九品仏・玉川田園調布の土地・家を売る、貸す前に知っておきたいこと
このページの結論
- 区の九品仏地区は、奥沢4〜8丁目と玉川田園調布1・2丁目です。2026年の地価公示で住宅地は1㎡あたり81.5万円(玉川田園調布2丁目)〜113万円(奥沢5丁目、前年比+9.7%)でした。自由が丘駅から380mの奥沢5丁目の商業地は166万円で、前年比+12.9%と区内でも上昇率の高い地点です。
- 玉川田園調布1・2丁目を中心とする約20.6haには、2000年に決まった地区計画があり、敷地面積の最低限度(130㎡・160㎡)、道路からの壁面後退、生垣などが決められています。区全域の最低限度(80㎡など)より厳しいので、土地を分ける前に必ず確かめます。
- 奥沢4丁目には建築協定、玉川田園調布1丁目の一部には土砂災害警戒区域(K099)と風景づくりの重点区域があります。どれも地区の一部なので、地番で当てはめて確かめます。
九品仏・玉川田園調布の範囲と暮らし
区の九品仏まちづくりセンター(奥沢7丁目)の受け持ちで、奥沢4〜8丁目と玉川田園調布1・2丁目です。区は面積1.244平方キロメートルで目黒区と大田区に接した住宅地と紹介し、大正から昭和初期にかけての宅地開発と耕地整理で、碁盤の目状に道路が整っていると説明しています。
地区の名前のもとになった浄真寺(奥沢7丁目)は、9体の阿弥陀仏を安置する三仏堂が区の有形文化財(1989年3月17日指定)です。寺の一帯は中世の奥沢城の跡で、区の史跡に指定されています(1987年12月18日)。浄真寺は1678年(延宝6年)に建てられました。
駅は東急大井町線の九品仏駅(奥沢7丁目)で、各駅停車だけが停まります。2025年度の1日平均乗降人員は13,165人です。奥沢5丁目の北側は自由が丘駅(目黒区)、玉川田園調布は田園調布駅(大田区)が近く、地価公示の地点も最寄り駅が分かれています。
町丁目ごとの人口
奥沢4〜8丁目・玉川田園調布1・2丁目の人口は2026年10月1日現在で17,328人、世帯は9,711です。1年前(2025年10月1日)と比べると47人減っています。
| 町丁目 | 人口 | 世帯 | 面積(k㎡) | 1年前との差(人) |
|---|---|---|---|---|
| 奥沢4丁目 | 2,249人 | 1,253 | 0.116 | +6 |
| 奥沢5丁目 | 3,556人 | 2,212 | 0.216 | -43 |
| 奥沢6丁目 | 3,304人 | 1,858 | 0.182 | -27 |
| 奥沢7丁目 | 3,689人 | 2,032 | 0.284 | +21 |
| 奥沢8丁目 | 2,110人 | 1,161 | 0.146 | -13 |
| 玉川田園調布1丁目 | 1,140人 | 533 | 0.175 | +9 |
| 玉川田園調布2丁目 | 1,280人 | 662 | 0.125 | 0 |
| 合計 | 17,328人 | 9,711 | -47 |
世田谷区「町丁目別人口と世帯数」(住民基本台帳)の2026年10月1日現在の値です。1年前との差は2025年10月1日との比較です。
地価(2026年)
| 種類・番号 | 所在(住居表示) | 1㎡あたり | 前年比 | 最寄り駅・道路距離 | 用途地域・建ぺい率/容積率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 地価公示 世田谷-90 | 奥沢5-14-26 | 1,130,000円 | +9.7% | 奥沢駅 200m | 1低専・60/150・準防 |
| 地価公示 世田谷-24 | 奥沢7丁目101番2 | 1,060,000円 | +7.1% | 九品仏駅 300m | 1低専・60/150・準防 |
| 地価公示 世田谷-56 | 奥沢8-10-7 | 918,000円 | +6.3% | 九品仏駅 400m | 1低専・50/100・準防 |
| 地価公示 世田谷-100 | 玉川田園調布2-8-15 | 815,000円 | +6.8% | 田園調布駅 680m | 1低専・50/100・準防 |
| 地価公示(商業地) 世田谷5-30 | 奥沢5-41-7 | 1,660,000円 | +12.9% | 自由が丘駅 380m | 近商・80/300・準防 |
| 基準地価(商業地) 世田谷5-5 | 奥沢8-32-12 | 1,100,000円 | +7.8% | 九品仏駅 90m | 近商・80/300・準防 |
| 地価公示(商業地) 世田谷5-9 | 奥沢4-16-12 | 1,010,000円 | +6.8% | 奥沢駅 230m | 近商・80/300・準防 |
地価公示(国土交通省、毎年1月1日時点)と東京都の基準地価(毎年7月1日時点)は、選ばれた地点の更地としての1㎡あたりの価格です。実際に売れる価格は、道路の幅、土地の形、建物の有無と状態で変わります。前年比が「―」の地点は、その年に新しく選ばれた地点です。用途地域の「1低専」は第一種低層住居専用地域、「近商」は近隣商業地域、「準防」は準防火地域です。
住宅地で最も高いのは奥沢5丁目(奥沢駅200m)の113万円で、前年比+9.7%と区の住宅地平均(+7.0%)を上回りました。九品仏駅から300mの奥沢7丁目の地点(空地)は106万円(+7.1%)です。この2地点は第一種低層住居専用地域でも建ぺい率60%・容積率150%で、同じ低層住宅地でも建ぺい率50%・容積率100%の奥沢8丁目(91.8万円)や玉川田園調布2丁目(81.5万円)より建てられる面積が大きいことが、価格の差に表れています。
商業地は、自由が丘駅から380mの奥沢5丁目が166万円(+12.9%)、九品仏駅前(90m)の奥沢8丁目の基準地が110万円(+7.8%)、奥沢駅から230mの奥沢4丁目が101万円(+6.8%)です。商業地は店舗の立地としての評価なので、住宅地とは比べられません。
建て替え・土地活用のルール
用途地域と敷地の最低限度
住宅地の地点はどれも第一種低層住居専用地域・準防火地域で、建ぺい率/容積率は60%/150%(奥沢5・7丁目)と50%/100%(奥沢8丁目、玉川田園調布2丁目)に分かれます。世田谷区全域のルールでは、敷地面積の最低限度は建ぺい率60%の低層住居専用地域で70㎡、50%で80㎡です。商業地の近隣商業地域には、この最低限度はありません。
玉川田園調布一・二丁目地区 地区計画(2000年2月25日決定、2009年5月20日変更)
玉川田園調布1・2丁目と奥沢4〜6丁目の各一部、約20.6haにかかる地区計画です。住宅街区A・B地区と沿道街区A〜D地区に分かれ、区のパンフレットでは次のような内容が決められています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 敷地面積の最低限度 | 130㎡と160㎡(地区の区分で異なる) |
| 壁面の位置 | 道路から1.0m・1.5m・2.0m、隣地から0.75m(風致地区内は1.5m) |
| 垣・さく | 道路に面するものは生垣か透視可能なさく |
| 緑化 | 敷地250㎡未満は、空地の面積の20%以上を緑化 |
奥沢二・五丁目北地区と界わい形成地区
奥沢5丁目の一部は、奥沢2丁目とあわせた「奥沢二・五丁目北地区」地区計画(約3.1ha、1989年決定)の区域で、パンフレットでは敷地面積の最低限度100㎡、高さの最高限度21mなどが定められています。奥沢4・5丁目の一部は、区の「奥沢1〜3丁目等界わい形成地区」にも入り、建物の新築や外観の変更(同じ色での塗り替えを含む)に届出が要ります。
奥沢四丁目建築協定
区の一覧(2026年6月末時点)に載っている建築協定は7件で、そのひとつが「世田谷区奥沢四丁目建築協定」です。建築協定は土地の所有者どうしが結ぶ約束で、区域内の土地を買った人にも引き継がれます。協定の区域と内容は区で原本を確かめてください。
多摩川風致地区と風景づくり
奥沢と玉川田園調布は、多摩川風致地区の指定がある町名です。風致地区では建物の新築・増改築や木の伐採に許可が要り、第一種は建ぺい率20%以下・高さ10m以下・道路側3m後退、第二種は建ぺい率40%以下・高さ15m以下・道路側2m後退が基準です。玉川田園調布1丁目9〜21番は、区の風景づくりの重点区域「水と緑の風景軸」で、延べ面積500㎡以上か見かけの高さ10m以上の建物は届出が要ります。
環八沿い
玉川田園調布1・2丁目と奥沢4・6丁目の環八沿いは「環状八号線玉川田園調布地区」(約2.3ha)、奥沢4丁目と玉川田園調布1・2丁目の一部は「環状八号線東玉川地区」(約2.0ha)、奥沢6・8丁目と玉川田園調布1丁目の一部は「環状八号線野毛・等々力・中町地区」の沿道地区計画の区域です。
環八(環状八号線)沿いには、騒音から住まいを守り、沿道に建物を連ねて後ろの住宅地への音を遮るための沿道地区計画があります。主な制限は共通で、間口率(敷地の環八に面する長さのうち建物が占める割合)の最低限度10分の7、環八の路面の中心からの高さの最低限度5m、高さ5m未満の部分は遮音上有効な構造にすること、計画図で定める区域内では住宅・学校・病院などの居室を防音構造にすること、などです。環八に面する長さが20m以上の特殊建築物や事務所は、歩道面から2.5m以下の部分を道路境界から1m以上下げます。環八沿いの土地は、ふつうの住宅地と同じ感覚で建物の形を決められない点に注意が要ります。
災害のリスク
区内の土砂災害警戒区域104か所のうち、この地区にかかるのはK099(尾山台1丁目・玉川田園調布1丁目)の1か所です(2018年1月30日告示)。特別警戒区域を含むかどうかは、都の土砂災害警戒区域等マップの区域図で確かめます。
多摩川の想定浸水深の表示板は、この地区にはありません。洪水と内水氾濫の想定は、区のハザードマップ(2026年7月更新)で地番ごとに確かめます。売買・賃貸のどちらでも、水害ハザードマップ上の位置の説明は重要事項説明の義務です。
売る・貸すときのポイント
分けて売るなら、地区計画の最低限度から逆算する
玉川田園調布の地区計画の区域では、敷地の最低限度が130㎡か160㎡です。300㎡の土地なら、130㎡の区分では2区画にできても、160㎡の区分では分けられません。区画数で土地の価格は大きく変わるので、どの区分かを確かめてから査定に入ります。
建ぺい率60%・容積率150%の土地は強みになる
同じ第一種低層住居専用地域でも、奥沢5・7丁目の地点のように60%/150%の土地は、50%/100%の土地より5割多く床面積を取れます。広告では「低層住宅地」とだけ書かず、建てられる延べ面積の目安まで示すと、建築を考える買い手に伝わります。
建築協定の区域かどうかは、売る前に確かめる
奥沢4丁目の建築協定の区域に入る土地は、協定の内容が買い手に引き継がれます。重要事項説明で説明する事項なので、売り出しの前に協定書の写しを用意しておくと、契約の直前で話が止まることを防げます。
よくある質問
九品仏の土地の相場はどのくらいですか。
玉川田園調布で土地を分けて売れますか。
奥沢4丁目の建築協定とは何ですか。
出典・参考にした資料
- 世田谷区「九品仏地区」
- 東京都財務局「令和8年地価公示 公示価格個別地点データ(東京都分)」
- 東京都財務局「令和8年東京都基準地価格 基準地価格一覧(CSV)」
- 世田谷区「町丁目別人口と世帯数」(2026年・2025年)
- 東京都財務局「令和8年地価公示価格(東京都分)の概要」
- 東急電鉄「九品仏駅」
- 東急電鉄「2025年度 駅別乗降人員」
- 世田谷区「浄真寺三仏堂」
- 世田谷区「奥沢城跡」
- 世田谷区「玉川田園調布一・二丁目地区 パンフレット」
- 世田谷区「玉川田園調布一・二丁目地区」
- 世田谷区「奥沢二・五丁目北地区 地区計画パンフレット」
- 世田谷区「奥沢1〜3丁目等界わい形成地区を指定しました」
- 世田谷区「建築協定」
- 世田谷区「環状八号線 玉川田園調布地区 沿道地区計画」
- 世田谷区「環状八号線 野毛・等々力・中町地区 沿道地区計画」
- 世田谷区「地区計画等・地区街づくり計画一覧」
- 世田谷区「敷地面積の最低限度の制限」
- 世田谷区「東京都風致地区条例」
- 世田谷区「風景づくり条例に基づく届出制度」
- 世田谷区「土砂災害防止法に基づく指定区域について」
- 東京都「土砂災害警戒区域等マップ」
- 世田谷区「洪水・内水氾濫ハザードマップ」
- 国土交通省「宅地建物取引業法施行規則の一部改正(水害リスク情報の重要事項説明への追加)」
2026年10月21日時点で確認した内容です。地価と人口は公表のたびに更新します。建築のルールは地番ごとに違うことがあるので、建てる・売る前には区の窓口や都市計画図(せたがやiMap)で確かめてください。
世田谷の家や土地のこと、まず話を聞かせてください
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