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地域(等々力地区)

等々力・尾山台・玉堤の土地・家を売る、貸す前に知っておきたいこと

人口40,604人2026年10月1日現在
世帯20,8192026年10月1日現在
住宅地の地価(1㎡)72.4〜123万円2026年 地価公示・基準地価
区の住宅地平均(1㎡)78.0万円2026年 地価公示

このページの結論

  • 2026年の地価公示・基準地価で、住宅地は1㎡あたり72.4万円(尾山台1丁目)〜123万円(等々力6丁目)でした。123万円の地点は幹線道路沿いのマンション用地(容積率300%)で、一戸建ての住宅地はおおむね72万〜92万円です。尾山台駅前の商業地は125万円(+7.8%)です。
  • 2019年10月の台風19号では、玉堤1・2丁目と尾山台1丁目付近が浸水しました。区の検証では、谷沢川からの越水(約19万5千㎥)や、等々力排水樋門を閉められず多摩川の水が逆流したことなどが原因とされています。区は玉堤1・2丁目に想定浸水深の表示板を12か所設けています。
  • 等々力渓谷のまわりの等々力1・2丁目と尾山台1・2丁目には、土砂災害警戒区域が12か所あります。等々力渓谷は都の名勝で、尾山台1・2丁目、玉堤1・2丁目、等々力1丁目の全域は区の風景づくりの重点区域です。売る・貸す前に、地番ごとのルールとリスクを確かめます。

等々力・尾山台・玉堤の範囲と暮らし

区の等々力まちづくりセンター(等々力3丁目の玉川総合支所内)の受け持ちで、等々力1〜8丁目・尾山台1〜3丁目・玉堤1・2丁目です。区は面積2.883平方キロメートルの地区で、「東京23区内に残る唯一の渓谷である等々力渓谷」があると紹介しています。

等々力渓谷は都の名勝(1999年3月3日指定、指定面積34,866.62㎡)で、区立の等々力渓谷公園(31,501.91㎡)として延長約1kmの谷が歩けます。渓谷の中の等々力渓谷3号横穴は都の史跡です。

駅は東急大井町線の尾山台駅(等々力5丁目)と等々力駅(等々力3丁目)で、どちらも各駅停車が停まります。2025年度の1日平均乗降人員は尾山台駅が32,172人、等々力駅が27,823人です。南の玉堤は多摩川沿いの低い土地で、駅から離れた住宅地です。

町丁目ごとの人口

等々力1〜8丁目・尾山台1〜3丁目・玉堤1・2丁目の人口は2026年10月1日現在で40,604人、世帯は20,819です。1年前(2025年10月1日)と比べると246人増えています。

町丁目人口世帯面積(k㎡)1年前との差(人)
等々力1丁目2,523人1,1990.242+15
等々力2丁目3,687人2,0810.24+49
等々力3丁目2,561人1,3950.2-10
等々力4丁目2,329人1,4020.141-21
等々力5丁目3,569人1,8520.216+29
等々力6丁目4,740人2,4870.244+134
等々力7丁目4,585人2,2220.243-46
等々力8丁目3,799人1,7340.202+64
尾山台1丁目1,767人7990.143+11
尾山台2丁目1,963人9250.183+34
尾山台3丁目3,011人1,7160.18+16
玉堤1丁目4,889人2,4370.499-18
玉堤2丁目1,181人5700.149-11
合計40,604人20,819+246

世田谷区「町丁目別人口と世帯数」(住民基本台帳)の2026年10月1日現在の値です。1年前との差は2025年10月1日との比較です。

地価(2026年)

種類・番号所在(住居表示)1㎡あたり前年比最寄り駅・道路距離用途地域・建ぺい率/容積率
地価公示
世田谷-7
等々力6-13-121,230,000円+10.8%尾山台駅 730m1住居・60/300・防火
基準地価
世田谷-17
等々力5-18-12918,000円+6.1%尾山台駅 290m1低専・50/100・準防
地価公示
世田谷-2
等々力5-18-12900,000円+6.6%尾山台駅 290m1低専・50/100・準防
地価公示
世田谷-27
等々力8-13-1890,000円―等々力駅 840m1中専・60/200・準防
地価公示
世田谷-28
等々力1-29-4758,000円+5.6%尾山台駅 550m1低専・40/80
基準地価
世田谷-42
尾山台1-17-4724,000円+3.4%九品仏駅 760m1低専・40/80
基準地価(商業地)
世田谷5-10
等々力2-19-151,280,000円+7.6%尾山台駅近商・80/300・準防
地価公示(商業地)
世田谷5-8
等々力2-19-151,250,000円+7.8%尾山台駅前近商・80/300・準防
地価公示(商業地)
世田谷5-5
等々力1-30-13946,000円+7.7%尾山台駅 500m2住居・60/300・防火

地価公示(国土交通省、毎年1月1日時点)と東京都の基準地価(毎年7月1日時点)は、選ばれた地点の更地としての1㎡あたりの価格です。実際に売れる価格は、道路の幅、土地の形、建物の有無と状態で変わります。前年比が「―」の地点は、その年に新しく選ばれた地点です。用途地域の「1低専」は第一種低層住居専用地域、「1中専」は第一種中高層住居専用地域、「1住居」は第一種住居地域、「2住居」は第二種住居地域、「近商」は近隣商業地域、「防火」は防火地域、「準防」は準防火地域です。

一戸建て向けの第一種低層住居専用地域の地点は、尾山台駅から290mの等々力5丁目が90万円(地価公示、+6.6%)、尾山台駅から550mの等々力1丁目が75.8万円(+5.6%)、九品仏駅から760mの尾山台1丁目が72.4万円(基準地価、+3.4%)でした。等々力1丁目と尾山台1丁目は建ぺい率40%・容積率80%で、建ぺい率50%・容積率100%の等々力5丁目より建てられる面積が小さく、価格の差にも表れています。尾山台1丁目(基準地価)の+3.4%は、地価公示の区の住宅地平均(+7.0%)の半分ほどです。

等々力6丁目の123万円(+10.8%)は、第一種住居地域・容積率300%・防火地域のマンション用地です。等々力8丁目の地点(89万円)は2026年に新しく選ばれた地点で、前年との比較はありません。尾山台駅前の商業地(等々力2丁目)は、地価公示が125万円、基準地価が128万円でした。

建て替え・土地活用のルール

用途地域と敷地の最低限度

住宅地の地点は、第一種低層住居専用地域(建ぺい率40%/容積率80%と50%/100%)、第一種中高層住居専用地域(60%/200%、等々力8丁目)、第一種住居地域(60%/300%、等々力6丁目)に分かれます。区全域のルールでは、敷地面積の最低限度は建ぺい率40%で100㎡、50%で80㎡、60%の住居系の地域で70㎡です。

多摩川風致地区と風景づくり

等々力・尾山台・玉堤は、多摩川風致地区の指定がある町名です。建物の新築・増改築や木の伐採に許可が要り、第一種は建ぺい率20%以下・高さ10m以下・道路側3m後退、第二種は建ぺい率40%以下・高さ15m以下・道路側2m後退が基準です。また、尾山台1・2丁目、玉堤1・2丁目、等々力1丁目の全域と等々力渓谷の名勝の範囲は、区の風景づくりの重点区域「水と緑の風景軸」で、延べ面積500㎡以上か見かけの高さ10m以上の建物は届出が要ります。国分寺崖線保全整備条例の崖線地区にかかる土地では、敷地500㎡以上の建築に届出が要り、建物が地面と接する位置の高低差を6m以下にします。

目黒通り地区 地区街づくり計画(1996年5月31日決定)

深沢1丁目、等々力1・2・3・4・6・7丁目、玉堤2丁目の目黒通り沿い、約14.9haが対象です。区は目黒通りを多摩川河川敷へ通じる重要な避難路と位置づけ、沿道に火災に強い建物を建てることを目標にしています。パンフレットでは、敷地250㎡未満は空地の25%以上を緑化すること、高さ60cmを超える垣・さくは緑化などで街並みに配慮すること、沿道は最低限高度地区で建物の高さを7m以上にすることが示されています。

尾山台三丁目地区 地区計画

尾山台3丁目と等々力5丁目の、尾山台駅東の商店街まわりにかかる地区計画です。商店街の活性化と、周りの住宅地と調和した街並みを目標にしています。制限の数値は計画書で確かめてください。

環八沿い

等々力1・2丁目と尾山台1〜3丁目の環八沿いは「環状八号線野毛・等々力・中町地区」(約8.9ha、延長約2.1km)の沿道地区計画の区域で、東京都の防音工事の助成制度もあります。

環八(環状八号線)沿いには、騒音から住まいを守り、沿道に建物を連ねて後ろの住宅地への音を遮るための沿道地区計画があります。主な制限は共通で、間口率(敷地の環八に面する長さのうち建物が占める割合)の最低限度10分の7、環八の路面の中心からの高さの最低限度5m、高さ5m未満の部分は遮音上有効な構造にすること、計画図で定める区域内では住宅・学校・病院などの居室を防音構造にすること、などです。環八に面する長さが20m以上の特殊建築物や事務所は、歩道面から2.5m以下の部分を道路境界から1m以上下げます。環八沿いの土地は、ふつうの住宅地と同じ感覚で建物の形を決められない点に注意が要ります。

水害と土砂災害のリスク

2019年の台風19号で起きたこと

区の検証の最終報告(2020年10月)では、玉堤1・2丁目と尾山台1丁目付近が浸水し、浸水量はピーク時で約22万4千㎥と推計されています。原因は、多摩川の水位が上がって排水が悪くなったこと、谷沢川からの越水(約19万5千㎥)、等々力排水樋門を閉められず多摩川から水が逆流したこと、地盤が低いことなどが重なったためとされています。区はその後、等々力排水樋門に操作盤と水位計を設けました(2020年6月)。

想定と表示板

多摩川の洪水浸水想定区域(想定最大規模、48時間総雨量588mm)は2016年5月30日に指定されています。谷沢川・丸子川などは、東京都が2024年2月15日に水防法にもとづく洪水浸水想定区域を指定しています(時間最大153mm、24時間総雨量690mm)。区は玉堤1・2丁目に想定浸水深の表示板を12か所設けています。

土砂災害警戒区域

区内104か所のうち、この地区にかかるのは12か所です。2016年3月9日告示の等々力2丁目(K026〜K030)、等々力1丁目(K036)、尾山台2丁目(K037)と、2018年1月30日告示の等々力1丁目(K096)、尾山台1丁目(K098)、尾山台1丁目・玉川田園調布1丁目(K099)、尾山台2丁目(K100)、尾山台2丁目・等々力1丁目(K101)です。特別警戒区域を含むかは、区域ごとの図面で確かめます。

売買・賃貸では、水害ハザードマップ上の位置の説明と、土砂災害警戒区域に入るかどうかの説明が重要事項説明の対象です。

売る・貸すときのポイント

玉堤の家は、浸水の履歴と対策をまとめて先に出す

玉堤は2019年に浸水した地域として知られているので、買い手も借り手もまず水害のことを聞きます。ハザードマップの想定浸水深、2019年に浸水したかどうか、その後の修繕や対策(基礎の高さ、電気設備や給湯器の位置など)を一枚にまとめて先に渡すと、後から値引きの材料にされにくくなります。

渓谷・崖線のそばは、擁壁と警戒区域で価格が決まる

等々力1・2丁目や尾山台1・2丁目の斜面に近い土地は、土砂災害警戒区域に入るか、古い擁壁が今の基準に合っているかで、建て替えの費用と買い手の住宅ローンが変わります。擁壁の確認済証・検査済証の有無は、売り出す前に確かめておきます。

同じ等々力でも、建てられる大きさがまるで違う

建ぺい率40%・容積率80%の地域と、60%・300%の幹線道路沿いでは、同じ広さの土地でも建てられる床面積が4倍近く違います。風致地区や目黒通りの計画も重なるので、町名だけで相場を見ず、地番で用途地域と計画を確かめてから価格を考えます。

よくある質問

等々力の土地の相場はどのくらいですか。
2026年の地価公示・基準地価では、一戸建て向けの住宅地は1㎡あたり72.4万〜92万円ほどです。尾山台駅に近い等々力5丁目が90万円(基準地価は91.8万円)、尾山台1丁目が72.4万円でした。幹線道路沿いのマンション用地(等々力6丁目)は123万円です。
玉堤で2019年に浸水した家は売れますか。
売れます。浸水の事実と、その後の修繕や対策を正直に示すことが大切です。重要事項説明では水害ハザードマップ上の位置を説明し、重要事項説明の法定項目ではありませんが、売主が知っている浸水の履歴は買主に伝えるべき事実です。
等々力渓谷の近くで家を建て替えるときの注意点は何ですか。
土砂災害警戒区域に入るか、多摩川風致地区の許可が要るか、区の風景づくりの重点区域で届出が要るかの3つです。斜面の擁壁が古い場合は、作り直しの費用も見込んでおきます。

出典・参考にした資料

2026年10月21日時点で確認した内容です。地価と人口は公表のたびに更新します。建築のルールは地番ごとに違うことがあるので、建てる・売る前には区の窓口や都市計画図(せたがやiMap)で確かめてください。

馬場生悦
このページを書いた人 馬場生悦

ウルスタ株式会社 代表取締役(世田谷区大蔵)。宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士。自社で210室の賃貸住宅を持ち、約100室を自分で管理しています。税理士法人での勤務、仲介・管理会社の創業と売却を経て、売る・貸す・任せるの相談を受けています。プロフィール

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