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国土交通省は2026年10月7日、長期修繕計画作成ガイドラインの見直し検討会を公表した|第1回は10月9日。管理計画認定制度の見直しは2027年4月1日施行で、長期修繕計画の要件が「申請日前5年以内」などに変わる

国交省は2026年10月7日、長期修繕計画作成ガイドラインの見直し検討会を公表しました。管理計画認定制度の見直しは2027年4月1日の施行で、長期修繕計画の要件が変わります。

馬場生悦
宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士
長期修繕計画ガイドラインの見直し検討会が始動|管理計画認定は2027年4月から
目次

国土交通省は2026年10月7日、「長期修繕計画作成ガイドラインの見直し等に関する検討会」を設けると公表しました。第1回会合は10月9日(金)15時から17時です。見直しの対象は、長期修繕計画標準様式、長期修繕計画作成ガイドライン、同コメントの3つです。背景は、2026年7月に改正された「マンションの管理の適正化の推進を図るための基本的な方針」で、管理計画認定制度の見直しは2027年4月1日に施行されます。本稿は、国交省の公表資料と告示の新旧対照表の原文で確かめた範囲で、いつ・何が決まり、何がまだ決まっていないかを整理します。

結論(90秒で読める)

  • 国交省住宅局は2026年10月7日に検討会の設置を公表し、第1回会合は10月9日(金)15:00〜17:00でした。検討会の名称は「長期修繕計画作成ガイドラインの見直し等に関する検討会」です。
  • 見直すのは長期修繕計画標準様式・長期修繕計画作成ガイドライン・同コメントの3つ。会議資料と議事要旨は後日公開される予定で、見直しの中身と時期は、現時点で公表されていません。
  • 管理計画認定制度の見直しは、告示(令和8年国土交通省告示第1017号)と省令(令和8年国土交通省令第70号)が2026年7月31日に公布され、2027年4月1日に施行されます。
  • 管理組合の管理者等が申請する場合、長期修繕計画の作成・見直しは「七年以内」から「申請日前五年以内」に変わります。総額比較(修繕積立金の総額が修繕工事費の総額を下回らない)の要件も、改正後の欄に載っています。
  • 新築時に分譲事業者が認定を申請できる仕組みが始まり、長期修繕計画の「案」にも要件(計画期間30年以上・大規模修繕2回以上など)が定められました。

10月7日に公表された検討会|何を見直すのか

国交省の報道発表(2026年10月7日)によると、検討会の目的は「長期修繕計画作成ガイドラインの見直しに向けて検討を行うこと」です。背景として、2026年7月の「マンションの管理の適正化の推進を図るための基本的な方針」の改正等を受けた対応だと書かれています。検討するのは次の3つで、学識経験者や業界団体等の知見も踏まえるとされています。

項目公表されている内容
検討会の名称長期修繕計画作成ガイドラインの見直し等に関する検討会
公表日2026年10月7日
見直しの対象長期修繕計画標準様式/長期修繕計画作成ガイドライン/長期修繕計画作成ガイドラインコメント
第1回会合2026年10月9日(金)15:00〜17:00、中央合同庁舎第2号館12階 国際会議室
議題(第1回)検討会の設置について/長期修繕計画作成ガイドラインの見直し等について
資料・議事要旨後日、国交省の検討会ページで公開予定

長期修繕計画標準様式とガイドラインは、管理組合が長期修繕計画を作る・見直すときの基準になる資料です。管理計画認定の基準でも、長期修繕計画は「長期修繕計画標準様式」に準拠して作成されていることが求められています。この様式とガイドラインが見直されると、管理組合に長期修繕計画の見直しを提案する管理会社・設計事務所の実務にも関わってきます。

日付の整理|5月・7月・10月・2027年4月

今回の見直しは、複数の公表が重なっているので、日付で整理します。いずれも国交省の資料に書かれている日付です。

日付出来事
2025年5月30日改正法(令和7年法律第47号)の公布
2026年5月15日改正法の一部の施行期日を定める政令等を閣議決定(5月20日公布)。施行日は2027年4月1日
2026年7月31日管理計画認定に関する告示(第1017号)と省令(第70号)を公布
2026年10月7日長期修繕計画作成ガイドラインの見直し検討会を公表
2026年10月9日検討会の第1回会合
2027年4月1日告示・省令・改正法の一部が施行。申請日がこの日以降なら、見直し後の認定基準が適用される

国交省の管理計画認定制度のページには、申請日が2027年4月1日以降の場合は見直し後の認定基準が適用される、と書かれています。ガイドラインは「今後見直す予定」とも書かれており、今回の検討会がその作業にあたります。

2027年4月1日から変わる管理計画認定の要件

管理組合の管理者等が申請する場合(告示の別紙2)の長期修繕計画の要件を、告示の新旧対照表の原文で比べました。改正前の欄と改正後の欄を分けて読んだ結果です。

長期修繕計画の要件|改正前と改正後

項目改正前(現行)改正後(2027年4月1日から)
作成・見直しの時期七年以内に行われていること申請日前五年以内に行われていること(更新申請は従前の認定日から申請日まで)
大規模修繕の回数計画期間30年以上で、残存期間内に大規模修繕工事が2回以上計画期間30年以上で、申請日から計画期間の終了日までの間に大規模修繕が2回以上
集会の決議計画の内容と、これに基づく修繕積立金額について決議計画の内容(資金の総額・内訳・調達方法を記載した資金計画を含む)について決議
積立金総額と工事費総額改正前の欄に該当の要件なし修繕積立金の総額が、見込まれる修繕工事費の総額を下回らないこと
将来の一時金将来の一時的な修繕積立金の徴収を予定していない同じ
最終年度の借入金計画期間の最終年度に借入金の残高がない同じ
積立金の平均額著しく低額でないこと同じ
変更認定の申請のとき改正前の欄に該当の要件なし月当たりの徴収額の最低額が基準額の0.6倍以上、最高額が基準額の1.1倍以内

数字の読み方に注意が必要です。「七年以内」が「五年以内」になるのは、認定を申請する時点で、長期修繕計画が直近5年以内に作られたか見直されたものでなければならないという意味です。7年前に作った計画のままでは、2027年4月1日以降の申請では要件を満たさない可能性があります。ただし、各管理組合の計画がどう扱われるかは、申請先の地方公共団体の運用も含めて個別に確認が必要です。

なお、管理計画認定のほかの要件(集会の開催、管理規約、経理、名簿など)にも、告示では改正が入っています。本稿は長期修繕計画の部分に絞っています。全体は国交省の新旧対照表(出典章のリンク)で確認してください。

分譲事業者が申請する新しい区分(別紙3)

2027年4月1日からは、新築マンションの分譲時に、分譲事業者が管理計画の認定を申請できるようになります(国交省 2026年5月15日報道発表)。告示では、この申請者向けの認定基準が別紙3として新しく設けられました。改正前の欄は「新設」とだけ書かれています。長期修繕計画の「案」の要件は、原文で次の8つです。

  1. 長期修繕計画の案が「長期修繕計画標準様式」に準拠して作成されていること
  2. 案の作成・見直しが、申請日前5年以内に行われていること
  3. 計画期間が30年以上で、計画期間内に大規模修繕が2回以上含まれること
  4. 修繕積立金の総額が、見込まれる修繕工事費の総額を下回らないこと
  5. 将来の一時的な修繕積立金の徴収を予定していないこと
  6. 計画期間の最終年度に借入金の残高がないこと
  7. 修繕積立金の総額から算定した月当たりの平均額が著しく低額でないこと
  8. 月当たりの徴収額の最低額が基準額の0.6倍以上、最高額が基準額の1.1倍以内であること

別紙3には、管理規約の案の要件(管理者等・監事の選任と解任、任期は2年を超えない範囲、集会は年1回以上など)、防災方針を記載した書類、分譲事業者から管理組合の管理者等への引継ぎの方法も定められています。新築の分譲段階から長期修繕計画と積立金の設計が審査の対象になる、という点が大きな違いです。

省令で決まった申請書類・引継ぎ・表示

省令(令和8年国土交通省令第70号)の概要には、次の内容が書かれています。

項目省令の概要に書かれている内容
管理者等が申請するとき防災方針を記載した書類を添付書類に加える
分譲事業者が申請するとき長期修繕計画の案、規約の案、防災方針を記載した書類などを添付書類として定める
認定の基準(規約)規約に、管理者等・監事の選任・解任と任期、集会の決議事項が定められていること
引継ぎ分譲事業者から管理組合への引継ぎに関する申請書類等の規定を新設
認定マンションの表示表示の対象に、広告や契約関係書類を加える
認定の取消し引継ぎを行わない場合、管理者等が選任されない期間が「住戸の最初の引渡し日から1年6月」を取消しの要件とする

省令の概要には、認定を受けたマンションの表示の対象に、広告や契約関係書類を加えるとあります。認定マンションを広告に載せる場面があるなら、2027年4月以降にどの表示が求められるのか、省令の本文で確かめておく必要があります。

まだ決まっていないこと

  • ガイドライン・標準様式・コメントの見直しの内容:検討会は始まったばかりで、中身は公表されていません。
  • 見直し後の公表時期:報道発表には、第1回以降の開催予定は書かれていません。2027年4月1日までに間に合うかどうかも、資料からは分かりません。
  • 検討会の委員:報道発表の本文では「別紙のとおり」とされており、本稿では確認できていません。
  • 経過措置の細部:省令の附則に経過措置があると国交省のページに書かれていますが、本稿では内容を確認していません。
  • 基本方針の「目標」の項:第2(目標の設定に関する事項)の文言も改められています。本稿では、改正の方向を原文の欄で確かめきれていないので、内容には触れていません。

管理会社が今週やる確認

見直しの中身が出る前でも、すでに公布されている告示の内容にもとづいて確認できることがあります。

  1. 管理を受託している分譲マンションの長期修繕計画の「作成・見直し日」を一覧にする。2027年4月1日以降に認定を申請する可能性があるなら、直近5年以内かどうかを見ます。
  2. 計画期間が30年以上か、大規模修繕が2回以上入っているかを見ます。計画の起点によって、数え方が変わります。
  3. 修繕積立金の総額が、見込まれる工事費の総額を下回っていないか、将来の一時金や最終年度の借入金が前提になっていないかを見ます。
  4. 管理組合に見直しを提案するときは、ガイドラインの改定が予定されていることを伝え、様式の改定前に作り直すか、改定後に合わせるかを管理組合と相談します。
  5. 国交省の検討会ページを、月に1回は確認する日を決めます。資料と議事要旨は後日公開されます。

関連する記事として、管理計画認定の仕組みと申請の流れは老朽マンションの管理計画認定制度、修繕積立金のガイドラインの目安と売買の重要事項説明は修繕積立金と大規模修繕、区分所有法の改正は区分所有法の改正のポイントにまとめています。

よくある質問

Q1. 長期修繕計画作成ガイドラインは、もう改定されましたか。

いいえ。2026年10月7日に見直しのための検討会が公表され、第1回会合が10月9日に行われた段階です。見直しの内容と時期は公表されていません。

Q2. 2027年4月1日に、全国のマンションの長期修繕計画が影響を受けますか。

告示の別紙が定めているのは、管理計画の認定を申請するときの基準です。認定は、申請した管理組合(または分譲事業者)が受ける制度です。ただし、基本方針には管理組合が長期修繕計画を作成・見直すときの考え方も書かれているため、管理会社は内容を把握しておく必要があります。

Q3. 「五年以内」は、現在の認定マンションにも関係しますか。

告示の原文には、認定の更新の申請の場合は「従前の認定を受けた日から当該申請の日までの間」とする括弧書きがあります。更新時の扱いは、この括弧書きを含めて申請先の地方公共団体に確認してください。

Q4. 分譲事業者の認定は、どの時点で申請できますか。

国交省の資料では、2027年4月1日から、新築時に分譲事業者が申請できる仕組みが始まるとされています。具体的な申請手続は、省令と各地方公共団体の案内を確認してください。

Q5. 検討会の資料はどこで見られますか。

国交省住宅局のマンション関係のページに、後日掲載される予定とされています。出典章のリンクから確認できます。

要点は三つです。第一に、ガイドラインの見直しは始まったばかりで、内容は未公表であること。第二に、管理計画認定の新基準は2027年4月1日に施行され、長期修繕計画は「申請日前5年以内」の作成・見直しが要件になること。第三に、新築時の分譲事業者による認定という新しい区分ができ、長期修繕計画の案から審査されること。管理を受託している計画の日付と中身を、今のうちに一覧にしておくことが、いちばん現実的な備えです。

この記事は2026年10月10日時点の情報です。

出典(本文で参照している資料)

本稿の記述は、2026年10月10日に実際に開いて読んだ次の資料にもとづきます。告示の新旧対照表(25頁)は、PDFの文字を取り出し、改正後欄と改正前欄を分けて読みました。

本稿で使った内容資料
検討会の名称・目的・背景・検討事項・第1回会合の日時と会場・資料公開の予定(2026年10月7日公表)国土交通省 報道発表「長期修繕計画作成ガイドラインの見直しに向けて検討します」
検討会の開催状況・見直しの対象国土交通省 住宅局 長期修繕計画作成ガイドライン等のページ
施行期日を定める政令等の閣議決定(2026年5月15日)、2027年4月1日の施行、分譲事業者による認定申請、認定マンションの表示制度国土交通省 報道発表「マンション管理・再生の円滑化等のための改正法の一部の施行期日を定める政令等を閣議決定」
告示・省令の公布日と施行日、見直し後の認定基準の適用(申請日が2027年4月1日以降)、ガイドラインを今後見直す予定国土交通省 住宅局 マンション管理計画認定制度
告示の概要(令和8年国土交通省告示第1017号)告示の概要(PDF)
告示の新旧対照表(別紙2・別紙3の長期修繕計画の要件、改正前後の文言)告示の本文・新旧対照表(PDF)
省令(令和8年国土交通省令第70号)の概要:申請書類、引継ぎ、表示、取消し要件省令の概要(PDF)
関係法令の一覧国土交通省 住宅局 マンション関係法令

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