2026年1月、住宅宿泊事業法(民泊新法)の施行から7年あまりで初めて、同法違反による摘発(書類送検)が行われました。さらに5月29日には、国土交通省が住宅宿泊管理業者への令和7年度立入検査結果を公表し、検査を受けた44業者のうち35業者、率にして8割が是正指導を受けたことが明らかになりました。インバウンド需要で民泊市場が伸び続ける一方、規制と監視は確実に締まっています。このニュースを「民泊業者の話」と読み流してはいけません。賃貸管理会社にとっての本当のリスクは、自社の管理物件で入居者が無断で民泊を営む「無断民泊」です。発覚の端緒の多くは近隣からの通報、つまり管理会社が一番最後に知る構図で、気づいたときには近隣クレーム・他入居者の退去・オーナーの信頼喪失が同時に進んでいます。本記事は、ウルスタ代表として宅建業を営み、自社で210室規模の賃貸住宅を管理・客付けする立場から、(1)民泊をめぐる規制強化の現在地、(2)無断民泊が管理物件にもたらす損失、(3)民法612条と民泊3制度の法的整理、(4)発見チェック8項目、(5)発見時の対応SOP5ステップ、(6)契約・審査・管理の予防3層、(7)オーナーから民泊転用を相談されたときの考え方までを、少人数の会社が今日から動ける粒度で整理します。条例や様式の細目は、運用にあたって必ず国土交通省・自治体など提供元の最新情報を確認してください。
民泊をめぐる3つの事実 — 摘発・検査・条例がそろって締まった
まず、2026年の民泊規制がどういう局面にあるのかを、公表情報で押さえます。市場の拡大と規制の強化が同時に進んでおり、そのしわ寄せが「無届け・無断のすき間民泊」として賃貸物件に流れ込みやすくなっているというのが全体像です。
事実1:民泊新法違反で施行後初の摘発が出た
ひとつめは、刑事手続きの動きです。2026年1月、東京都内で21室の民泊を運営する事業者が、住宅宿泊事業法違反などの疑いで書類送検されました。2018年6月の同法施行から7年あまりで、民泊新法に基づく摘発は全国初です。報道によれば、条例で営業が土日祝日に限定されている荒川区の届出住宅で平日を含む49日間営業し、区には「土日の8日間しか宿泊させていない」と虚偽の報告をし、業務改善命令にも従わなかったとされています。発覚の背景には、騒音やゴミに関する近隣からの相次ぐ通報がありました。これまで違法民泊の摘発は旅館業法(無許可営業)が中心でしたが、届出済みの民泊でも、条例違反・虚偽報告・命令無視を重ねれば刑事事件になることが、実例で示されたということです。
事実2:住宅宿泊管理業者への立入検査、8割が是正指導
ふたつめは、行政検査の結果です。国土交通省が2026年5月29日に公表した令和7年度の全国立入検査結果では、住宅宿泊管理業者44業者が検査を受け、うち35業者(約8割)が是正指導を受けました。指摘の上位は帳簿の備付け等(18件)、証明書の携帯等(16件)、住宅宿泊事業者への定期報告(16件)です。注目すべきは今後の方針で、国交省は「外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策」(令和8年1月関係閣僚会議決定)を踏まえ、宿泊者の迷惑行為への対応など「管理が適切に行われていない民泊」について、周辺地域の生活環境への悪影響防止の説明義務と苦情対応を重点的に検査すると明言しました。住宅宿泊管理業の登録業者は令和8年3月時点で4,095業者。プロの管理業者ですら8割が指摘を受ける制度を、入居者が無断・無届けで適法に運営できる余地は、ほぼありません。
事実3:自治体条例と予約サイト対策が一段と厳しくなった
みっつめは、自治体と国の包囲網です。2026年に入り、大田区は4月から特区民泊の認定基準を厳格化(近隣説明会2回以上、ゴミ回収週3回、駆けつけ徒歩10分以内、24時間苦情窓口)。特区民泊への苦情が3年で4倍超に達した大阪市は、5月末で新規認定申請の受付を停止しました。豊島区も民泊利用を長期休暇期間などに限定する改正条例の施行を決めています。さらに観光庁は、無届けなどの違法民泊を予約サイトから排除するシステムの運用を2026年度に始めると報じられています。「黙ってサイトに載せて稼ぐ」型の民泊は、行政データと予約サイトの照合で炙り出される段階に入ったということです。
国土交通省によると、全国の民泊届出住宅は2026年1月末時点で約3万8,000件。直近の定期報告集計では宿泊者数約63万人・前年同期比148.6%、うち外国籍が62.1%と、需要は急伸しています。一方で条例は厳格化し、新規の正規参入枠は狭まっています。需要があるのに正規の枠が足りないとき、何が起きるか。賃貸住宅を借りて無断で転貸民泊に回す動きです。あなたの管理物件は、その受け皿の候補になっています。
無断民泊が管理物件で起きると何を失うか
無断民泊は「見つけたら止めればいい」という軽い話ではありません。進行している間、管理会社とオーナーは損失を積み上げ続けます。第一に、近隣・他入居者からのクレームです。深夜の騒音、スーツケースの出入り、曜日を無視したゴミ出し。観光庁の実態調査でも、自治体が違法民泊を把握する端緒の最多は「住民・宿泊者等からの通報」でした。つまり典型的な無断民泊は、管理会社が発見する前に、近隣の我慢が限界を超えて行政や警察に通報され、管理会社は「何も把握していなかった会社」として登場します。第二に、優良入居者の退去です。分譲賃貸やファミリー物件で「隣が民泊化した」となれば、退去理由として十分すぎます。第三に、建物と保険のリスクです。不特定多数の宿泊は想定外の損耗・火災リスクを伴い、火災保険や借家人賠償の適用で「用法違反」が争点になり得ます。第四に、マンションでは管理規約違反として管理組合との紛争に発展し、オーナーが組合から責任を問われます。そして最後に、オーナーの信頼です。「毎月管理料を払っているのに、自分の部屋がホテルになっていることに気づかなかったのか」という一言に、反論の余地はありません。
法的整理 — 民法612条と民泊3制度、「届出すれば合法」が成り立たない理由
対応を間違えないために、法律の骨格を3点だけ押さえます。
無断転貸は契約解除事由になる(民法612条)
賃借人は、賃貸人の承諾なく賃借物を転貸できず、違反して第三者に使用収益させたときは、賃貸人は契約を解除できます(民法612条)。判例上、解除には「信頼関係の破壊」が必要とされ、背信行為と認めるに足りない特段の事情がある場合は解除できません(最判昭和28年9月25日)。ただし不特定多数の宿泊者に反復継続して部屋を提供する無断民泊は、親族を一時的に住まわせたような事案とは質が違い、背信性が認められやすい類型です。民泊禁止特約がない古い契約でも、612条と用法遵守義務を根拠に対応できます。特約があれば、解除の根拠はさらに明確になります。
適法な民泊は3ルートしかなく、無許可・無届けには罰則がある
適法に民泊を営む方法は、(1)旅館業法の簡易宿所営業の許可、(2)国家戦略特区の特区民泊の認定、(3)住宅宿泊事業法の届出(年間提供日数180日以内・条例による短縮あり)の3つだけです。いずれにも当たらない営業は旅館業法の無許可営業となり、6月以下の懲役または100万円以下の罰金の対象です(2018年の法改正で罰金上限が3万円から100万円に引き上げ)。新法の届出をしても、180日や条例の上限を超えれば冒頭の摘発例のとおり刑事リスクがあります。
借主が勝手に「届出して合法化」はできない
実務上もっとも重要なのがここです。住宅宿泊事業法の届出では、賃借人が事業を営む場合、「賃貸人が住宅宿泊事業の用に供することを承諾したことを証する書面」の添付が必要です(同法施行規則)。つまり、貸主と管理会社が承諾していない限り、入居者は適法な届出自体ができません。無断民泊は「届出を知らなかった善意の副業」ではなく、構造的に、無届け(旅館業法違反)か虚偽添付(届出の瑕疵)のどちらかを伴う違法状態です。この理解があると、借主の「届出すれば問題ないはずだ」という反論に、その場で正確に答えられます。
無断民泊の発見チェック8項目 — 巡回・データ・通報の3経路で網を張る
発見は偶然に頼らず、仕組みにします。経路は3つ。現地の巡回で見る、データで照合する、通報を一元的に受ける。次の8項目をチェック表にして、頻度を決めて回してください。
| # | チェック項目 | 見るポイント | 頻度の目安 |
|---|---|---|---|
| 1 | 予約サイトの照合 | 主要民泊サイトで物件の町名・最寄駅・外観/内装写真・間取りを検索し、管理物件が掲載されていないか確認 | 月1回 |
| 2 | 届出情報との照合 | 自治体が公表する届出住宅一覧・標識番号に管理物件の住所がないか確認 | 月1回 |
| 3 | 共用部の異変 | 後付けキーボックス・スマートロック、多言語の案内貼り紙、スーツケースの出入り | 巡回ごと |
| 4 | ゴミ出しの異常 | 曜日無視・分別なし・一度に大量、外国語表記のゴミ袋 | 巡回ごと |
| 5 | 騒音・人の入れ替わり通報 | 近隣・他入居者からの通報を記録様式に一元化し、同一住戸への繰り返しを検知 | 随時 |
| 6 | 使用量の異常 | オーナー一括契約の水道光熱・通信の使用量急増、Wi-Fi機器の増設 | 検針ごと |
| 7 | 郵便受け・玄関まわり | 表札なしで人の出入りだけ多い、チェックイン案内の掲示、郵便物の放置 | 巡回ごと |
| 8 | 契約面のサイン | 法人契約の利用実態(社宅名目で実態は宿泊運用)、更新時の居住確認、入居者からの転貸の打診 | 更新・契約時 |
このうち効果が大きいのは1と5です。予約サイトの照合は、立地と写真を知っている管理会社だからこそ数分で当たりがつけられます。空室募集時の室内写真と掲載写真の家具配置・窓の形・眺望が一致すれば、ほぼ確定です。5の通報一元化は、入居者アプリや電話記録を「住戸単位」で集計するだけで、単発のクレームでは見えない「同じ部屋に毎週違う人がいる」というパターンを浮かび上がらせます。
発見したときの対応SOP — 感情的に動かず、5ステップで詰める
ステップ1:証拠を保全する(その日のうちに)
掲載ページのURL・スクリーンショット(物件写真・カレンダー・料金・ホスト情報)を日時入りで保存し、巡回時の現地写真、通報の記録を揃えます。先に借主へ連絡すると、その日のうちに掲載が消されます。証拠が揃うまで接触しないのが鉄則です。掲載の魚拓、予約可能日の状況、レビュー(宿泊実績の証拠になります)まで押さえれば、後の交渉と法的手続きの土台になります。
ステップ2:借主に事実確認と利用停止を書面で求める
証拠が揃ったら、借主に対し、書面(配達記録の残る方法)で、(1)無断転貸・用法違反の事実、(2)宿泊提供の即時停止と掲載の削除、(3)期限を切った回答、を求めます。電話や口頭で済ませず、催告の記録を残すことが、後に解除の有効性を支えます。このとき前章の法的整理ができていれば、「届出すればいい」「友人を泊めているだけ」といった反論にも、承諾書面の要否や反復継続性の観点から具体的に切り返せます。
ステップ3:オーナーに報告し、方針を決める
発見した時点と催告した時点で、オーナーへ速やかに報告します。方針(是正させて契約継続か、解除・明渡しまで進めるか)はオーナーの意向と契約条項を踏まえて決めるもので、管理会社の独断で進めない。ここで日頃の管理報告に発見の経緯と証拠が整理されていれば、「管理会社がちゃんと見ていてくれた」という評価に変わります。同じ事象が、報告の仕方ひとつで信頼喪失にも信頼獲得にもなります。
ステップ4:是正されなければ解除・明渡しへ
期限内に停止・削除がされない、あるいは再開した場合は、民法612条・用法遵守義務違反・特約に基づく解除通知(内容証明)に進みます。明渡しに応じない場合は建物明渡請求訴訟となるため、この段階では弁護士と連携してください。悪質な事案ほど、ステップ1〜2の証拠と催告の記録が効きます。なお、滞納がない借主であっても、無断民泊は解除が認められ得る独立の解除事由です。
ステップ5:行政・警察への相談を併走させる
無届けが疑われる場合は、自治体の保健所(旅館業・民泊担当)に情報提供します。多くの自治体に違法民泊の通報窓口があり、国の民泊制度コールセンターも案内役になります。宿泊者とのトラブルや安全面の懸念があれば警察にも相談する。行政の調査・指導は、借主への民事上の働きかけと並行して進められる別ルートで、悪質事案では行政指導の事実そのものが交渉を前に進める材料になります。
無断民泊の怖さは、発覚がほぼ例外なく「通報から」という点です。通報で発覚した時点で、近隣との関係はマイナスからのスタートになります。当社では空室写真と予約サイトの照合を月次の事務作業に組み込んでいますが、1物件あたりにかかる時間は数分です。十数年この仕事をしていて、巡回で目が利くスタッフの「あの部屋、最近様子が変です」という一言ほど早い検知はありません。仕組みと現場の目の両輪で、通報より先に自社で見つける。これだけで、その後の展開がまったく違います。
予防の3層ガード — 契約・審査・管理で「できない状態」をつくる
発見と対応のSOPがあっても、起きてから動くのはコストが大きい。予防は契約・審査・管理の3層で考えます。第1層は契約条項です。転貸禁止に加えて、「住宅宿泊事業・旅館業・特区民泊その他の宿泊事業の用に供することの禁止」を明記し、違反時の解除と違約金の定めを置きます。612条だけでも戦えますが、特約の明記は抑止力と交渉スピードがまるで違います。既存契約は更新時に特約を追加していきます。第2層は入居審査です。申込時に利用目的・居住者全員を確認し、法人契約は入居者名簿と利用実態の報告条項をセットにする。「鍵の引き渡し後は自由に使えるはず」という認識の申込者を、入口で見分けます。第3層は日常管理です。マンションでは管理規約の民泊可否(国土交通省の標準管理規約は2017年改正で民泊を許容する場合・禁止する場合の規定例を提示)を確認し、規約上の扱いを契約書・募集図面と整合させる。巡回記録と通報記録を住戸単位で残す。そしてオーナーには「民泊で高収益」という勧誘が来ても管理会社へ相談するよう日頃から伝えておく。3層が揃うと、無断民泊は「始めにくく、続けられず、言い逃れできない」状態になります。
オーナーから「民泊をやりたい」と相談されたら
逆方向の相談も増えます。空室対策やインバウンド収益を期待して、オーナー自身が民泊転用を考えるケースです。このとき管理会社が示すべきは、賛成・反対の前に判断材料です。第一に、適法ルートは3つしかなく、新法届出なら年180日(条例でさらに短い地域も多い)という上限が収支を直撃します。第二に、家主不在型では住宅宿泊管理業者への管理委託が義務であり、その管理業者の検査で8割が是正指導を受けているのが業界の現状です。委託先の品質は契約前に必ず確認する必要があります。第三に、マンションなら管理規約で民泊が禁止されていれば、そもそも始められません。第四に、自社が管理を受託する選択肢を取るなら、賃貸住宅管理業とは別に住宅宿泊管理業の登録が必要です。これらを並べたうえで、通常賃貸の継続・賃料見直し・マンスリー利用などの代替案と収支を比較して提案すれば、「できます/できません」ではない、判断を支える管理会社として信頼が深まります。
よくある質問
Q1. 無断民泊を見つけたら、すぐ契約解除できますか。
いきなりの解除は勧めません。解除の有効性は信頼関係の破壊が前提になるため、証拠の保全、書面での催告、それでも是正されないという経過を積むことが、結局いちばん確実で速い道筋です。反復継続した宿泊提供の証拠(掲載ページ・レビュー・現地の状況)が揃っているほど、解除は認められやすくなります。
Q2. 借主が「届出済みだから合法だ」と主張したらどうしますか。
届出番号と届出時の添付書類の確認を求めてください。賃借人による届出には賃貸人の承諾を証する書面が必要なので、承諾していないのに届出が受理されているなら、虚偽の書面が使われた疑いがあります。自治体の民泊担当窓口に照会し、事実関係を確認したうえで対応します。いずれにせよ無断であれば契約違反の問題は残ります。
Q3. 契約書に民泊禁止の特約がない古い契約でも対応できますか。
できます。民法612条の無断転貸の制限と用法遵守義務は、特約がなくても適用されます。不特定多数への反復継続的な宿泊提供は、通常の居住用契約の用法を外れた使用です。ただし今後の抑止力のため、更新のタイミングで宿泊事業禁止の特約を追加していくことを勧めます。
Q4. 旅館業の簡易宿所や特区民泊と、新法の民泊は何が違うのですか。
簡易宿所は旅館業法の営業許可、特区民泊は国家戦略特区での認定、新法民泊は届出制で年間提供日数の上限が180日(条例で短縮あり)です。営業日数の制限がないのは前2者ですが、用途地域や設備の要件が厳しくなります。賃貸住戸で入居者が無断で行う場合、どの枠組みの許可・認定・適法な届出も通常は取れません。
Q5. 分譲マンションの一室を管理しています。管理規約との関係はどうなりますか。
標準管理規約は2017年の改正で、住宅宿泊事業を許容する場合と禁止する場合の規定例を示しており、多くの管理組合が禁止の規定を置いています。規約で禁止されていれば、区分所有者(オーナー)も入居者も民泊はできません。賃貸借契約・募集図面・規約の整合を確認し、規約違反は管理組合とも連携して対応します。
Q6. 無届け民泊の通報・相談はどこにすればよいですか。
第一窓口は物件所在地の自治体の保健所(旅館業・民泊担当)です。多くの自治体が違法民泊の通報窓口を設けており、国の民泊制度コールセンターでも案内を受けられます。宿泊者の出入りに伴う安全上の不安があれば警察への相談も併用してください。通報と並行して、借主への民事対応(催告・解除)は自社のSOPで進めます。
Q7. まず何から始めればよいですか。
今週やるべきは3つです。(1)管理物件の所在エリアで予約サイトを一度検索し、現在の掲載有無を確認する、(2)通報・クレームの記録を住戸単位で見返し、繰り返しのある住戸を洗い出す、(3)契約書の雛形に宿泊事業禁止の特約があるか確認する。この3つで、現在進行中のリスクの大半は可視化できます。そのうえで、本記事のチェック8項目を月次・巡回の定例業務に組み込んでください。
まとめ:無断民泊対策は「通報される前に、自社で見つける」体制づくり
2026年、民泊をめぐる環境は「初の摘発」「立入検査で8割是正指導」「条例の厳格化」「予約サイトからの排除」と、規制強化の節目を迎えました。需要が伸びるほど、正規の枠に入れないすき間は、賃貸物件の無断民泊に向かいます。管理会社の対策は、難しい法解釈ではありません。月1回の予約サイト照合と届出情報の確認、巡回とゴミ・騒音の記録、通報の住戸単位での一元化という発見の仕組み。証拠保全から催告・オーナー報告・解除・行政連携までのSOP。そして契約特約・入居審査・規約整合という予防の3層。どれも少人数の会社で今日から始められる実務です。無断民泊は、近隣からの通報で発覚した瞬間に、管理会社の評価を大きく下げる事案になります。逆に、通報より先に自社で見つけて静かに収めれば、オーナーと地域からの信頼は確実に積み上がります。インバウンドの追い風は、これからも続きます。風が強いときほど、足元の管理物件を一巡、見直してみてください。今日も一件、丁寧に積み上げていきましょう。
ウルスタは、中小不動産会社の物件・入居者・契約書類・対応履歴を住戸単位で一元管理できる業務クラウドを提供しています。通報やクレームの記録が契約情報とつながっていれば、無断民泊のような「繰り返しのパターンで気づく」事案の検知も、オーナーへの報告も、すぐに形になります。発見の仕組みづくりの土台として、日常の記録から整えていきましょう。
参照: 国土交通省「住宅宿泊管理業者への全国立入検査結果(令和7年度)」(2026年5月29日公表・検査44業者/是正指導35業者・登録4,095業者・条項別指導件数) / 「外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策」(令和8年1月関係閣僚会議決定) / 住宅宿泊事業法(2018年6月15日施行)・同法施行規則(賃借人の届出における賃貸人承諾書面) / 旅館業法(無許可営業: 6月以下の懲役または100万円以下の罰金) / 民法612条・最高裁昭和28年9月25日判決(信頼関係破壊の法理) / 民泊新法違反による施行後初の書類送検に関する各種報道(2026年1〜2月・荒川区の届出住宅の条例違反・虚偽報告等) / 自治体の条例・運用(大田区・大阪市・豊島区等)に関する公表情報・報道 / 国土交通省「マンション標準管理規約」(2017年改正・住宅宿泊事業の規定例) / いずれも2025〜2026年時点の公開情報


