奥沢・東玉川の土地・家を売る、貸す前に知っておきたいこと
このページの結論
- 区の東南端で、目黒区・大田区と接する住宅地です。2026年の地価公示・基準地価は1㎡あたり71.4万円(東玉川1丁目)〜91.3万円(奥沢3丁目)でした。奥沢駅から380mの奥沢3丁目は区の住宅地平均779,900円を上回り、池上線の雪が谷大塚駅に近い東玉川1丁目は下回ります。
- 奥沢1〜3丁目の全域は、2022年10月1日から区の「奥沢1〜3丁目等界わい形成地区」です。大きさにかかわらず、ほぼすべての建物の新築・増改築や外観の変更に区への届出が要り、同じ色での外壁の塗り替えも届出の対象になります。
- 土砂災害警戒区域や、多摩川の想定浸水深の表示板はこの地区にはありません。それでも売る・貸すときは、水害ハザードマップ上の位置の説明が義務なので、地番ごとに区のハザードマップで確かめます。
奥沢・東玉川の範囲と暮らし
区の奥沢まちづくりセンター(奥沢3丁目)の受け持ちで、奥沢1〜3丁目と東玉川1・2丁目です。区はこの地区を「世田谷の奥座敷と呼ばれる落ち着いた穏やかな町並み」の地区で、地区活動が盛んだと紹介しています。
地区の中の駅は東急目黒線の奥沢駅(奥沢3丁目)で、各駅停車だけが停まります。2025年度の1日平均乗降人員は12,543人です。地区のまわりには、東横線・目黒線の田園調布駅(大田区)、東横線・大井町線の自由が丘駅(目黒区)、大井町線の緑が丘駅があり、住所によっては区外の駅のほうが近くなります。自由が丘駅の2025年度の乗降人員は東横線で88,187人、大井町線で52,807人でした。
地価公示・基準地価の地点でも、東玉川1丁目の最寄り駅は池上線の雪が谷大塚駅(600m)、東玉川2丁目の基準地は田園調布駅(730m)とされています。どの駅を使う家かで、買い手や借り手の層が変わる地区です。
町丁目ごとの人口
奥沢1〜3丁目・東玉川1・2丁目の人口は2026年10月1日現在で22,191人、世帯は11,831です。1年前(2025年10月1日)と比べると70人増えています。
| 町丁目 | 人口 | 世帯 | 面積(k㎡) | 1年前との差(人) |
|---|---|---|---|---|
| 奥沢1丁目 | 5,226人 | 2,693 | 0.297 | -11 |
| 奥沢2丁目 | 4,419人 | 2,602 | 0.247 | +75 |
| 奥沢3丁目 | 3,968人 | 2,233 | 0.185 | -21 |
| 東玉川1丁目 | 4,180人 | 1,935 | 0.235 | +3 |
| 東玉川2丁目 | 4,398人 | 2,368 | 0.242 | +24 |
| 合計 | 22,191人 | 11,831 | +70 |
世田谷区「町丁目別人口と世帯数」(住民基本台帳)の2026年10月1日現在の値です。1年前との差は2025年10月1日との比較です。
地価(2026年)
| 種類・番号 | 所在(住居表示) | 1㎡あたり | 前年比 | 最寄り駅・道路距離 | 用途地域・建ぺい率/容積率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 地価公示 世田谷-9 | 奥沢3-16-15 | 913,000円 | +6.5% | 奥沢駅 380m | 1低専・50/100・準防 |
| 基準地価 世田谷-24 | 東玉川2-28-13 | 781,000円 | +6.0% | 田園調布駅 730m | 1低専・50/100・準防 |
| 地価公示 世田谷-8 | 東玉川1-20-2 | 714,000円 | +5.9% | 雪が谷大塚駅 600m | 1低専・50/100・準防 |
地価公示(国土交通省、毎年1月1日時点)と東京都の基準地価(毎年7月1日時点)は、選ばれた地点の更地としての1㎡あたりの価格です。実際に売れる価格は、道路の幅、土地の形、建物の有無と状態で変わります。前年比が「―」の地点は、その年に新しく選ばれた地点です。用途地域の「1低専」は第一種低層住居専用地域、「準防」は準防火地域です。
奥沢駅に近い奥沢3丁目(380m)が91.3万円(前年比+6.5%)、田園調布駅から730mの東玉川2丁目が78.1万円(+6.0%)、雪が谷大塚駅から600mの東玉川1丁目が71.4万円(+5.9%)です。3地点とも第一種低層住居専用地域・建ぺい率50%・容積率100%で、建てられる大きさは同じなので、差はほぼ駅と街の評価の差と読めます。
上昇率は5.9〜6.5%で、地価公示の区の住宅地平均(+7.0%)よりやや緩やかでした。隣の九品仏地区(奥沢4〜8丁目)には、自由が丘駅に近い奥沢5丁目の商業地(166万円、+12.9%)など上昇率の高い地点があります。
建て替え・リフォームのルール
用途地域と敷地の最低限度
地価の3地点はどれも第一種低層住居専用地域・建ぺい率50%・容積率100%・準防火地域です。世田谷区では、建ぺい率50%の住居系の地域で敷地面積の最低限度が80㎡です(低層住居専用地域は2004年6月24日から)。これより小さく分けた土地には、原則として新しく家を建てられません。
奥沢1〜3丁目等界わい形成地区(2022年10月1日から)
区の風景づくり条例の重点区域で、奥沢1・2・3丁目の全域と、奥沢4・5丁目の一部が入ります。区のほかの区域では一定以上の大きさの建物が届出の対象ですが、ここでは建物は大きさにかかわらず届出の対象です(仮設のもの、道路から容易に見えないもの、外観が変わらない工事などは除きます)。色彩の変更には、同じ色での塗り替えも含まれます。
奥沢二・五丁目北地区 地区計画(1989年10月11日決定)
奥沢2・5丁目の約3.1haにかかる地区計画で、その後1993・1996・1999・2003年に変更されています。区のパンフレットでは、敷地面積の最低限度100㎡、高さの最高限度21m、ボーリング場、ホテル・旅館、マージャン屋・ぱちんこ屋などを建てられないこと、指定された道路に面する1階を店舗などにすること、計画図で指定した壁面の後退(1m・1.5m)が定められています。どの区分の土地かで当てはまる内容が違うので、計画書で地番ごとに確かめます。
環八沿いの東玉川2丁目
東玉川2丁目の環八沿いは「環状八号線東玉川地区」沿道地区計画(約2.0ha、延長約1.0km)の区域です。
環八(環状八号線)沿いには、騒音から住まいを守り、沿道に建物を連ねて後ろの住宅地への音を遮るための沿道地区計画があります。主な制限は共通で、間口率(敷地の環八に面する長さのうち建物が占める割合)の最低限度10分の7、環八の路面の中心からの高さの最低限度5m、高さ5m未満の部分は遮音上有効な構造にすること、計画図で定める区域内では住宅・学校・病院などの居室を防音構造にすること、などです。環八に面する長さが20m以上の特殊建築物や事務所は、歩道面から2.5m以下の部分を道路境界から1m以上下げます。環八沿いの土地は、ふつうの住宅地と同じ感覚で建物の形を決められない点に注意が要ります。
このほか
奥沢は、多摩川風致地区の指定がある町名に入っています(丁目・番地の範囲は区の確認図で確かめます)。奥沢駅周辺と奥沢4・5丁目では、2017年3月25日に住民の街づくり協議会が設立されていますが、区の地区計画等の一覧(2026年8月6日時点)に、この地域の街づくり計画は載っていません。東京都建築安全条例の「新たな防火規制」の区域には入っていません。
災害のリスク
区の土砂災害警戒区域(区内104か所)は、奥沢・東玉川にはありません。区が多摩川の想定浸水深を示す表示板を設けた62か所にも、この地区は入っていません。
ただし、浸水の心配がまったくないとは言えません。区の洪水・内水氾濫ハザードマップ(2026年7月更新)は、多摩川の氾濫のほか、大雨で下水があふれる内水氾濫も示しています。物件の位置の想定は地番ごとにハザードマップで確かめ、売買・賃貸の重要事項説明では水害ハザードマップ上の位置を説明します(2020年8月から義務)。
売る・貸すときのポイント
外壁の塗り替えをするなら、届出を先に
売る前に外壁を塗り直して見栄えを良くする方は多いのですが、奥沢1〜3丁目では同じ色の塗り替えでも届出の対象です。工事を急いで届出が後回しになると、引き渡しの日程に響くことがあります。塗るかどうか自体、買い手が建て替える前提の土地なら費用をかけないほうが手残りが多いこともあるので、先に相談してください。
どの駅の家として売るか
同じ地区でも、奥沢駅(目黒線)、田園調布駅、自由が丘駅、雪が谷大塚駅(池上線)のどれが近いかで、比べられる物件と買い手が変わります。徒歩分数は複数の駅について出しておくと、広告で取りこぼしが減ります。
貸すなら、定期借家で戸建てのまま
第一種低層住居専用地域で容積率100%の土地が多く、アパートを新しく建てて採算を取るのは難しい地区です。住み替えや転勤で家を空けるなら、期間を決めて戻れる定期借家契約で、戸建てのまま貸すのが現実的です。
よくある質問
奥沢の土地の相場はどのくらいですか。
奥沢で外壁を塗り替えるだけでも届出が要りますか。
奥沢で土地を分けて売れますか。
出典・参考にした資料
- 世田谷区「奥沢地区」
- 東京都財務局「令和8年地価公示 公示価格個別地点データ(東京都分)」
- 東京都財務局「令和8年東京都基準地価格 基準地価格一覧(CSV)」
- 世田谷区「町丁目別人口と世帯数」(2026年・2025年)
- 東京都財務局「令和8年地価公示価格(東京都分)の概要」
- 東急電鉄「奥沢駅」
- 東急電鉄「2025年度 駅別乗降人員」
- 世田谷区「奥沢1〜3丁目等界わい形成地区を指定しました」
- 世田谷区「風景づくり条例に基づく届出制度」
- 世田谷区「奥沢二・五丁目北地区 地区計画パンフレット」
- 世田谷区「奥沢二・五丁目北地区」
- 世田谷区「環状八号線 東玉川地区 沿道地区計画」
- 世田谷区「奥沢駅周辺・奥沢4・5丁目」
- 世田谷区「地区計画等・地区街づくり計画一覧」
- 世田谷区「敷地面積の最低限度の制限」
- 世田谷区「東京都風致地区条例」
- 世田谷区「東京都建築安全条例に基づく新たな防火規制区域の指定」
- 世田谷区「土砂災害防止法に基づく指定区域について」
- 世田谷区「想定浸水深表示板の設置について」
- 世田谷区「洪水・内水氾濫ハザードマップ」
- 国土交通省「宅地建物取引業法施行規則の一部改正(水害リスク情報の重要事項説明への追加)」
2026年10月21日時点で確認した内容です。地価と人口は公表のたびに更新します。建築のルールは地番ごとに違うことがあるので、建てる・売る前には区の窓口や都市計画図(せたがやiMap)で確かめてください。
世田谷の家や土地のこと、まず話を聞かせてください
売るか貸すか決まっていなくてもかまいません。旗竿地や私道に面した家、相続で名義が決まっていない家など、条件が難しい家のご相談もお受けします。相談は無料です。



