2025年)
- 4人以上世帯(持家)の32%は100㎡未満に、高齢単身・夫婦世帯(持家)の54%は100㎡以上に住んでいる(住宅ストックと居住ニーズのミスマッチ)
「大家の拒否感7割・孤独死不安9割」は、管理会社が日々オーナーから聞いている言葉そのものです。国はこれを、居住支援法人の見守りと福祉サービスへの「つなぎ」で解く設計にしており、その接点に管理会社を置いています。第3項目の融資、第4項目のモデル事業、第1項目の評価制度は、別々の施策に見えて「管理会社が地域のハブになるなら、金と評価をつける」という一本の線でつながっています。
9月中にやること4つ
- 今年度の補助を使い切る。来年度の話は要求段階です。いま申請できるのは今年度の事業で、みらいエコ住宅2026事業や住宅省エネ2026キャンペーンには予算上限と締切があります。オーナーへの提案は「今年度分」を先に。
- オーナーへの説明は「要求」の言葉で。「来年度、空き家サブリースへの融資制度が要求されています」「居住サポート住宅のモデル事業が新設で要求されています」までが正確です。補助率・上限を約束すると、年末に削られたときに信用を失います。
- 自社の管理業務を「評価される前提」で棚卸しする。評価制度は設計段階ですが、物差しになりそうな項目(報告の頻度、修繕計画、金銭管理、入居者対応の記録)は、いま整えて損がありません。
- 自社の市区の居住支援協議会に、参加しているかを確かめる。第4項目のモデル事業は「居住支援協議会への参加等、地方公共団体との一定の連携」が前提です。参加していなければ、まず窓口を知ることから。協議会は192、居住支援法人は1,196です。
よくある質問
Q1. 概算要求の金額は、そのまま来年度の補助になりますか?
なりません。概算要求は各省が財務省に出す要求で、査定を経て年末の政府予算案で金額が決まり、国会で成立してから執行されます。新規事業は名称・補助率・要件が変わることもあります。本稿の金額はすべて「要求した額」です。
Q2. 住宅局が2.43倍というのは、公共事業が増えたのですか?
公共事業も2.18倍ですが、伸び率が大きいのは行政経費(76億円→602億円・7.87倍)です。各施策を見ると、新規の「みらいエコ住宅2027事業」2,000億円が行政経費の伸びの中心です。
Q3. みらいエコ住宅2027事業の賃貸向け補助額は分かりますか?
資料には書かれていません。「ZEH水準の省エネ性能が確保された住宅の新築及び既存住宅の省エネ改修等を支援する事業を創設する」「要求額2,000億円、このほかGX経済移行債がある」までです。今年度の2026事業の賃貸向けの手順は別の記事に書きました。
Q4. 空き家のサブリース事業への融資は、いつから借りられますか?
分かりません。住宅金融支援機構の制度創設が要求されている段階で、要件・金利・上限は資料にありません。予算が成立し、機構が制度要綱を公表してからです。
Q5. 賃貸住宅管理業者の評価制度は、登録業者の義務になりますか?
資料は「ガイドラインの策定や評価制度の創設のための技術的設計を行う」と書いており、令和9年度は設計の年です。義務か任意か、対象が登録業者に限るかは、資料からは分かりません。
Q6. 不動産IDは来年度から使えるようになりますか?
令和9年度は「一部先行整備地域(東京都心部等を想定)における試験運用」で、社会実装(本格運用)は2030年代と工程表にあります。全国の物件にIDが付くのはまだ先です。
ウルスタくんの位置づけ
本稿は予算の話で、制度の話です。私たちがつくっている「ウルスタくん」は賃貸管理のクラウドで、反響取込・顧客管理・書類作成・電子サイン・BB流通を1つの流れにしたものです。補助金の申請代行や、居住支援法人との連携をあっせんする機能はありません。本稿で書いた「管理業務の棚卸し」は、報告・修繕・金銭管理の記録が残る仕組みを持っているかの確認から始まります。まずは資料を一度、自分の目で読むこと。そこが先です。
出典(本文で参照している資料)
本稿の記述は、すべて2026年9月5日に実際に開いて読んだ次の資料にもとづきます。金額・補助率・上限額は資料の表記をそのまま使い、単位(億円・百万円)も資料に合わせました。
| 本稿で使った内容 | 資料 |
|---|---|
| 公表日(令和8年8月28日)、概算要求と税制改正要望を同日に公表、3つの重点 | 国土交通省「【令和8年8月28日】国土交通省 令和9年度予算概算要求概要等を公表」 |
| 全体概要と組織別(住宅局・不動産・建設経済局ほか)の資料一覧 | 国土交通省「令和9年度国土交通省予算概算要求概要」 |
| 一般会計8兆7,694億円、〈1.35倍〉(1.44倍)の2つの倍率とその注記、「強く豊かな日本」投資枠1兆5,508億円、公共事業関係費・非公共事業・財政投融資、事項要求の3項目 | 国土交通省「令和9年度予算概算要求概要」(全体・PDF) |
| 予算総括表(公共事業3,585億円・行政経費602億円・合計4,187億円、前年比)、5本柱、新たな住生活基本計画、みらいエコ住宅2027事業(2,000億円)、住宅ストックを活用した賃貸住宅融資制度の創設、みんなが安心して良い住宅セーフティネットを提供できる環境整備モデル事業(多主体連携型・サブリース型)、居住支援協議会等活動支援事業12.98億円、空き家対策総合支援事業70.80億円、既成住宅地再生推進モデル事業、子育て支援型共同住宅推進事業、住宅・建築物省エネ等改修推進事業、サービス付き高齢者向け住宅整備事業、マンション総合対策モデル事業、フラット35、背景の統計(賃貸空き家444万戸・大家の不安感・単身高齢者世帯など) | 国土交通省住宅局「令和9年度 住宅局関係 予算概算要求概要」(PDF) |
| 総括表(合計21,304百万円・1.36倍)、地域価値共創173百万円(22.51倍)と賃貸住宅管理業者の評価制度の技術的設計、宅建業者の犯収法履行の環境整備、不動産ID 500百万円(皆増)と工程表、日本郵便住所データの網羅率 | 国土交通省不動産・建設経済局「令和9年度 不動産・建設経済局関係 予算概算要求概要」(PDF) |
本稿の「約4.8%」「2,466億円の増」「526億円の増」「149万世帯の増」「213.04億円」は上記の数字からの本稿の計算であり、資料にその数字はありません。予算編成の年内の流れ(財務省査定・年末の政府案・国会・3月末成立)は一般的な順序の説明で、資料の記述ではありません。みらいエコ住宅2027事業の賃貸向け補助額、賃貸住宅融資制度の要件・金利、評価制度の義務性は資料に無く、本稿では判断していません。


