宅建業法・賃貸住宅管理業法・建築基準法・民法など、2026年に施行・改正される制度を、中小不動産会社の現場で「何を、いつまでに」の形に整理したコラム一覧。 全 67 記事。

空き家や古民家をクラウドファンディングで再生している会社は、令和8年8月21日に公布・施行された不動産特定共同事業法施行規則の改正を確認してください。契約成立前に交付する書面の説明事項が増え、想定利回りを表示したなら「それが予想に基づくものであり、不確実である旨」と「その算定の根拠となる不動産取引の額」まで書くことになります。利害関係人と取引するなら、その額を妥当と判断した根拠を示す。示せないなら鑑定評価を取る。出資される金銭の使途は、取得代金・工事費用・租税公課といった項目ごとに書く。すでに許可・登録を受けている事業者は令和8年11月30日まで従前の例によることができますが、逆に言えば12月1日からは新しい書面でなければなりません。

東京都が令和8年8月21日に始めた「東京都高齢者いきいき住宅認定制度」の補助表には、空欄がひとつあります。セーフティモデルの「新築」欄です。改修なら100万円/戸が出るのに、新築には出ない。そして改修の補助率は3分の2、新築は5分の1。耐震改修を併せて行えば、耐震改修費の3分の2・上限200万円/戸がさらに乗ります。この設計は「高齢者向けの新しい建物を建ててください」ではなく、「いま持っている賃貸住宅を、高齢者が住める状態に直してください」と言っています。昭和の木造アパートを抱えたオーナーに、いま何を持っていくべきかという話です。

建設業許可を持っていないから監督処分は関係ない、と考えている管理会社は多いと思います。ただ、建設業法第28条第2項と第3項は、許可の有無で対象を切っていません。無許可で建設業を営む者が工事を適切に施工しなかったために公衆に危害を及ぼした場合、その工事が行われている区域の都道府県知事は、指示処分も営業停止処分もできます。令和8年7月31日に公示された改正案は、この無許可業者向けのガイドラインに「公衆危害」の章を新しく立て、粗雑工事による重大な瑕疵の営業停止を3日以上から7日以上へ引き上げます。許可業者側では、他法令違反の一覧に物流効率化法が加わり、公衆危害の類型に自動車運転死傷処罰法違反が明記される。意見の締切は8月30日23時59分、施行は9月中旬の想定です。

自社は年に数十戸しか建てないから関係ない——上位住宅トップランナーの話は、たいていそこで終わります。ただ、令和8年8月7日に公示された建築物省エネ法施行令の改正案を読むと、4区分のうち賃貸アパートだけ基準戸数が15,000戸で、ほかの3区分(各2,000戸)の7.5倍です。国土交通省はこの線を「住宅市場全体の累積供給量の上位4分の1が指定されるように」引いたと書いています。つまり賃貸アパートは、それだけ少数の事業者に集中している市場だということです。指定されるのは大手でも、同じ令和9年4月1日から賃貸アパートのトップランナー基準は省エネ基準▲10%から▲20%へ上がる。地主に建築を提案し、完成後の管理を受託する会社にとって、これは他人事ではありません。

空き家や1階の空き店舗を通所介護の事業所に貸したい。話がまとまりかけたところで設計事務所から「この居室は採光が足りません」と言われて止まる。建築基準法28条1項の採光規制は、住宅や学校だけでなく、施行令19条1項が定める児童福祉施設等にもかかります。老人デイサービスセンターはここに入るため、利用者が数時間しかいない通所型の施設でも、居室の床面積に応じた窓が要る。令和8年7月31日に公示された建築基準法施行令の改正案は、この対象から「利用者の滞在時間が短いことその他の理由により衛生上支障がないものとして国土交通大臣が定めるもの」を外します。ただし、外れるのが具体的にどの施設かは、政令ではなく後から出る告示に書かれます。意見を出せるのは8月30日0時までです。

建築士法の改正で、設計・工事監理の受託契約を書面で交わす義務から「延べ面積300㎡超の新築」の要件がなくなります。施行日は令和9年4月1日です。重要事項説明はもともと面積を問わず必要で、この点は変わりません。発注側の準備を整理します。

2026年8月7日、国土交通省の有識者会議が提言を公表しました。見出しになりやすいのは届出対象面積の引き下げですが、実務への影響が大きいのはそこではありません。提言は、利用目的を変えたときの再届出を求めるべきだと書き、相続や無償譲渡も届出対象に加えることが考えられると書き、国外に住む取得者には国内連絡先や国内に居住する管理者・保証人の登録を求める方策を検討すべきだと書きました。さらに、これまで取引段階だけだった指導監督を利用段階にも広げ、被害が生じるおそれがある場合には利用行為の差し止めや変更の命令、緊急的な行政代執行まで可能とすることも考えられるとしています。届出は一回で終わる手続きではなくなる、というのが本稿の読みです。

国土交通省は2026年、重要事項説明に関する業務でデジタルやAIの補助ツールを使うことについて、基本的な考え方と具体例を整理して業界団体に周知しました。根拠は規制改革実施計画(令和7年6月13日閣議決定)で、そこには宅建業者が補助ツールの利用に「躊躇」しないようにという表現が入っています。ところが同じ周知に添えられた一覧を数えると、掲載44件のうちAI系の技術が書かれているのは3件だけで、契約関連書類の作成の欄に書かれているのはAPI連携です。生成AIについては3箇所すべてに「検証が必要」という留保がついています。その検証が、令和8年7月頃から9月末までの実証事業です。本稿の日付から実証終了まで42日。中小の会社が今できるのは、採択を待つことではなく、同じ測り方を自社でしておくことです。

届出面積が下がる、という一行の提言です。ですが根拠になった全国調査を開くと、不適切な土地利用として報告された事案のうち、面積が判明した1,023件の約半分が2,000㎡未満でした。現行のいちばん厳しい閾値でも網にかからない。そして取得前に気づけていたのは1.3%だけです。仲介の段取りが、どこで一段増えるのかを整理します。

請負代金が100万円未満だから事前調査はいらない——これは誤りです。100万円は報告の閾値であって、調査そのものは規模によらずすべての解体・改修工事で必要とされています。原状回復の1室でも例外ではありません。

売買の話だけして賃貸借の条件を契約書送付で済ませていると、10月以降はそれが法47条1号の事実不告知に当たりえます。過失で告げなかった場合も31条の信義誠実義務に抵触するおそれがある、と明記されました。

2026年10月5日から、所有権の移転や保存の登記をするときは、名義人になる人の「国籍等」も検索用情報として申し出ることになりました。日本人の買主も対象で、電子証明書では代わりになりません。いまの決済で確認することをまとめます。