顧客管理 / 追客 読了 13分

不動産CRM完全ガイド|6サービス比較と導入手順

不動産CRMの役割と6サービスの料金体系・確認点を比較。賃貸仲介・売買仲介・賃貸管理別の試用手順、Excelからの移行、担当・期限の運用まで、公式情報と記入メモで解説します。

馬場生悦
宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士
不動産CRM完全ガイド|6サービス比較と導入手順
目次

不動産CRMは、顧客の連絡先、希望条件、紹介物件、対応履歴、次の連絡予定をまとめて管理する仕組みです。選ぶときは、自社の反響が取り込めるか、担当交代後も経緯が分かるか、必要な人数と機能でいくらかかるかを先に確かめます。

この記事では、汎用CRMと不動産業務向けサービスを含む6サービスの公式情報を比較し、賃貸仲介・売買仲介・賃貸管理での確認点と、試用から移行までの手順を整理します。各社の仕様・料金の確認日は2026年9月9日です。

不動産CRMとは|顧客台帳・SFA・賃貸管理との違い

顧客台帳に連絡先だけを保存していても、「誰が、どの物件を紹介し、次に何を約束したか」が別のメールやメモに残っていると、担当者以外は対応しにくくなります。CRMでは、顧客情報と接点の履歴を結び付け、継続して対応できる状態を目指します。

CRM・SFA・MAは役割から整理する

  • CRM(顧客関係管理):希望条件や対応履歴を蓄積し、問い合わせ後も関係を管理します。
  • SFA(営業支援):商談の段階、担当者の活動、売上見込みなど、営業の進み具合を扱います。
  • MA(マーケティング自動化):問い合わせ前後の見込み客への情報提供や、条件に応じた配信などを支えます。

製品によってこれらの機能は重なります。名称だけで判断せず、「次回の連絡期限を担当者に知らせたい」「内見後の状況を店長が確認したい」といった作業を、デモで再現してもらいます。

賃貸管理システムとは、管理する対象が異なる

賃貸管理では契約、入金、更新、修繕などの記録が中心になります。CRMでは顧客とのやり取りが中心です。両方を使う場合は、成約時に顧客・物件・契約のどの項目を引き継げるか、変更後の情報がどちらを基準に更新されるかを確認します。

賃貸仲介・売買仲介・賃貸管理で優先する機能

業務ごとの試用シナリオ
主な業務先に試す作業確認する結果
賃貸仲介反響受信、担当割当、物件紹介、内見後の連絡重複反響と未対応が分かる。紹介した物件と連絡予定が残る
売買仲介長期の追客、希望条件の更新、購入・売却相談の管理同じ顧客の複数相談を区別できる。休眠中の理由と再連絡時期が分かる
賃貸管理入居者・オーナーからの相談、担当変更、契約管理への引継ぎ顧客と対象物件の関係、未完了の対応、社内の担当分担が分かる

人数だけで必要な製品が決まるわけではありません。一人で使う場合は入力と検索の負担を、複数人では閲覧権限・引継ぎ・対応の重複を、複数店舗では店舗間の情報共有範囲を確認します。

不動産業務で検討するCRM 6サービス比較

以下は公式ページの公開内容を整理した比較です。各製品を同一条件で操作測定したランキングではありません。料金欄は表示条件が異なるため、単純な安い順には並べていません。無料版と有料版、最小契約人数、追加機能の費用を含めて判断してください。

公式情報から分かる料金体系と選定時の確認点
サービス公開料金・契約単位機能と試用時の確認点
Salesforceユーザー単位の月額制。Starter Suiteなど複数のエディション顧客・商談・営業活動を管理。必要なAPI、自動化、権限設定がどのエディションに含まれるかを確認
kintoneライトは1人月額1,000円、スタンダードは1,800円(税抜)。いずれも最小10ユーザー業務に合わせたアプリで情報を管理。外部連携・プラグインが必要なら対応コースと追加費用、保守担当を確認
esm(eセールスマネージャー)Basicは5〜30名、1人月額3,500円(税別)。Enterpriseは5名以上、1人月額12,500円(税別)顧客情報と営業活動を共有。自社の活動報告から必要な帳票を作れるか、連携・有料オプションの範囲を確認
HubSpot終了期限のない無料CRMを提供。有料機能への拡張ありコンタクト、取引、対応履歴を管理。必要な利用人数・自動化・配信が無料の範囲に収まるかを確認
Zoho CRM3ユーザーまでの無料プランと、ユーザー数に応じた4つの有料プラン。月間・年間契約を選択見込み客や商談の管理、プラン別の自動化・連携。日本のデータセンターで使える機能と上限を評価版で確認
ウルスタくん管理戸数別。スモールは99戸まで月額980円(税抜)・1アカウント。複数アカウントは上位プランCRMに加え賃貸管理・書類作成等を提供。顧客から物件・契約への引継ぎと、必要人数に合うプランを確認

比較の立場:本記事の運営会社は、比較対象のウルスタくんを提供しています。各社の公開仕様は公式情報に基づき、表の「試用時の確認点」は当社が提案する選定観点です。自社製品だけに有利な条件での費用比較や、未検証の機能・効果の断定は行いません。

月額だけでなく、同じ利用条件の総額を比べる

必要な人数、管理戸数、データ容量、連携先を先に決め、各社に同じ条件で見積もりを依頼します。基本料金に加えて、導入設定、データ移行、追加アカウント、外部連携、配信従量料金、サポート、解約時のデータ出力を確認します。年額払いの月額換算と、月払いの価格も分けて記録します。

例えば「3人で顧客情報を共有したい」場合、1人あたりの表示価格が安くても最低契約人数があれば、その人数分が比較の基準になります。ウルスタくんの月額980円も1アカウントの条件です。複数人で各自のアカウントを使う費用と同じ条件ではありません。

無料トライアルで確認する8項目

営業説明で「連携できます」と聞くだけで終わらず、自社の作業を同じ順序で試します。試用には架空の顧客情報を使い、実データを入れる前に権限と保存・削除の扱いを確認してください。

  1. 反響の入口:利用中の媒体・メール形式で取り込めるか。対象外の形式と手入力の手順も確かめる。
  2. 重複処理:同じ連絡先から別物件への問い合わせを入れ、統合する情報と分ける案件を確認する。
  3. 希望条件と物件:条件変更前の経緯、紹介物件、見送った理由が分かるか。
  4. 担当と権限:担当者が休みのときに引き継げるか。不要な顧客情報まで他店舗へ見せない設定ができるか。
  5. 連絡と期限:次回連絡日を過ぎた案件を一覧にできるか。自動返信と担当者の対応記録を区別できるか。
  6. 外出先の操作:内見後にスマートフォンで履歴を記録し、店舗側から内容を確認する。
  7. 契約後の引継ぎ:賃貸管理や電子契約で使う項目を、どこまで再入力せずに渡せるか。
  8. 移行・解約:CSV等で取り込める項目と、履歴・添付ファイルまで取り出せる範囲を確かめる。

ExcelからCRMへ移す手順

最初に一つの業務と必須項目を決める

すべての顧客を一度に移す前に、進行中の問い合わせなど、範囲を限定して試します。初期項目の例は、顧客ID、連絡先、問い合わせ日、反響元、希望条件、対象物件、担当者、対応状況、最終対応日、次回の行動と期限です。個別の業務に必要な項目を追加し、入力しない項目は必須にしません。

移行前の台帳を保存し、少量で照合する

電話番号やメールの表記、重複顧客、退職者の担当データを整理します。元データを保存してから試験的に取り込み、件数だけでなく、顧客と物件の組み合わせ、日時、担当、履歴が正しいかを抜き取りで確認します。照合が終わるまで元の台帳を消しません。

入力ルールと切替日を共有する

「いつまでに誰が記録するか」「不在時に誰が引き継ぐか」「対応完了を何で判断するか」を決めます。試用で出たつまずきを直し、切替日以降に正しい情報を保存する場所を統一します。二重入力を続ける場合も、目的と終了条件を決めておきます。

導入後は、自社の記録で改善を判断する

CRMを導入しただけで成約率が上がるとは限りません。まず、担当未設定、次回連絡期限の超過、必須項目の空欄など、対応の抜けを確認します。そのうえで、反響数、実対応までの時間、内見数、申込数、成約数を、同じ定義と期間で比べます。

対応時間は受信から担当者の実対応までを測り、自動返信を含めるか、営業時間外をどう扱うかを記録します。成約率を見る場合は「同じ期間に受け付けた反響のうち、何件が、いつまでに成約したか」をそろえます。広告媒体・季節・反響内容が違う数値を、CRMだけの効果と解釈しないことが大切です。

CRM比較・試用メモをダウンロード(TXT)して、見積条件、試した操作、できなかった作業、採用判断を残せます。空欄の記入用資料で、導入実績や成果の数値は入っていません。

実操作で確認:顧客の追加・検索・希望条件の編集

確認日:2026年9月21日。対象は当社サービス「ウルスタくん」です。PCブラウザーで架空の賃貸顧客を1件登録し、名前で検索して詳細を開き、間取りを変更して保存しました。電話番号・メールアドレスは入力せず、顧客への連絡は行っていません。

編集部が実際に操作して確認した範囲
試した操作確認できたこと・注意点
顧客の追加「顧客管理」から「顧客追加」を開き、名前・希望エリア・担当者を入力して保存。登録した顧客を一覧で確認できました。
名前で検索検証用の名前で絞り込んで詳細を開き、担当者と希望エリアを確認できました。
希望条件の編集詳細の「編集」で間取りを1LDKに変更し、保存後の詳細で表示を確認できました。

この確認中に、賃貸顧客の編集でも年収・年齢を求める点と、希望エリアの変更が共通表示に反映されない点が見つかり、修正対象にしました。導入前の試用では、保存後に画面を開き直し、入力した条件と担当者が残るところまで確かめてください。

他社CRMで同じ操作を実施した結果ではありません。一括移行の精度、複数担当者の同時編集、メールの到達性、大量データでの速度は、この1件の確認では評価していません。各サービスの試用時にも同じ架空データを使い、必要な項目が残るかを比べてください。

ウルスタくんで顧客管理を試す3ステップを見る

不動産CRMの選び方でよくある質問

Q. 無料のCRMで始めてもよいですか?

必要な人数、データ量、権限、連携が無料版で足りるなら、試す選択肢になります。無料期間が終わるトライアルと、継続利用できる無料プランを区別し、拡張が必要になったときの料金も確認してください。

Q. Excelから必ず移行するべきですか?

現在の台帳で担当者、対応履歴、期限を共有できているなら、急いで切り替える必要はありません。複数人での更新や引継ぎ、反響の重複整理など、具体的な負担が生じている作業から比較します。

Q. SUUMOやLINEなどとは自動で連携できますか?

対応範囲は製品・プラン・媒体の仕様で異なります。反響メールの取込、メッセージの送受信、配信履歴の保存は別の機能です。現在使っている形式を示し、必要な作業がどこまでつながるかを確認してください。

Q. 導入効果は何で判断すればよいですか?

まず未対応や期限超過を把握できるか、担当交代ができるかを確認します。その後、同じ条件の反響について対応時間や成約までの進み方を比べます。特定の成約率や定着率を、どの会社にも当てはまる基準として扱いません。

出典と確認範囲

2026年9月9日に以下の公式ページを確認しました。料金・人数・機能の条件は更新されるため、契約時は公式の最新プランと見積書を優先してください。

問い合わせ件数、成約率、定着率などの独自調査は本記事では公表していません。試用シナリオと移行手順は運用設計の提案であり、特定製品の導入効果を保証するものではありません。

次に確認したいこと

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