宅建業法・賃貸住宅管理業法・建築基準法・民法など、2026年に施行・改正される制度を、中小不動産会社の現場で「何を、いつまでに」の形に整理したコラム一覧。 全 67 記事。

公正取引委員会は2026年9月28日、関東のマンション大規模修繕工事の受注調整で延べ51社に排除措置命令、延べ50社に総額16億3788万円の課徴金納付命令を出しました。公表された事実と、賃貸管理の発注で今週できる5つを整理します。

2026年10月6日、東証上場の不動産会社が宅地建物取引業免許の取消処分を開示しました。役員が拘禁刑以上の刑に処せられると、社外取締役であっても会社は欠格となり、免許は行政庁の裁量なく取り消されます。条文の仕組み、刑の種類ごとの扱い、取消し後にできることと、中小の不動産会社が今週できる確認を整理します。

消費者庁の「現代社会における消費者取引の在り方を踏まえた消費者契約法検討会」が2026年9月10日に中間取りまとめを公表し、9月16日から10月31日まで意見を募集しています。中身は4部構成ですが、賃貸管理会社が読むべきところは決まっています。第2部の「継続的な契約関係からの離脱一般に関する規律」の注に「賃貸借契約なども当該消費者契約に該当し得るものと考えられる」と書かれているからです。規律案は、自動更新の前に「更新しない」と言う方法を知らせる努力義務、定型約款の重要事項を変えるときの個別通知、そして解約の申入れを受けることを拒否したり不当に遅らせたりする行為を適格消費者団体の差止請求の対象にすること。解約料については、9条1項1号の「平均的な損害」の見直しは今回行わず、説明責任を強化する方向が示されました。法案の時期も施行日もまだ決まっていません。本稿は、原文を引きながら、決まっていることと決まっていないことを分け、直すことになる3か所と、意見の出し方をまとめます。

総務省は2026年9月15日、令和9年度の固定資産税評価替えに向けた「固定資産評価基準の一部を改正する告示案」を地方財政審議会に諮り、9月16日から10月20日まで意見を募集します。柱は家屋の再建築費評点補正率で、木造1.16・非木造1.20。令和6年度の1.11・1.07から大きく上がり、非木造は2期据え置いたあと一気に2割の上乗せです。ただし評価基準には「新しい評価額と令和8年度の価額の低い方」をとる据置措置があり、在来分の家屋の評価額が上がることはありません。問題は逆で、「築年が進んだから下がるはず」と思っていた評価額が、RC造では築5年でも築55年でも下がらず、木造でも築25年を超えると下がらない建物が多いことです。本稿は新旧対照表と経年減点補正率基準表の数字で構造・築年別に試算し、管理会社がオーナーに説明する順番、今週やる5つ、報告書に足す2行に落とします。

最高裁第二小法廷は2026年8月28日、借地上の建物の「持分」を譲り受けた第三者は、地主が賃借権の譲渡を承諾しなくても、借地借家法第14条の建物買取請求権を行使できないと判断しました。区分所有建物の専有部分の持分でも同じです。相続で4人の共有になった専有部分のうち4分の3を買った買主が、地主に時価での買取りを求めた事件です。「承諾が取れなければ最後は地主に買い取らせる」という出口は、持分の売買では使えなくなりました。判決文と条文だけで事案と理由を整理し、契約の組み方・重要事項説明・地主側の対応を本稿の整理として示します。

旭化成ホームズ マンション建替え研究所は2026年9月7日のメディア懇談会で、4月の改正区分所有法施行後に同社が携わる建替え決議が13件、過去10年平均の約4倍になったと報告しました(R.E.port 9月8日報道)。決議済み5件のうち1件は賛成77.0%で、旧法の5分の4では成立しなかった数字です。築40年以上のマンションは2025年末で158.8万戸、10年後には313.1万戸(国土交通省)。決議が身近になるということは、管理・仲介している区分所有の1室で「建替え決議が出た」と連絡が来る日が来るということです。本稿は、そのとき賃貸借がどうなるかを条文で整理します。第64条の2は、賃貸中の専有部分について、決議に賛成した区分所有者等が賃借人に賃貸借の終了を請求でき、請求から6か月の経過で終了する、区分所有者は通常生ずる損失の補償金を払う、賃借人は補償金の提供を受けるまで明渡しを拒める、と定めています。反対したオーナーには第63条の売渡し請求が来ます。入居者・オーナー・自社が押さえる日付を時系列で並べました。

毎年9月と3月は「価格交渉促進月間」です。2026年8月27日付の経済産業大臣の周知文が日管協を通じて管理会社にも届き、9月下旬からは受注側中小企業30万社へのフォローアップ調査が始まります。6月に公表された前回調査では、発注者としての「不動産業・物品賃貸業」は転嫁率52.9%で19位、受注者としては41.0%で28位、前回から8.0ポイント下がりました。賃貸管理会社は清掃・点検・工事を発注する側であり、オーナーや元請けから受託する側でもあります。2026年1月1日に施行された中小受託取引適正化法(取適法)の対象になるかを資本金と従業員数で確かめる手順、労務費指針の12の行動、9月中にやること5つを書きました。

国土交通省が8月28日に公表した令和9年度予算概算要求。住宅局は4,187億円で前年度の2.43倍、行政経費は7.87倍です。みらいエコ住宅2027事業(新規2,000億円)、空き家のサブリース事業に融資する住宅金融支援機構の新制度、管理会社と居住支援法人が組む居住サポート住宅のモデル事業、賃貸住宅管理業者の「評価制度」創設のための技術的設計。中小の賃貸管理会社に関わる7項目を要求額・補助率つきで拾い、概算要求を「決まったこと」と読み違えないための見方を書きました。

令和8年度の地域別最低賃金は、47都道府県の答申が9月3日に出そろいました。全国加重平均1,177円、引上げ額は54円から65円、最高は東京1,280円、最低は宮崎1,085円。発効日は10月1日が15都道府県、残りは10月2日から12月2日にかけて順次です。業務改善助成金の申請期限は「発効日の前日」なので、10月1日発効の県は9月30日が締切。一覧表と換算式、9月中にやることを書きました。

「疑わしい取引の届出をすると契約できないのでは」「契約に至らなかったから届出しなくていい」。この2つの読み方が現場に広がっていたため、国交省は2026年9月3日に「解釈」を出しました。届出をした上で契約してよく、自社判断で断った案件でも届出する。宅建業者の届出は令和7年度325件が、令和8年度は第1四半期だけで204件。10月目処のチェックリスト改訂案は44事例です。

令和8年9月1日、国土交通省が第5回 地域価値を共創する不動産業アワードの募集要領を公表しました。国土交通大臣賞の新設が見出しになっていますが、中小不動産会社にとって効くのはそこではありません。第4回の要領にあった「①応募希望者自らによる応募」が、第5回では消えています。残っているのは推薦による3経路だけです。募集開始は10月1日ですが、推薦者への相談は、その前から始めないと間に合いません。

令和8年8月28日、国土交通省の令和9年度税制改正要望が公表されました。並んでいる項目の多くは「延長」で、見出しにはなりにくい。ですが3本だけ、新しい線が引かれています。ひとつは床面積要件を50㎡から40㎡へ下げる要望が3つの制度で揃ったこと。ひとつは、土砂災害等の災害レッドゾーン内で新築された住宅を登録免許税の特例から外すという、はじめて「狭める」方向の要望。もうひとつは、空き家の3,000万円特別控除に、相続・遺贈と同視し得る民事信託契約の終了が加わったことです。あわせて、賃貸管理会社には税より予算のほうが効きます。