二子玉川(玉川・瀬田)の土地・家を売る、貸す前に知っておきたいこと

このページの結論
- 2026年の地価公示・基準地価で、住宅地は1㎡あたり78.5万円(瀬田4丁目)〜101万円(玉川1丁目)でした。駅前の商業地は別格で、玉川2丁目の基準地が360万円(前年比+11.1%)、玉川3丁目の地価公示が192万円(+11.0%)です。
- 多摩川沿いの玉川1〜4丁目には、区の想定浸水深の表示板が13か所あります。2019年10月の台風19号では、玉川3丁目付近の堤防が整っていない箇所から多摩川の水があふれました。国はこの付近で約540mの堤防を整備し、2025年4月に完成しました。
- 国分寺崖線にかかる瀬田1・4丁目には、土砂災害警戒区域が15か所あります。玉川・瀬田は多摩川風致地区の指定がある町名で、玉川1〜4丁目の全域と瀬田の一部は区の風景づくりの重点区域です。
二子玉川(玉川・瀬田)の範囲と暮らし
区の二子玉川まちづくりセンター(玉川4丁目)の受け持ちで、玉川1〜4丁目と瀬田1〜5丁目です。「二子玉川」は駅の名前で、住所の町名は玉川と瀬田です。区は「多摩川を境に神奈川県に隣接している地区」で、環八と玉川通り(国道246号)が通り、駅の周辺には大型商業施設や企業が並ぶ一方、駅から少し離れると多摩川・丸子川・野川や国分寺崖線の自然が残る閑静な住宅地が広がると紹介しています。
駅は東急田園都市線・大井町線の二子玉川駅(玉川2丁目)です。田園都市線は急行・準急・各駅停車、大井町線は急行・各駅停車が停まり、2025年度の1日平均乗降人員は田園都市線が91,598人、大井町線が52,712人でした。瀬田の北側は用賀駅のほうが近くなります。
駅の東側は、2000年に都市計画が決まった二子玉川東地区の市街地再開発事業(施行区域約11.2ha)で、2015年に建築工事を終えました。最も高い建物は地上42階・約150mです。区立二子玉川公園(玉川1丁目、62,410㎡)は2013年4月14日に開園し、日本庭園「帰真園」や災害用のマンホールトイレがあります。
町丁目ごとの人口
玉川1〜4丁目・瀬田1〜5丁目の人口は2026年10月1日現在で28,226人、世帯は14,336です。1年前(2025年10月1日)と比べると156人増えています。
| 町丁目 | 人口 | 世帯 | 面積(k㎡) | 1年前との差(人) |
|---|---|---|---|---|
| 玉川1丁目 | 3,343人 | 1,631 | 0.298 | +6 |
| 玉川2丁目 | 2,268人 | 1,244 | 0.166 | +69 |
| 玉川3丁目 | 3,443人 | 1,884 | 0.284 | +27 |
| 玉川4丁目 | 3,508人 | 1,906 | 0.2 | -29 |
| 瀬田1丁目 | 2,784人 | 1,274 | 0.257 | +7 |
| 瀬田2丁目 | 3,509人 | 1,789 | 0.211 | +61 |
| 瀬田3丁目 | 2,328人 | 1,260 | 0.107 | +17 |
| 瀬田4丁目 | 3,649人 | 1,799 | 0.293 | -12 |
| 瀬田5丁目 | 3,394人 | 1,549 | 0.233 | +10 |
| 合計 | 28,226人 | 14,336 | +156 |
世田谷区「町丁目別人口と世帯数」(住民基本台帳)の2026年10月1日現在の値です。1年前との差は2025年10月1日との比較です。
地価(2026年)
| 種類・番号 | 所在(住居表示) | 1㎡あたり | 前年比 | 最寄り駅・道路距離 | 用途地域・建ぺい率/容積率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 地価公示 世田谷-108 | 玉川1-17-20 | 1,010,000円 | +8.1% | 二子玉川駅 580m | 1住居・60/200・準防 |
| 地価公示 世田谷-95 | 瀬田1-8-14 | 871,000円 | +6.2% | 二子玉川駅 600m | 1低専・50/100・準防 |
| 基準地価 世田谷-44 | 瀬田3-3-11 | 832,000円 | +7.1% | 用賀駅 930m | 1住居・60/200・準防 |
| 地価公示 世田谷-38 | 玉川4-27-10 | 827,000円 | +6.4% | 二子玉川駅 950m | 1低専・50/100・準防 |
| 基準地価 世田谷-22 | 瀬田4-35-9 | 806,000円 | +6.1% | 用賀駅 1,100m | 1低専・50/100・準防 |
| 地価公示 世田谷-20 | 瀬田4-35-9 | 785,000円 | +6.7% | 用賀駅 1,100m | 1低専・50/100・準防 |
| 基準地価(商業地) 世田谷5-3 | 玉川2-24-6 | 3,600,000円 | +11.1% | 二子玉川駅 180m | 商業・80/500・防火 |
| 地価公示(商業地) 世田谷5-20 | 玉川3-10-7 | 1,920,000円 | +11.0% | 二子玉川駅 200m | 近商・80/300・準防 |
| 地価公示(商業地) 世田谷5-6 | 玉川4-11-9 | 986,000円 | +7.6% | 二子玉川駅 620m | 近商・80/300・準防 |
| 地価公示(商業地) 世田谷5-18 | 瀬田2-23-15 | 945,000円 | +6.3% | 用賀駅 850m | 近商・80/300・防火 |
地価公示(国土交通省、毎年1月1日時点)と東京都の基準地価(毎年7月1日時点)は、選ばれた地点の更地としての1㎡あたりの価格です。実際に売れる価格は、道路の幅、土地の形、建物の有無と状態で変わります。前年比が「―」の地点は、その年に新しく選ばれた地点です。用途地域の「1低専」は第一種低層住居専用地域、「1住居」は第一種住居地域、「近商」は近隣商業地域、「商業」は商業地域、「防火」は防火地域、「準防」は準防火地域です。
住宅地は、二子玉川駅から580mの玉川1丁目(第一種住居地域、容積率200%)が101万円(+8.1%)、600mの瀬田1丁目が87.1万円、950mの玉川4丁目が82.7万円でした。瀬田3丁目の基準地(83.2万円)と瀬田4丁目(78.5万円、基準地価は80.6万円)の最寄り駅は用賀駅です。
駅前の商業地は、玉川2丁目の基準地(商業地域、容積率500%)が360万円、玉川3丁目の大型店舗まわりが192万円で、どちらも前年比+11%前後でした。住宅地の上昇率は6.1〜8.1%で、地価公示の区の住宅地平均(+7.0%)と同じくらいです。
建て替え・土地活用のルール
用途地域と敷地の最低限度
一戸建て向けの地点は第一種低層住居専用地域・建ぺい率50%・容積率100%・準防火地域で、玉川1丁目と瀬田3丁目は第一種住居地域(60%/200%)です。区全域のルールでは、敷地面積の最低限度は建ぺい率50%の住居系の地域で80㎡、60%で70㎡です。
多摩川風致地区と風景づくり
多摩川風致地区は国分寺崖線から多摩川までの区域で、玉川・瀬田は指定がある町名です。建物の新築・増改築や木の伐採に許可が要り、第一種は建ぺい率20%以下・高さ10m以下・道路側3m後退、第二種は建ぺい率40%以下・高さ15m以下・道路側2m後退が基準です。区の風景づくりの重点区域「水と緑の風景軸」には、玉川1〜4丁目の全域と、瀬田1丁目1〜18・24〜26・29〜31番、瀬田2丁目31〜32番、瀬田4丁目1〜16・19・36〜41番が入り、延べ面積500㎡以上か見かけの高さ10m以上の建物は届出が要ります。国分寺崖線保全整備条例の崖線地区では、敷地500㎡以上の建築で届出が要り、建物が地面と接する位置の高低差を6m以下にします。
地区計画
- 二子玉川東地区(玉川1〜3丁目、約12.1ha):再開発等促進区の地区計画で、再開発で整えた街区ごとに建物の使い方や大きさが決められています。
- 瀬田南地区(瀬田2・4丁目、玉川4丁目):カルチャー・スポーツゾーンの形成と、路線型の商業地を目標にした地区計画です。
- 世田谷西部地域 大蔵・岡本・鎌田・瀬田地区(瀬田4・5丁目を含む):区画道路が整っていない地区では容積率80%・建ぺい率40%・敷地100㎡以上が基本の地区計画で、土地区画整理の導入を進める内容です。
- 玉川三丁目地区 地区街づくり計画:緊急車両が入り避難できる道路の整備、老朽建物の不燃化、敷地の緑化などを目標にしています。
- 環八沿いは「環状八号線瀬田・玉川台地区」「環状八号線瀬田・上野毛・野毛地区」の沿道地区計画の区域です。
環八(環状八号線)沿いには、騒音から住まいを守り、沿道に建物を連ねて後ろの住宅地への音を遮るための沿道地区計画があります。主な制限は共通で、間口率(敷地の環八に面する長さのうち建物が占める割合)の最低限度10分の7、環八の路面の中心からの高さの最低限度5m、高さ5m未満の部分は遮音上有効な構造にすること、計画図で定める区域内では住宅・学校・病院などの居室を防音構造にすること、などです。環八に面する長さが20m以上の特殊建築物や事務所は、歩道面から2.5m以下の部分を道路境界から1m以上下げます。環八沿いの土地は、ふつうの住宅地と同じ感覚で建物の形を決められない点に注意が要ります。
埋蔵文化財
瀬田1丁目一帯には、国分寺崖線沿いの高台に広がる瀬田遺跡があります。周知の埋蔵文化財包蔵地で工事をするときは、着工の60日前までに届出が要ります(文化財保護法93条)。範囲は区の地図情報(せたがやiMap)で確かめます。
水害と土砂災害のリスク
2019年の台風19号で起きたこと
区の検証の最終報告(2020年10月)では、多摩川の無堤防箇所(玉川3丁目付近)から水があふれたことが、上野毛・野毛地区の浸水の原因のひとつとされています。同じ報告は、二子玉川南地区は2014年に完成した多摩川の暫定堤防により浸水被害を免れた(無堤防箇所からの溢水は除く)としています。区の中間報告では、浸水した「上野毛・野毛地区」に玉川1丁目付近も含めています。
国土交通省は、世田谷区玉川地区で無堤防区間からの溢水を防ぐため、約540mの堤防整備を行い、2025年4月に完成しました(2020年10月の工事説明会の資料では、工事場所は玉川3丁目付近)。2019年の原因のひとつだった無堤防区間には手当てがされましたが、想定最大規模の洪水や内水氾濫の想定がなくなるわけではありません。
想定と表示板
多摩川の洪水浸水想定区域(想定最大規模、48時間総雨量588mm)は2016年5月30日に指定され、家屋倒壊等氾濫想定区域も2016年9月6日に公表されています。区は玉川1〜4丁目に13か所、想定浸水深の表示板を設けています(瀬田にはありません)。
土砂災害警戒区域
区内104か所のうち、瀬田4丁目に9か所(K071〜K077、K102、K103)、瀬田1丁目に6か所(K078〜K082、K104)あります。玉川1〜4丁目と瀬田2・3・5丁目には指定がありません。特別警戒区域を含むかは、区域ごとの図面で確かめます。
売買・賃貸では、水害ハザードマップ上の位置と、土砂災害警戒区域に入るかどうかを重要事項として説明します。震災のときの広域避難場所は、玉川1・2丁目と瀬田1・2丁目が二子玉川公園、玉川3・4丁目が多摩川河川敷・二子橋一帯、瀬田3丁目が都立園芸高校、瀬田4・5丁目が砧公園・大蔵運動公園一帯です。
売る・貸すときのポイント
「二子玉川」の名前に頼らず、町丁目ごとに分けて考える
駅前の商業地は1㎡あたり360万円でも、住宅地は78.5万〜101万円で、区の平均と大きくは変わりません。駅から歩ける玉川の低地、崖線の斜面、瀬田の高台では、評価もリスクもまったく違います。「二子玉川の家」としてひとくくりにした査定は、高くも低くも外れやすいので、地番から組み立てます。
玉川の低地は、浸水想定と堤防の状況を説明できるように
玉川1〜4丁目は表示板があるとおり、多摩川の浸水想定の区域です。ハザードマップの想定浸水深、家屋倒壊等氾濫想定区域にかかるか、2025年4月に完成した堤防整備のことを、売る前にまとめておきます。買い手が気にする点を先に説明しておくほうが、価格の話がしやすくなります。
瀬田の崖線沿いは、擁壁・警戒区域・遺跡の3つ
瀬田1・4丁目の斜面に近い土地は、土砂災害警戒区域、古い擁壁、瀬田遺跡の届出が重なることがあります。どれも建て替えの費用と日程に効くので、売り出す前に確かめておくと、買い手の不安と値引き交渉を減らせます。
よくある質問
二子玉川の住宅地の相場はどのくらいですか。
玉川の家は浸水の心配がありますか。
瀬田で建て替えるとき、何を確かめればよいですか。
出典・参考にした資料
- 世田谷区「二子玉川地区」
- 東京都財務局「令和8年地価公示 公示価格個別地点データ(東京都分)」
- 東京都財務局「令和8年東京都基準地価格 基準地価格一覧(CSV)」
- 世田谷区「町丁目別人口と世帯数」(2026年・2025年)
- 東京都財務局「令和8年地価公示価格(東京都分)の概要」
- 東急電鉄「二子玉川駅」
- 東急電鉄「2025年度 駅別乗降人員」
- 世田谷区「二子玉川東地区市街地再開発事業」
- 世田谷区「二子玉川東地区」
- 世田谷区「瀬田南地区」
- 世田谷区「玉川三丁目地区」
- 世田谷区「世田谷西部地域 大蔵・岡本・鎌田・瀬田地区」
- 世田谷区「二子玉川公園」
- 世田谷区「瀬田遺跡」
- 世田谷区「埋蔵文化財」
- 世田谷区「環状八号線 瀬田・玉川台地区 沿道地区計画書」
- 世田谷区「環状八号線 瀬田・上野毛・野毛地区 沿道地区計画」
- 世田谷区「地区計画等・地区街づくり計画一覧」
- 世田谷区「敷地面積の最低限度の制限」
- 世田谷区「東京都風致地区条例」
- 世田谷区「風景づくり条例に基づく届出制度」
- 世田谷区「国分寺崖線保全整備条例」
- 世田谷区「令和元年台風第19号に伴う浸水被害の検証 最終報告書」(令和2年10月)
- 東京都都市整備局「二子玉川東地区第一種市街地再開発事業」
- 国土交通省 京浜河川事務所「多摩川緊急治水対策プロジェクト」(玉川地区の堤防整備 令和7年4月完成)
- 国土交通省 京浜河川事務所「世田谷区玉川地区 堤防整備工事 説明会資料」(令和2年10月)
- 国土交通省 京浜河川事務所「多摩川の洪水浸水想定区域図」
- 国土交通省 京浜河川事務所「家屋倒壊等氾濫想定区域」
- 世田谷区「想定浸水深表示板の設置について」
- 世田谷区「洪水・内水氾濫ハザードマップ」
- 世田谷区「土砂災害防止法に基づく指定区域について」
- 東京都「土砂災害警戒区域等マップ」
- 世田谷区「玉川地域の震災時の避難場所」
- 国土交通省「宅地建物取引業法施行規則の一部改正(水害リスク情報の重要事項説明への追加)」
2026年10月21日時点で確認した内容です。地価と人口は公表のたびに更新します。建築のルールは地番ごとに違うことがあるので、建てる・売る前には区の窓口や都市計画図(せたがやiMap)で確かめてください。
世田谷の家や土地のこと、まず話を聞かせてください
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